注目の判例

憲法

2014.10.21
暴力団題材漫画の撤去要請訴訟
LEX/DB25504708/最高裁判所第三小法廷 平成26年7月22日 決定 (上告審)/平成25年(オ)第1082号等
上告人が、福岡県警による福岡県コンビニエンスストア等防犯協議会を構成するコンビニエンスストア事業を営む9社の撤去要請によって控訴人の著書を原作とする本件コミックが各コンビニ店舗から撤去されたことは憲法21条、31条等に違反するものであり、これにより上告人は著しい精神的苦痛を被ったとして、被控訴人に対し、国家賠償法1条1項に基づき、慰謝料等の支払を求めた事案の上告審において、コンビニ各社が採った本件コミックを含む暴力団関係書籍等を各コンビニ店舗から撤去するという措置、コンビニ各社が福岡県警から事実上強制されて行ったものとは認められず、本件要請がされたのを機に自主的に行ったものと認められるから、福岡県警が本件要請及び本件リストの作成、交付を行ったことに国家賠償法1条1項の違法があるということはできないとした控訴審の判断を支持して、本件の上告を棄却し、本件を上告審としては受理しないとした事例。
2014.09.02
執行停止申立て却下決定に対する抗告棄却決定に対する特別抗告事件
LEX/DB25446575/最高裁判所第二小法廷 平成26年8月19日 決定 (特別抗告審)/平成26年(行ト)第55号
逃亡犯罪人引渡法35条1項の規定が、逃亡犯罪人引渡法14条1項に基づく逃亡犯罪人の引渡命令につき、逃亡犯罪人引渡法に基づく他の処分と同様に行政手続法第3章の規定の適用を除外して、前記引渡命令の発令手続において当該逃亡犯罪人に弁明の機会を与えていないことが、憲法31条に違反するなどとして、抗告人が即時抗告した事案において、当該処分により制限を受ける逃亡犯罪人の権利利益の内容、性質、制限の程度、当該処分により達成しようとする公益の内容、程度、緊急性等を総合較量すれば、手続全体からみて逃亡犯罪人の手続保障に欠けるものとはいえず、憲法31条の法意に反するものということはできないとして、本件抗告を棄却した事例。
2014.08.19
損害賠償請求控訴事件(傍聴人に証言が聞こえなくても、違法ではないとした事件)
LEX/DB25504336/東京高等裁判所 平成26年7月10日 判決 (控訴審)/平成26年(ネ)第1373号
弁護士である原告(控訴人)が、自らが弁護人を務める被告人の共犯者の公判手続の証人尋問を傍聴したところ、当該事件の裁判長裁判官が、傍聴席で証言が聞こえるようにする措置を講じなかったことから、原告が証言を聞き取ることができず、上記被告人のための弁護活動に必要な情報が収集できなかったため、原告の弁護権などが侵害されたとして、被告(被控訴人)国に対し、国家賠償法1条1項に基づき慰謝料等の損害賠償の支払を求めたところ、原審が請求を棄却したため、原告が控訴した事案において、憲法82条1項が保障する裁判を聞く自由の侵害の主張、及び憲法21条1項に基づく裁判を傍聴しその情報を摂取する自由の侵害の主張については理由がないとして、控訴を棄却した事例。
2014.08.19
街頭宣伝差止め等請求控訴事件(ヘイトスピーチ高裁訴訟)
LEX/DB25504350/大阪高等裁判所 平成26年7月8日 判決 (控訴審)/平成25年(ネ)第3235号
在日朝鮮人の学校を設置・運営する原告(被控訴人)が、被告ら(控訴人)が本件学校の近辺等で示威活動を行ったこと及びその映像をインターネットを通じて公開したことが不法行為に該当するとして、損害賠償の支払及び原告を非難、誹謗中傷するなどの演説等の差止めを求めたところ、請求が一部認容されたため、被告らが控訴した事案において、本件活動は、本件学校が無許可で本件公園を使用していたことが契機となったとはいえ、本件発言の主眼は、在日朝鮮人を嫌悪・蔑視してその人格を否定し、在日朝鮮人に対する差別意識を世間に訴え、我が国の社会から在日朝鮮人を排斥すべきであるとの見解を声高に主張することにあったというべきであり、主として公益を図る目的であったということはできないとし、控訴を棄却した事例。
2014.08.12
損害賠償請求事件(NHK外国語乱用訴訟)
LEX/DB25504252/名古屋地方裁判所 平成26年6月12日 判決 (第一審)/平成25年(ワ)第2733号
原告が、被告(日本放送協会)に対し、被告が放送で使用する言語について、外国語ないし外来語を濫用し、事実上その視聴を強制されていることから、憲法13条によって保障された人格権、憲法21条によって保障された表現の自由(情報受領権)、憲法13条によって保障された母国語による情報を自由に享受できるいわゆる言語権をそれぞれ侵害し、放送法81条1項3号に違反し、加えて、被告が原告からの質問に回答しないことが放送法27条に違反していると主張し、不法行為に基づき、慰謝料141万円の損害賠償を求めた事案において、原告は放送受信契約の締結を義務付けられているものの、その受信料の支払は放送受信の対価ではないし、原告は被告が放送する番組の視聴を事実上強制されているものともいえないとし、また、被告に課された放送番組の編集等に係る放送法81条等の規定は、被告に対する倫理的規定ないし公法上の義務を定めた規定にすぎず、原告等の受信契約者との間の私法上の権利義務関係を規定したものと解することはできないとして、原告の請求を棄却した事例。
