注目の判例

憲法

2021.12.14
性別の取扱いの変更申立て却下審判に対する抗告棄却決定に対する特別抗告事件
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LEX/DB25571834/最高裁判所第三小法廷 令和 3年11月30日 決定 (特別抗告審)/令和2年(ク)第638号
性同一性障害者が、戸籍上の性別の取扱い変更の申立てをした審判で却下され、抗告審でも却下されたため、特別抗告をした事案において、性同一性障害者につき性別の取扱いの変更の審判が認められるための要件として「現に未成年の子がいないこと」を求める性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項3号の規定が憲法13条、14条1項に違反しないとし、本件抗告を棄却した事例(反対意見がある)。
2021.11.09
地位確認等請求事件
LEX/DB25590928/岐阜地方裁判所 令和 3年10月 1日 判決 (第一審)/平成30年(ワ)第9号
警備業者に警備員として雇用されていたが、自ら保佐開始の審判を申し立て、家庭裁判所から保佐開始の審判を受けたことに伴い、雇用契約終了の通知を受けて退職した原告が、被告(国)に対し、当時、警備業法は、被保佐人であることを警備員の欠格事由の一つとして定めていた本件規定(令和元年法律第37号による改正前の警備業法14条、3条1号)は憲法22条1項等に反し違憲であり、国会が本件規定を制定し、あるいは上記原告の退職時点まで改廃せず存置し続けたことは、国家賠償法1条1項の適用上違法であるとして、同項所定の損害賠償請求権に基づき、慰謝料100万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求めた事案で、本件規定は、警備業務を適正に実施するに足りる能力を備えた者のうち、被保佐人(準禁治産者)である者のみを区別して警備員から排除する規定であるところ、昭和57年改正当時からかかる区別をすることの合理性は認められない状態であったというべきであるから、本件規定は、その前身となる規定が新設された昭和57年改正時点において憲法14条1項にも反する状態であったとし、また、本件規定が被保佐人の職業選択の自由を合理的な理由なく制約していることが国会にとっても明白であったと認められる平成22年7月頃から遅くとも本件退職時点までに本件規定を改廃しなかった国会の立法不作為は国賠法1条1項の適用上違法であるとして、原告の請求を一部認容した事例。
2021.10.19
国家賠償請求控訴事件
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LEX/DB25590739/東京高等裁判所 令和 3年 9月22日 判決 (控訴審)/令和2年(ネ)第1423号
スリランカ国籍を有する控訴人(原告)らは、在留期間を超えて日本に残留し、いずれも難民不認定処分を受けた後に出入国管理及び難民認定法24条4号ロ(不法残留)に該当することを理由とする退令発付処分を受け、その後、難民不認定処分に対する異議申立てを行ったところ、同異議申立棄却決定の告知を受け、退令の執行を受け、集団送還の方法によりスリランカに強制送還されたことにより、控訴人らが、控訴人らに対する退令の執行は、控訴人らに難民不認定処分に対する取消訴訟等の提起について検討する時間的猶予を与えずに行ったもので、控訴人らの裁判を受ける権利を侵害したなどと主張して、被控訴人(被告。国)に対し、国家賠償法1条1項に基づき、控訴人1人当たり500万円の慰謝料及びこれに対する遅延損害金の支払を求め、原判決は控訴人らの請求をいずれも棄却したため、控訴人らがこれを不服として控訴した事案で、東京入管職員の本件送還にかかる一連の行為は、控訴人らの難民認定不処分に対する司法審査を受ける機会を実質的に奪ったものとして、国賠法1条1項の適用上違法であると認められるとして、原判決を変更し、控訴人らの請求は、各30万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度で理由があるとして一部認容し、その余の請求については棄却した事例。
2021.10.12
損害賠償請求控訴事件
