注目の判例

憲法

2014.01.28
選挙無効事件
LEX/DB25502357/東京高等裁判所 平成25年11月13日 判決 (第一審)/平成25年(行ケ)第86号
平成25年7月21日に行われた参議院議員通常選挙中、比例代表選挙について、選挙人である原告らが、比例代表選挙は憲法に違反し無効であると主張して、公職選挙法204条に基づいて提起した選挙無効を求めた事案において、原告らの請求を棄却した事例。
2014.01.21
選挙無効請求事件
LEX/DB25502422/最高裁判所大法廷 平成25年11月20日 判決 (上告審)/平成25年(行ツ)第245号
平成24年12月16日施行の衆議院議員総選挙について、広島県第1区及び同第2区の選挙人である被上告人らが、衆議院小選挙区選出議員の選挙の選挙区割りに関する公職選挙法等の規定は憲法に違反する無効なものであるから、これに基づき施行された選挙のうち各選挙区における選挙も無効であるとして提起した選挙無効訴訟の上告審において、本件区割規定の定める本件選挙区割りは、憲法の投票価値の平等の要求に反する状態にあったものではあるが、憲法上要求される合理的期間内における是正がされなかったとはいえず、本件区割規定が憲法14条1項等の憲法の規定に違反するものということはできないとして、原判決を破棄し、被上告人らの請求をいずれも棄却した事例(意見及び反対意見あり)。
2014.01.21
選挙無効請求事件
LEX/DB25502423/最高裁判所大法廷 平成25年11月20日 判決 (上告審)/平成25年(行ツ)第155号等
平成24年12月16日施行の衆議院議員総選挙について、東京都第1区ほか16選挙区の選挙人である原審原告らが、衆議院小選挙区選出議員の選挙の選挙区割りに関する公職選挙法等の規定は憲法に違反する無効なものであるから、これに基づき施行された選挙のうち各選挙区における選挙も無効であるとして提起した選挙無効訴訟の上告審において、本件区割規定の定める本件選挙区割りは、憲法の投票価値の平等の要求に反する状態にあったものではあるが、憲法上要求される合理的期間内における是正がされなかったとはいえず、本件区割規定が憲法14条1項等の憲法の規定に違反するものということはできないとして、原審各判決を変更し、原審原告らの請求をいずれも棄却するとともに、原審原告らの各上告を棄却した事例(意見及び反対意見あり)。
2014.01.21
選挙無効請求事件
LEX/DB25502424/最高裁判所大法廷 平成25年11月20日 判決 (上告審)/平成25年(行ツ)第213号等
平成24年12月16日施行の衆議院議員総選挙について、愛知県第1区、同第8区、同第9区及び同第10区並びに福岡県第1区及び同第2区の選挙人である上告人らが、衆議院小選挙区選出議員の選挙の選挙区割りに関する公職選挙法等の規定は憲法に違反する無効なものであるから、これに基づき施行された選挙のうち各選挙区における選挙も無効であるとして提起した選挙無効訴訟の上告審において、本件区割規定の定める本件選挙区割りは、憲法の投票価値の平等の要求に反する状態にあったものではあるが、憲法上要求される合理的期間内における是正がされなかったとはいえず、本件区割規定が憲法14条1項等の憲法の規定に違反するものということはできないとして、本件各上告を棄却した事例(意見及び反対意見があり)。
2014.01.14
 
LEX/DB25501705/最高裁判所大法廷 平成25年9月18日 決定 (特別抗告審)/平成25年(ク)第132号等
平成3年3月に死亡した男性Aの被相続人とする遺産の分割に係る事件及びAの子で平成15年3月に死亡したBを被相続人とする遺産の分割に係る事件において、抗告人はBの嫡出子でない子であり、相手方はBの嫡出子であるところ、原審が、民法900条4号ただし書きの規定のうち嫡出子でない子の相続分の2分の1とする部分(本件規定)を適用し、A及びBの遺産を分割すべきものとしたため、抗告人が特別抗告した事案において、本件規定は、平成15年3月当時、憲法14条1項に違反して無効であり、本件においてこれを適用することはできない(最高裁平成24年(ク)第984号、第985号平成25年9月4日大法廷決定・裁判所時報1587号参照)とし、原決定を破棄し、本件を原審に差し戻すこととした事例。