2014.08.05
威力業務妨害被告事件(JR大阪駅構内でのビラ配布事件)
LEX/DB25504286/大阪地方裁判所 平成26年7月4日 判決 (第一審)/平成24年(わ)第6191号等
いわゆる震災がれきの受入に反対する被告人が、駅構内において、被告人らによるビラ配布などの行為を制止するなどの業務に従事していた同駅の副駅長に対し、顔を近づけ、大声を出して威圧しながら執拗につきまとうなどし、もって威力を用いて人の業務を妨害したという公訴事実につき、被告人の行為が行われた状況を前提として、ビラ配布の制止業務の統率者の立場にある副駅長の業務の性質も考えると、被告人1人から顔を近づけられて大声を出され、短時間言い争いをしたからといって、その立場にある普通の人が心理的な圧迫感を覚え、円滑な業務の遂行が困難になるとまではいえないなど、副駅長の同業務に対する被告人の行為は、威力を用いて業務を妨害する行為とはいえないなどとして、同公訴事実については被告人を無罪とした事例。
2014.07.29
選挙無効請求事件
LEX/DB25446510/最高裁判所第二小法廷 平成26年7月9日 決定 (上告審)/平成26年(行ツ)第96号等
本件上告については、公職選挙法204条の選挙無効訴訟において公職選挙法205条1項所定の選挙無効の原因として、公職選挙法9条1項並びに公職選挙法11条1項2号及び3号の規定の違憲を主張し得ないとして、本件上告を棄却し、本件上告受理の申立てについては、民事訴訟法318条1項により、受理しないとした事例(補足意見がある)。
2014.07.08
発信不許可処分取消請求事件
LEX/DB25504117/大阪地方裁判所 平成26年5月22日 判決 (第一審)/平成25年(行ウ)第96号
死刑確定者として大阪拘置所に収容中の原告が、平成25年4月1日付けで、原告が書いた原稿が同封されたα宛の信書の発信を申請したところ、処分行政庁(大阪拘置所)が同月5日付けで同申請を不許可としたことから、被告(国)に対し、本件不許可処分の取消しを求めた事案において、本件信書は、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律139条2項により発信が許されるべき信書で、本件信書の発信を制限することは、必要性及び合理性を欠くものであることは明らかであるとし、本件不許可処分は、裁量権の範囲を逸脱したものとして違法であるとして、原告の請求を認容した事例。
2014.06.10
大飯原発3、4号機運転差止請求事件
LEX/DB25503810/福井地方裁判所 平成26年5月21日 判決 (第一審)/平成24年(ワ)第394号等
全国各地に居住している原告らが、電力供給会社である被告に対し、人格権ないし環境権に基づいて選択的に、被告が福井県大飯郡おおい町に設置した原子力発電所である大飯発電所(大飯原発)の3号機及び4号機の運転差止めを求めた事案において、原告らのうち、大飯原発から250キロメートル圏内に居住する者は、大飯原発の運転によって直接的にその人格権が侵害される具体的な危険があると認められるから、原告らの請求を認容すべきであるとして、大飯原発の3号機及び4号機の原子炉の運転差止めを命じた事例。
2014.06.03
損害賠償請求事件
LEX/DB25446438/最高裁判所第三小法廷 平成26年5月27日 判決 (上告審)/平成24年(オ)第888号
上告人(広島県府中市。被控訴人・被告)の市議会議員であった被上告人(控訴人・原告)が、府中市議会議員政治倫理条例4条3項(平成20年府中市条例第26号)に違反したとして、議員らによる審査請求、市議会による警告等をすべき旨の決議、議長による警告等を受けたため、同条1項及び3項の規定のうち、議員の2親等以内の親族が経営する企業は上告人の工事等の請負契約等を辞退しなければならず、当該議員は当該企業の辞退届を徴して提出するよう努めなければならない旨を定める部分(本件規定)は、議員の議員活動の自由や企業の経済活動の自由を侵害するものであって違憲無効であり、当該条例4条3項違反を理由としてされた上記審査請求等の一連の手続は違法であるなどと主張して、上告人に対し、国家賠償法1条1項に基づき、慰謝料等の支払を求めたところ、原審は、本件審査請求等及び上記審査結果の公表が違法であるとしてされた慰謝料等の請求を一部認容すべきものとしたため、上告人が上告した事案において、2親等規制を定める本件規定が違憲無効であるとした原審の判断は、憲法21条1項並びに憲法22条1項及び憲法29条の解釈適用を誤ったものというべきで、原判決中、上告人敗訴の部分は破棄し、被上告人が主張するその他の違法事由の有無等について更に審理を尽くさせるため,上記破棄部分につき本件を原審に差し戻した事例。