LEX/DB25590675/名古屋高等裁判所金沢支部 令和 3年 9月 8日 判決 (控訴審)/令和2年(ネ)第137号
控訴人(原告)の社団(憲法を守ることを目的として設立された権利能力なき社団)が、金沢市庁舎前広場を使用して憲法施行70周年集会を開催することを目的として金沢市長に対してした庁舎等行為許可申請に対し、同市長が不許可処分をしたことが、職務上の義務に反してなされた違憲、違法な行為であると主張して、被控訴人(被告。金沢市)に対し、国家賠償法1条1項に基づき、〔1〕控訴人の社団が、1876円(代替場所の使用料)及びこれに対する遅延損害金の支払、〔2〕控訴人らが、各23万1000円(慰謝料ないし無形の損害及び弁護士費用)及びこれに対する遅延損害金の支払を求めたところ、原判決が、控訴人らの請求をいずれも棄却したため、控訴人らがこれを不服として控訴した事案で、控訴人らの請求をいずれも棄却した原判決は相当であるとし、本件控訴を棄却した事例。
2021.09.21
執行停止申立についてした決定に対する抗告事件
LEX/DB25571687/大阪高等裁判所 令和 3年 7月15日 決定 (抗告審)/令和3年(行ス)第36号
相手方が、「表現の不自由展かんさい」の開催を目的として大阪府立労働センターのギャラリーの利用承認を受けた後、一転して利用承認の取消処分及び利用不承認処分を受けたため、これらの処分の取消しの訴えを提起するとともに、本件取消処分及び本件利用不承認処分の執行停止(効力の停止)を申し立てたところ、原決定において上記取消処分の執行停止が認められたことから、抗告人が、本件抗告を申し立てた事案において、本案事件の第1審判決の言渡しまでの間、本件取消処分の執行停止を認めた原決定は相当であるとして、本件抗告を棄却した事例。
2021.09.14
群馬の森追悼碑設置期間更新不許可処分取消等請求控訴事件、附帯控訴事件
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LEX/DB25590539/東京高等裁判所 令和 3年 8月26日 判決 (控訴審)/平成30年(行コ)第88号 等
戦時中に労務動員され、群馬県内で死亡した朝鮮人(大韓民国及び朝鮮民主主義人民共和国の人々を指す)を追悼する追悼碑の控訴人・附帯被控訴人(被告)群馬県が管理する県立公園における設置許可を受けた団体から本件追悼碑に関する権利義務を承継したと主張している権利能力なき社団である被控訴人・附帯控訴人(原告)が、上記設置許可の期間満了に当たり、群馬県知事に対し、都市公園法5条1項に基づき、本件追悼碑の設置期間の更新申請をしたところ、同知事から設置期間の更新不許可処分を受けたため、本件更新不許可処分の取消しとともに、群馬県知事に対する本件更新申請の許可の義務付けを求め、原審は、本件追悼碑が都市公園の効用を全うする機能を喪失していたということはできず、本件更新不許可処分は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くものであるから、裁量権を逸脱した違法があると判断して、本件取消しの訴えに係る請求を認容したが、本件更新申請を許可しないことが法令の規定に反することが明らかであり、又はその裁量権の範囲を超え若しくはその濫用となるということまではできないと判断して、本件義務付けの訴えに係る請求を棄却したため、控訴人が本件取消しの訴えに係る請求認容部分を不服として控訴し、被控訴人が本件義務付けの訴えに係る請求棄却部分を不服として附帯控訴した事案で、本件更新不許可処分は適法であり、本件取消しの訴えは理由がないから、控訴人の本件控訴に基づいて、原判決中、本件更新不許可処分の取消しに係る請求認容部分を取消した上、当該部分に係る請求を棄却し、本件義務付けの訴えは不適法であるとして、原判決中、本件義務付けの訴えに係る請求棄却部分を取り消した上、本件義務付けの訴えを却下し、また、本件附帯控訴は理由がないとして棄却した事例。
2021.08.24
行政措置要求判定取消、国家賠償請求控訴事件
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LEX/DB25569720/東京高等裁判所 令和 3年 5月27日 判決 (控訴審)/令和2年(行コ)第45号