2014.01.06
選挙無効請求事件
LEX/DB25502324/広島高等裁判所岡山支部 平成25年11月28日 判決 (第一審)/平成25年(行ケ)第1号
平成25年7月21日施行の参議院議員通常選挙について、岡山県選挙区の選挙人である原告が、被告に対し、平成24年法律第94号による改正後の公職選挙法14条1項、別表第3の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定は、人口比例に基づかず、憲法14条等に違反し無効であるから、同規定に基づき施行された当該選挙の岡山県選挙区における選挙を無効とすることを求めた事案において、平成22年選挙後、4つの選挙区において議員定数を4増4減するという内容の本件改正がなされたが、それでも、本件選挙当日の選挙区間における議員1人当たりの選挙人数の最大較差は、1対4.77と5倍に匹敵する程度の較差であり、平成21年大法廷判決から本件選挙までの間、約3年9か月の期間が存在したにもかかわらず、本件選挙までに選挙制度の抜本的見直しを講じた具体案を国会に上程することすらしておらず、国会が選挙制度の改革に真摯に取り組んでいたというには大きく疑問が残るとし、本件選挙までの間に、国会が、投票価値の著しい不平等状態を是正する措置を講じなかったことは、国会の裁量権の限界を超えるものといわざるを得ず、本件定数配分規定は、憲法に違反し、無効というべきであるから(憲法98条1項)、憲法に違反する本件定数配分規定に基づいて施行された本件選挙のうち岡山県選挙区における選挙も無効とすべきであるとして、原告の請求を認容した事例。
2013.11.26
選挙無効請求事件
LEX/DB25446026 / 最高裁判所大法廷 平成25年11月20日 判決 (上告審) / 平成25年(行ツ)第226号
平成24年12月16日施行の衆議院議員総選挙について、岡山県第2区の選挙人である被上告人が、衆議院小選挙区選出議員の選挙の選挙区割りに関する公職選挙法の規定は憲法に違反し無効であるから,これに基づき施行された本件選挙の本件選挙区における選挙も無効であると主張して提起した選挙無効訴訟の上告審で、本件選挙時において、本件区割規定の定める本件選挙区割りは、前回の平成21年選挙時と同様に憲法の投票価値の平等の要求に反する状態にあったものではあるが、憲法上要求される合理的期間内における是正がされなかったとはいえず、本件区割規定が憲法14条1項等の憲法の規定に違反するものということはできないが、投票価値の平等は憲法上の要請であり、1人別枠方式の構造的な問題は最終的に解決されているとはいえず、国会においては、今後も、新区画審設置法3条の趣旨に沿った選挙制度の整備に向けた取組が着実に続けられていく必要があるとした事例。(意見及び反対意見あり)。
2013.11.26
選挙無効請求事件
LEX/DB25446027 / 最高裁判所大法廷 平成25年11月20日 判決 (上告審) / 平成25年(行ツ)第209号等
平成24年12月16日施行の衆議院議員総選挙について、東京都第2区、同第5区、同第6区、同第8区、同第9区及び同第18区並びに神奈川県第15区の選挙人である原審原告らが、衆議院小選挙区選出議員の選挙の選挙区割り及び選挙運動に関する公職選挙法の規定は憲法に違反し無効であるから、これに基づき施行された本件選挙の上記各選挙区における選挙も無効であると主張して提起した選挙無効訴訟の上告審で、本件選挙時において、本件区割規定の定める本件選挙区割りは、前回の平成21年選挙時と同様に憲法の投票価値の平等の要求に反する状態にあったものではあるが、憲法上要求される合理的期間内における是正がされなかったとはいえず、本件区割規定が憲法14条1項等の憲法の規定に違反するものということはできないが、投票価値の平等は憲法上の要請であり、1人別枠方式の構造的な問題は最終的に解決されているとはいえず、国会においては、今後も、新区画審設置法3条の趣旨に沿った選挙制度の整備に向けた取組が着実に続けられていく必要があるとした事例(意見及び反対意見あり)。