2014.06.03
損害賠償請求事件
LEX/DB25503746/佐賀地方裁判所 平成26年4月25日 判決 (第一審)/平成24年(ワ)第285号
被告大学(国立大学法人)の准教授が、原告甲の信仰を軽蔑・侮辱する発言を繰り返し、甲の信仰の自由及び名誉感情を侵害したとして、甲において、被告准教授に対し、不法行為に基づく損害賠償として慰謝料を請求し、また、被告准教授が、甲の両親である原告乙及び原告丙が統一教会の合同結婚式を通じて結婚したことについて、甲に対し、「おかしい結婚」「犬猫の結婚」などと申し向け、乙及び丙の名誉感情を侵害したとして、乙及び丙において、被告大学に対し、主位的には、民法715条1項に基づき損害賠償を請求し、予備的には、国家賠償法1条1項に基づき国家賠償を請求した事案において、原告らの請求を一部認容した事例。
2014.06.03
立候補禁止請求事件
LEX/DB25503809/東京高等裁判所 平成26年3月27日 判決 (第一審)/平成25年(行ケ)第119号
平成25年7月21日施行の第23回参議院議員通常選挙における比例代表選出議員の選挙において、某政党から参議院名簿登載者として立候補して落選した被告につき、同選挙に際し被告のために選挙運動をした被告の秘書が公職選挙法221条1項1号所定の罪を犯し禁錮以上の刑に処せられたことから、検察官である原告が、当該選挙運動は被告と意思を通じてされたものであるから被告には公職選挙法251条の2第1項5号の規定による立候補禁止の制裁が課されると主張し、公職選挙法211条1項に基づき、原告勝訴の判決が確定した時から5年間、参議院(比例代表選出)議員の選挙において候補者となり、又は候補者であることの禁止を求めた事案において、被告の秘書が被告のために選挙運動をすることについて、両者間で相互に明示又は黙示に了解し合っていたことが明らかであるとして、原告の請求を認容した事例。
2014.05.27
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律違反被告事件
LEX/DB25503643/大阪地方裁判所 平成26年4月25日 判決 (第一審)/平成24年(わ)第1923号
被告人は、設備を設けて客にダンスをさせ、かつ、客に飲食をさせるクラブを経営するものであるが、共犯者と共謀の上、大阪府公安委員会から風俗営業の許可を受けないで、不特定の来店客にダンスをさせ、かつ、酒類等を提供して飲食させ、もって許可を受けないで風俗営業を営んだとして、風営法違反により起訴された事案において、被告人が、公訴事実記載の日時場所において、構成要件該当行為に及んだとの事実を証拠上認めることができないとして、被告人に対し、無罪を言い渡した事例。
2014.05.27
指名手配差止及び損害賠償請求事件
LEX/DB25503658/盛岡地方裁判所 平成26年4月11日 判決 (第一審)/平成22年(ワ)第452号
原告の長男が殺人事件の被疑者とされ、岩手県警察による公開捜査及び警察庁による捜査特別報奨金広告の対象とされたことについて、原告が、これらは違法に原告の人格権を侵害するものであるなどと主張し、被告ら(岩手県・国)に対して、人格権に基づき公開捜査及び捜査特別報奨金広告の中止等を求め、併せて国家賠償法に基づき慰謝料を請求した事案において、本件公開捜査及び本件捜査特別報奨金広告に係る訴え(人格権に基づく差止請求)であっても、そのことをもって直ちに訴え自体が不適法になると解することは相当でないとした上で、本件公開捜査及び本件捜査特別報奨金広告は、本件第1ポスターないし本件第3ポスターの内容において相当とはいい難い点があるものの、違法に原告の名誉権及び人格権を侵害するものということはできないとして、原告の請求をいずれも棄却した事例。
2014.04.30
公安テロ情報流出被害国家賠償請求事件
LEX/DB25517582/東京地方裁判所 平成26年1月15日 判決 (第一審)/平成23年(ワ)第15750号等
イスラム教徒である原告らが、警視庁、警察庁及び国家公安委員会は、モスクの監視など、原告らの信教の自由等の憲法上の人権を侵害し、また、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律や東京都個人情報の保護に関する条例に違反する態様で個人情報を収集、保管及び利用し、その後、情報管理上の注意義務違反等により個人情報をインターネット上に流出させた上、適切な拡大防止措置を執らなかったもので、これらの行為は国家賠償法上違法であると主張し、警視庁の責任主体である被告東京都並びに警察庁及び国家公安委員会の責任主体である被告国に対して、国家賠償法1条1項等に基づき、損害賠償等の支払いを求めた事案において、被告東京都の責任を認め、被告東京都に対する請求を一部認容し、その余の請求を棄却した事例。