一審原告は、国家公務員で、性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律2条に定める性同一性障害者で、性別適合手術を受けておらず、戸籍上の性別変更をしていないトランスジェンダーで、一審原告は外見上女性と同様であるのに、本件トイレに係る処遇によって省庁舎内の女性用トイレを自由に使用することができず、性別適合手術を受けて戸籍上の性別変更をしない限り、将来の異動先で女性トイレを使用するには性自認についての説明会を要するなどと言われたなどとして、人事院に対し戸籍上の性別及び性別適合手術を受けたかどうかに関わらず、他の一般的な女性職員との公平処遇を求める要求をし、人事院から本件各措置要求はいずれも認められない旨の判定を受けたことから、一審原告が、本件判定はいずれも違法である旨を主張し、本件判定に係る処分の取消しを求め(第1事件)、また、一審原告が上記各制限を受けていることは、職員らがその職務上尽くすべき注意義務を怠ったもので、一審原告はこれにより精神的損害を受けたと主張して、一審被告・国に対し、慰謝料等及び遅延損害金の支払を求め(第2事件)、原審は、第1事件につき、本件判定のうち、一審原告が女性トイレを使用するためには性同一性障害者である旨を女性職員に告知して理解を求める必要があるとの当局による条件を撤廃し、一審原告に職場の女性トイレを自由に使用させることとの要求を認めないとした部分を取り消すとともに、第2事件につき、一審被告に対し、132万円及び年5パーセントの割合による金員の支払を命じた。このため、原審の判断を不服とする一審原告及び一審被告がそれぞれ控訴をし、一審原告が当審において、A調査官が一審原告のプライバシー情報を暴露したと主張して、慰謝料請求額を50万円増額し、全体の請求額を拡張した事案で、原判決を変更して、第1事件に係る一審原告の請求を棄却し,第2事件に係る一審被告の請求を11万円及びこれに対する遅延損害金の支払を認める限度で一部認容し、その余の請求については棄却し、一審原告の控訴を棄却し、また、一審原告の当審における国家賠償請求に係る拡張請求も棄却した事例。
2021.07.20
薬事法違反被告事件
LEX/DB25571620/最高裁判所第一小法廷 令和 3年 6月28日 決定 (上告審)/平成30年(あ)第1846号
被告人が、医薬品等の製造・販売等を営む被告会社の業務に関し、サブ解析の結果を被告会社の広告資材等に用いるため、医薬品であるX剤の効能又は効果に関して、虚偽の記事を記述したとして起訴され、第1審判決は無罪を言い渡したため、検察官が控訴し、原判決も第1審判決を維持したため、検察官が上告した事案で、本件各論文の本件各雑誌への掲載は、特定の医薬品の購入・処方等を促すための手段としてされた告知とはいえず、薬事法66条1項の規制する行為に当たらないとし、被告人に薬事法66条1項違反の罪は成立せず、被告会社にもその両罰規定は適用されないと判示し、これと同旨の原判決の結論は正当であるとして、本件上告を棄却した事例(補足意見がある)。
2021.07.06
市町村長処分不服申立て却下審判に対する抗告棄却決定に対する特別抗告事件
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LEX/DB25571588/最高裁判所大法廷 令和 3年 6月23日 決定 (特別抗告審)/令和2年(ク)第102号
婚姻届に「夫は夫の氏、妻は妻の氏を称する」旨を記載して婚姻の届出をしたところ、国分寺市長からこれを不受理とする処分(本件処分)が不当であるとして、戸籍法122条に基づき、抗告人らが、同市長に上記届出の受理を命ずることを申し立て、本件処分は、上記届出が、夫婦が婚姻の際に定めるところに従い夫又は妻の氏を称するとする民法750条の規定及び婚姻をしようとする者が婚姻届に記載しなければならない事項として夫婦が称する氏を掲げる戸籍法74条1号の規定が憲法14条1項、24条、98条2項に違反して無効であるなどとして、抗告人らが不服申し立てをしたが、原々審は却下決定をし、原審も抗告棄却決定をしたため、抗告人らが特別抗告をした事案で、民法750条の規定が憲法24条に違反するものでないことは、当裁判所の判例とするところであり(最高裁平成26年(オ)第1023号同27年12月16日大法廷判決・民集69巻8号2586頁(平成27年大法廷判決))、上記規定を受けて夫婦が称する氏を婚姻届の必要的記載事項と定めた戸籍法74条1号の規定もまた憲法24条に違反するものでないことは、平成27年大法廷判決の趣旨に徴して明らかであり、平成27年大法廷判決以降にみられる女性の有業率の上昇、管理職に占める女性の割合の増加その他の社会の変化や、いわゆる選択的夫婦別氏制の導入に賛成する者の割合の増加その他の国民の意識の変化といった原決定が認定する諸事情等を踏まえても、平成27年大法廷判決の判断を変更すべきものとは認められないとして、本件抗告を棄却した事例(反対意見、補足意見、意見がある)。