2013.11.19
受信契約締結承諾等請求事件
LEX/DB25501824 / 東京地方裁判所 平成25年10月10日 判決 (第一審) / 平成24年(ワ)第3922号
原告が、原告のテレビジョン放送を受信することのできる受信機を設置したが、放送受信契約を締結しない被告に対し、主位的には、放送法64条1項等によって原告と被告との間で放送受信契約が成立していると主張して、放送受信契約に基づき、上記受信機を設置した月から現在までの受信料の支払を求め、予備的には、上記放送受信契約が成立していないことを前提として、被告は放送受信契約締結義務を負うと主張して、原告からの上記放送受信契約の申込みに対する承諾の意思表示と、上記申込み及び承諾の意思表示によって成立する放送受信契約に基づき、上記受信料の支払を求めた事案において、被告による承諾の意思表示がない以上、原告と被告との間で放送受信契約が締結されたものとは認められないから、原告の主位的請求は理由がないとする一方、放送法64条1項が定める受信機設置者に対する放送受信契約を締結すべき私法上の義務につき、民法414条2項ただし書に基づき、放送受信契約の締結の承諾の意思表示を命じることができ、承諾の意思表示に代わるべき裁判をもって放送受信契約を成立させることができるとした事例。
2013.11.05
選挙権剥奪違法確認等請求控訴事件
LEX/DB25501750 / 大阪高等裁判所 平成25年9月27日 判決 (控訴審) / 平成25年(行コ)第45号
控訴人(原告)が、公職選挙法11条1項2号が憲法に違反していることの確認及び控訴人が次回の衆議院議員の総選挙において選挙権を有していることの確認を求めるとともに、選挙権を違法に否定されたことにより精神的苦痛を受けたとして、国家賠償法1条1項に基づき、損害賠償を請求した事案の控訴審において、公職選挙法11条1項2号が受刑者の選挙権を一律に制限していることについてやむを得ない事由があるということはできず、同号は、憲法15条1項及び3項、憲法43条1項並びに憲法44条ただし書に違反するとした上で、国家賠償法上、その廃止立法不作為が違法であるということはできないとして、控訴を棄却した事例。
2013.10.22
住民票記載義務付け等請求事件
LEX/DB25445893 / 最高裁判所第一小法廷 平成25年 9月26日 判決 (上告審) / 平成24年(行ツ)第399号
 原告(控訴人、上告人)父が、原告母との間の子である原告子に係る出生の届出をしたが、戸籍法49条2項1号所定の届書の記載事項を記載しなかったため受理されなかったところ、原告らが、同号の規定のうち届書に嫡出子又は嫡出でない子の別を記載すべきものと定める部分(本件規定)は憲法14条1項に違反するなどと主張して、被告ら(控訴人、被上告人)に対し慰謝料を求めたところ、原判決が、訴えを却下した第一審判決を維持し、控訴を棄却したため、原告らが上告した事案において、本件規定は、法律婚主義の制度の下における身分関係及び戸籍処理上の差異を踏まえ、戸籍事務を管掌する市長村長の事務処理の便宜に資するものとして、出生の届出に係る届書に嫡出子又は嫡出でない子の別を記載すべきことを定めているにとどまり、本件規定それ自体によって、嫡出でない子について嫡出子との間で子又はその父母の法的地位に差異がもたらされるものとはいえず、憲法14条1項に違反するものではないとし、上告を棄却した事例(補足意見あり)。
2013.10.15
遺産分割審判に対する抗告審の変更決定に対する特別抗告事件