2021.06.15
憲法53条違憲国家賠償請求事件
LEX/DB25569359/岡山地方裁判所 令和 3年 4月13日 判決 (第一審)/平成30年(ワ)第163号
衆議院議員である原告が、平成29年6月22日、憲法53条後段に基づき、内閣に対して臨時会の召集を要求したところ、内閣が、同要求後98日が経過した同年9月28日まで臨時会を召集しなかったことにつき、内閣は合理的な期間内に臨時会を召集するべき義務があるのにこれを怠ったものであって、憲法53条後段に違反し、その結果、国会議員としての権能を行使することができなかったとして、被告に対し、国家賠償法1条1項に基づき、慰謝料等及びこれに対する遅延損害金の支払を求めた事案で、憲法53条後段に基づく臨時会の召集要求に対して、内閣は、召集手続等を行うために通例必要な合理的期間内に臨時会を召集すべき憲法上の法的義務を負うものと解されることから、同条後段に基づく内閣の臨時会の召集決定が同条に違反するものとして違憲と評価される余地はあるといえるものの、他方、内閣が、憲法53条後段に基づく臨時会の召集要求をした国会議員に対して、国家賠償法1条1項所定の職務上の法的義務として臨時会の召集義務を負うものとは解されないから、内閣が召集要求をした個々の国会議員に対し、同法1条1項所定の損害賠償義務を負う余地はなく、政治的責任を負うにとどまるものといわざるを得ないとして、原告の請求を棄却した事例。
2021.05.18
憲法53条違憲国家賠償等請求事件
LEX/DB25569113/東京地方裁判所 令和 3年 3月24日 判決 (第一審)/平成30年(行ウ)第392号
衆議院及び参議院の各総議員の4分の1以上の議員が、平成29年6月22日、憲法53条後段及び国会法3条に基づき、連名で、各院の議長を経由して内閣にそれぞれ要求書を提出することにより、臨時会の召集の決定を要求し、P4前内閣総理大臣を首長とする内閣は、同日、上記の各要求書を受理したにもかかわらず、P4内閣が、臨時会の召集を決定したのは同年9月22日であり、現実に臨時会が召集されたのは同月28日であったが、衆議院は、同日、憲法7条の規定に基づき、解散されたところ、本件召集要求をした参議院議員の1人である原告が、P4内閣がした上記の臨時会の召集の決定又はP4内閣が少なくとも92日間にわたって本件召集要求に対応する臨時会の召集を決定しなかったことが憲法53条後段に違反するものであるとして、原告が、次に、参議院の総議員の4分の1以上の1人として、連名で、議長を経由して内閣に対して臨時会の召集の決定を要求した場合に、主位的には、内閣が、20日以内に臨時会を召集することができるようにその召集を決定する義務を負うことの、予備的には、原告が、20日以内に臨時会の召集を受けられる地位を有することの各確認を求めるとともに、本件不作為等により、臨時会の召集の決定を要求する権能だけではなく参議院議員として有する諸権能も長期間にわたり行使することができなかったという損害を受けたとして、国家賠償法1条1項に基づき、損害の一部である1万円及び遅延損害金の支払を求めた事案で、原告は、機関訴訟(行政事件訴訟法6条)は、行政権内部又は議会内部の紛争に係る訴えに限定され、憲法上の国家機関相互の紛争は、同条が規定する機関訴訟の概念には当たらないと解すべきである旨主張し、これに沿う証拠もあるが、機関訴訟について、原告が上記に主張するとおりにその範囲を限定して解すべき法令上の根拠は見当たらず、また、機関訴訟は、法律に定める場合において、法律に定める者に限り、提起することができるところ(行政事件訴訟法42条)、我が国の法制上、国会議員と内閣との間の権限の行使に関する紛争について、訴えの提起を許す法令の規定は見当たらないから、本件確認訴訟部分は、いずれも不適法なものであるとして、本件確認訴訟部分をいずれも却下し、原告のその余の請求を棄却した事例。
2021.04.20
損害賠償請求事件
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LEX/DB25568979/札幌地方裁判所 令和 3年 3月17日 判決 (第一審)/平成31年(ワ)第267号
原告らが、同性の者同士の婚姻を認めていない民法739条1項及び戸籍法74条1号の本件規定は、憲法13条、14条1項及び24条に反するにもかかわらず、国が必要な立法措置を講じていないことが、国家賠償法1条1項の適用上違法であると主張し、慰謝料各100万円及びこれらに対する遅延損害金の支払を求めた事案において、本件規定が、異性愛者に対しては婚姻という制度を利用する機会を提供しているにもかかわらず、同性愛者に対しては、婚姻によって生じる法的効果の一部ですらもこれを享受する法的手段を提供しないとしていることは、立法府が広範な立法裁量を有することを前提としても、その裁量権の範囲を超えたものであるといわざるを得ず、本件区別取扱いは、その限度で合理的根拠を欠く差別取扱いに当たると解さざるを得ないとし、本件規定は憲法14条1項に違反すると認めたものの、国家賠償法1条1項の適用の観点からみた場合には、憲法上保障され又は保護されている権利利益を合理的な理由なく制約するものとして憲法の規定に違反することが明白であるにもかかわらず、国会が正当な理由なく長期にわたって改廃等の立法措置を怠っていたと評価することはできないとして、原告らの請求を棄却した事例。
2021.03.30
要指導医薬品指定差止請求事件
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LEX/DB25571387/最高裁判所第一小法廷 令和 3年 3月18日 判決 (上告審)/令和1年(行ツ)第179号
店舗以外の場所にいる者に対する郵便その他の方法による医薬品の販売をインターネットを通じて行う事業者が、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律36条の6第1項及び3項(本件各規定)は、憲法22条1項に違反するなどと主張して、国を相手に、要指導医薬品として指定された製剤の一部につき、上記方法による医薬品の販売をすることができる権利ないし地位を有することの確認等を求めた事案の上告審において、本件各規定による規制の目的、必要性、内容、これによって制限される職業の自由の性質、内容及び制限の程度に照らすと、本件各規定による規制に必要性と合理性があるとした判断が、立法府の合理的裁量の範囲を超えるものであるということはできず、本件各規定が憲法22条1項に違反しないとして、本件上告を棄却した事例。
2021.03.23
生活保護基準引下げ処分取消等請求事件(甲事件、乙事件)
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LEX/DB25568796/大阪地方裁判所 令和 3年 2月22日 判決 (第一審)/平成26年(行ウ)第288号 等
大阪府内に居住して生活保護法に基づく生活扶助の支給を受けている原告ら(ただし、原告X1、原告X2及び原告X3については、その夫が生活扶助の支給を受けている。)が、生活保護法の委任に基づいて厚生労働大臣が定めた「生活保護法による保護の基準」(保護基準)の数次の改定により、所轄の福祉事務所長らからそれぞれ生活扶助の支給額を減額する旨の保護変更決定(本件各決定)を受けたため、保護基準の上記改定は憲法25条、生活保護法8条等に違反する違憲、違法なものであるとして、〔1〕原告X1,原告X2及び原告X3を除く原告らにおいて、被告ら(ただし、被告国を除く。)を相手に、本件各決定の取消しを求めるとともに、〔2〕被告国に対し、国家賠償法1条1項に基づき、損害賠償を求めた事案で、最低限度の生活の具体化に係る判断の過程及び手続に過誤、欠落があり、裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があるから、本件改定は、生活保護法3条、8条2項の規定に違反し、違法であるとして、原告らのうち原告X1、原告X2及び原告X3を除く者の本件各決定の取消請求については認容し、原告らのその余の請求(国家賠償請求)については棄却した事例。