LEX/DB25501698 / 最高裁判所大法廷 平成25年 9月 4日 判決 (特別抗告審) / 平成24年(ク)第1261号
 A(平成2年死亡)の遺産につき、C及び相手方X1らが、相手方Y3及び抗告人らに対して遺産の分割の審判を申し立てた事件と、B(平成13年11月死亡)の遺産につき、抗告人Y1が、C、相手方X1ら及び抗告人Y2に対して遺産の分割の審判を申し立てた事件とが併合された事件であるが、原審係属中にCが死亡したため、その地位を相手方X1らが承継したが、原審は、民法900条4号ただし書の規定のうち嫡出でない子の相続分を嫡出である子の相続分の2分の1とする部分(本件規定)は、憲法14条1項に違反しないと判断し、本件規定を適用して算出した相手方X1ら及び抗告人らの各法定相続分を前提に、A及びBの各遺産を分割すべきものとしたため、抗告人らが特別抗告した事案において、遅くともBの相続が開始した平成13年11月当時においては,立法府の裁量権を考慮しても、嫡出子と嫡出でない子の法定相続分を区別する合理的な根拠は失われていたというべきであるとし、本件規定は、遅くとも平成13年11月当時において、憲法14条1項に違反していたとし、原決定に差し戻した。なお、本決定の違憲判断は、Bの相続の開始時から本決定までの間に開始された他の相続につき、本件規定を前提としてされた遺産の分割の審判その他の裁判、遺産の分割の協議その他の合意等により確定的なものとなった法律関係に影響を及ぼすものではないと解するのが相当であるとした事例(補足意見あり)。
2013.09.10
遺産分割審判に対する抗告棄却決定に対する特別抗告事件
LEX/DB25445838 / 最高裁判所大法廷 平成25年 9月 4日 決定 (特別抗告審) / 平成24年(ク)第984号等
 平成13年7月に死亡したAの遺産につき、Aの嫡出子(その代襲相続人を含む。)である相手方らが、Aの嫡出でない子である抗告人らに対し、遺産の分割の審判を申し立てた事件で、原審は、民法900条4号ただし書の規定のうち、嫡出でない子の相続分を嫡出子の相続分の2分の1とする部分(本件規定)は、憲法14条1項に違反しないと判断し、本件規定を適用して算出された相手方ら及び抗告人らの法定相続分を前提に、Aの遺産の分割をすべきものとしたため、抗告人らが特別抗告した事案で、Aの相続が開始した平成13年7月当時においては、立法府の裁量権を考慮しても、嫡出子と嫡出でない子の法定相続分を区別する合理的な根拠は失われていたとして、本件規定は、遅くとも平成13年7月当時において、憲法14条1項に違反し無効であるとし、本決定の違憲判断は、Aの相続の開始時から本決定までの間に開始された他の相続につき、本件規定を前提としてされた遺産の分割の審判その他の裁判、遺産の分割の協議その他の合意等により確定的なものとなった法律関係に影響を及ぼすものではないと解するのが相当であるとした事例(補足意見あり)。
2013.08.20
帰化日本人投票制限国家賠償請求控訴事件
LEX/DB25501407 / 東京高等裁判所 平成25年 2月19日 判決 (控訴審) / 平成24年(ネ)第1030号
 本件総選挙において、帰化により日本国籍を取得したものの、公職選挙法21条1項の3か月記録要件を満たさないとして選挙人名簿へ登録がされず、選挙権を行使できなかった原告(控訴人)が、同項は、憲法前文等に違反し、原告の選挙権を不当に制約・剥奪するものであり、国会による同条の立法行為及び選挙直前3か月以内に帰化した者が選挙権を行使できるような立法措置を怠った不作為により精神的損害を被ったとして、損害賠償を求めたところ、請求が棄却されたため、控訴した事案において、3か月という期間は決して短期のものとはいえないが、実行性のある不正投票防止を実現するために要する期間として上記期間を設定したことが、国会に委ねられた裁量を逸脱した合理性を欠く許容しがたいものと断ずることはできないとし、控訴を棄却した事例。