2021.03.09
固定資産税等課税免除措置取消(住民訴訟)請求事件
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LEX/DB25571309/最高裁判所大法廷 令和 3年 2月24日 判決 (上告審)/令和1年(行ツ)第222号
那覇市の管理する都市公園内に儒教の祖である孔子等を祀った久米至聖廟(本件施設)を設置することを参加人に許可した上で、その敷地の公園使用料の全額を免除(本件免除)した当時の市長の行為は、憲法の定める政教分離原則に違反し、無効であり、第1審被告が参加人に対して平成26年4月1日から同年7月24日までの間の公園使用料181万7063円を請求しないことが違法に財産の管理を怠るものであるとして、市の住民である第1審原告が、第1審被告を相手に、地方自治法242条の2第1項3号に基づき上記怠る事実の違法確認を求めた住民訴訟の上告審において、本件免除は、市と宗教との関わり合いが、我が国の社会的、文化的諸条件に照らし、信教の自由の保障の確保という制度の根本目的との関係で相当とされる限度を超えるものとして、憲法20条3項の禁止する宗教的活動に該当するとして、参加人の上告を棄却することとし、原判決中第1審原告敗訴部分は破棄し、第1審原告の請求を認容した第1審判決は正当であるから、上記部分につき、参加人の控訴を棄却し、同控訴の提起後にされた第1審被告の控訴は、二重上訴であって不適法であるとして、却下した事例(反対意見がある)。
2020.12.08
出席停止処分取消等請求事件
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LEX/DB25571168/最高裁判所大法廷 令和 2年11月25日 判決 (上告審)/平成30年(行ヒ)第417号
岩沼市議会の議員であった被上告人が、市議会から科された23日間の出席停止の懲罰(本件処分)が違憲、違法であるとして、上告人を相手に、その取消しを求めるとともに、議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例(平成20年岩沼市条例第23号)に基づき、議員報酬のうち本件処分による減額分の支払を求め、原審は、普通地方公共団体の議会の議員に対する地方自治法135条1項3号所定の出席停止の懲罰の適否は、議員報酬の減額を伴う場合には司法審査の対象となり、本件処分の取消し及び議員報酬の支払を求める訴えは適法であるとして、これを不適法とした第1審判決を取消し、本件を第1審に差し戻したため、上告人が上告した事案において、市議会の議員である被上告人に対する出席停止の懲罰である本件処分の適否は司法審査の対象となるから、本件訴えのうち、本件処分の取消しを求める部分は適法であり、議員報酬の支払を求める部分も適法であるとし、本件訴えが適法であるとした原審の判断は、結論において是認することができるとして、本件上告を棄却した事例(補足意見がある)。
2020.12.08
開示禁止処分等請求事件
LEX/DB25571182/最高裁判所第二小法廷 令和 2年11月27日 判決 (上告審)/令和1年(受)第1900号
被上告人(公認会計士)らは、上告人の設置する品質管理委員会に対し、上場会社監査事務所名簿への登録を申請したところ、本件委員会から上記登録を認めない旨の決定を受けたため、被上告人らが、本件決定が上告人のウェブサイトで開示されると被上告人らの名誉又は信用が毀損されるなどと主張し、上告人に対し、人格権に基づき、上記の開示の差止め等を求め、原審は、上記の開示の差止請求を認容したため、上告人が上告した事案で、被上告人らにつき基準不適合事実に該当する事実があるか否かは、被上告人らが実施した監査手続が、突合を監査対象期間の一部に限定して実施したこと等において、現金等に関する特別な検討を必要とするリスクに個別に対応したものであり、高いリスクの下で十分かつ適切な監査証拠を入手するに足りるものであったといえるか否かの点を検討することなく、被上告人らにつき基準不適合事実に該当する事実があるとはいえないとした原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとし、原判決中上告人敗訴部分を破棄し、更に審理を尽くさせるため、上記部分につき本件を原審に差し戻すこととした事例(補足意見がある)。
2020.12.01
選挙無効請求事件
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LEX/DB25571162/最高裁判所大法廷 令和 2年11月18日 判決 (上告審)/令和2年(行ツ)第78号
令和元年7月21日施行の参議院議員通常選挙(本件選挙)について、東京都選挙区及び神奈川県選挙区の選挙人である上告人らが、公職選挙法14条、別表第3の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定は憲法に違反し無効であるから、これに基づき施行された本件選挙の上記各選挙区における選挙も無効であると主張して提起した選挙無効訴訟の事案の上告審において、本件選挙当時、平成30年改正後の本件定数配分規定の下での選挙区間における投票価値の不均衡は、違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあったものとはいえず、本件定数配分規定が憲法に違反するに至っていたということはできないとし、本件定数配分規定が本件選挙当時憲法に違反するに至っていたということはできないとした原審の判断は是認することができるとして、本件上告を棄却した事例(意見、反対意見がある)。
2020.12.01
選挙無効請求事件
「新・判例解説Watch」憲法分野 令和3年1月下旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25571163/最高裁判所大法廷 令和 2年11月18日 判決 (上告審)/令和2年(行ツ)第28号 等
令和元年7月21日施行の参議院議員通常選挙(本件選挙)について、東京都選挙区ほか40選挙区の選挙人である上告人らが、公職選挙法14条、別表第3の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定は憲法に違反し無効であるから、これに基づき施行された本件選挙の上記各選挙区における選挙も無効であると主張して提起した選挙無効訴訟の事案の上告審において、本件選挙当時、平成30年改正後の本件定数配分規定の下での選挙区間における投票価値の不均衡は、違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあったものとはいえず、本件定数配分規定が憲法に違反するに至っていたということはできず、本件定数配分規定が本件選挙当時憲法に違反するに至っていたということはできないとした原審の判断は是認することができるとして、本件上告を棄却した事例(意見、反対意見がある)。
2020.10.20
損害賠償請求事件
「新・判例解説Watch」憲法分野 令和2年12月下旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25571104/最高裁判所第二小法廷 令和 2年10月 9日 判決 (上告審)/令和1年(受)第877号 等
家庭裁判所調査官であった上告人Y1は、被上告人に対する少年保護事件を題材とした論文を精神医学関係者向けの雑誌及び書籍に掲載して公表したことで、被上告人が、この公表等によりプライバシーを侵害されたなどと主張して、上告人Y1、上記雑誌の出版社である上告人A社及び上記書籍の出版社である上告人K出版に対し、不法行為に基づく損害賠償を求めたところ、原審は、被上告人の上告人らに対する本件各公表に係る損害賠償請求を一部認容したため、上告人Y1が上告した事案で、本件各公表が被上告人のプライバシーを侵害したものとして不法行為法上違法であるということはできないと判示し、本件各公表が違法であることを理由とする被上告人の上告人らに対する損害賠償請求は、いずれも理由がなく、これと異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとし、原判決中、被上告人の上告人らに対する共同不法行為に基づく損害賠償請求を認容した部分は破棄し、被上告人の上告人らに対する上記損害賠償請求をいずれも棄却した第1審判決は正当であるとし、上記破棄部分につき、被上告人の控訴を棄却した事例(意見がある)。