2014.04.15
風俗案内所営業権確認等請求事件
LEX/DB25446298/京都地方裁判所 平成26年2月25日 判決 (第一審)/平成23年(行ウ)第42号
京都府風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例(昭和34年京都府条例第2号)別表所定の第3種地域において風俗案内所を営んでいた原告が、京都府風俗案内所の規制に関する条例(平成22年京都府条例第22号、本件条例)の規制は憲法に違反すると主張して、主位的に、原告が、(1)第3種地域において風俗案内所を営む法的地位を有すること、(2)風俗案内所において営業をする法定地位を有することの確認を求め、予備的に、第3種地域の内の、本件条例に係る保護対象施設の敷地から70mの範囲に含まれない場所において、上記主位的請求と同様の法的地位を有することの確認を求めた事案において、第3種地域のうち、保護対象施設(学校、児童福祉施設、病院、無床のものを含む診療所及び図書館)の敷地から少なくとも70mを超える区域において接待飲食等営業の情報提供を行う風俗案内所の営業を全面的に禁止する本件条例の規定は、府民の営業の自由を立法府の合理的裁量の範囲を超えて制限するものとして、憲法22条1項に違反し無効であるとして、(2)に係る訴えをいずれも却下し、主位的請求(1)を棄却し、予備的請求(1)を一部認容した事例。
2014.03.25
損害賠償(国家賠償)請求控訴、同附帯控訴事件
LEX/DB25503025/東京高等裁判所 平成26年1月30日 判決 (控訴審)/平成25年(ネ)第5975号等
原告(被控訴人兼附帯控訴人)が、被告秦野市(控訴人兼附帯被控訴人)の農業委員会及び環境保全課の職員らに対し、秦野市内の原告所有土地について農家用住宅を建築することや井戸を設置することなどを相談したところ、その職員らが違法な説明をしたために、農家用住宅の建築が遅延し、また、水道を敷設せざるを得なくなったなどと主張して、被告に対し国家賠償法1条1項に基づいて損害賠償の支払を求めたところ、請求を一部認容したため、被告が控訴し、原告が附帯控訴をした事案において、被告職員の説明ないし対応が国家賠償法上違法であるとは認めることはできないなどとして、原判決中の被告敗訴の部分を取り消して原告の請求を棄却し、原告の附帯控訴を棄却した事例。
2014.02.04
各選挙無効請求事件
LEX/DB25502487/東京高等裁判所 平成25年12月20日 判決 (第一審)/平成25年(行ケ)第70号等
東京都、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、神奈川県、新潟県、山梨県、長野県、静岡県の各選挙区の選挙人である原告らが、平成25年7月21日に施行された本件参議院(選挙区選出)議員通常選挙について、本件参議院議員定数配分規定は、憲法の保障する人口比例選挙に反し、投票価値の平等に反して無効であるとして、公職選挙法204条に基づき、本件各選挙区における選挙の無効を求めた事案において、本件選挙において、投票価値の不均衡が投票価値の平等の重要性に照らして看過し得ない程度に達していることは明らかであり、これを正当化すべき合理的理由も認められないから、憲法の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあったということができるが、本件選挙までの間に本件定数配分規定を改正しなかったことが、国会の裁量の限界を超えるものとはいえず、本件定数配分規定が憲法に違反するに至っていたとはいえないとして、請求を棄却した事例。
2014.01.28
インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律違反被告事件
LEX/DB25446152/最高裁判所第一小法廷 平成26年1月16日 判決 (上告審)/平成23年(あ)第1343号
インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律7条1項、32条1号所定の罰則を伴う届出制度は、正当な立法目的を達成するもの手段として必要かつ合理的なものというべきであり、憲法21条1項に違反するものではないとして、本件上告を棄却した事例。
2014.01.28
選挙無効請求事件
LEX/DB25446103/名古屋高等裁判所金沢支部 平成25年12月26日 判決 (第一審)/平成25年(行ケ)第2号等
福井県、石川県、富山県の各選挙区の選挙人である原告らが、平成25年7月21日に施行された参議院議員通常選挙について、本件参議院(選挙区選出)議員定数配分規定は憲法14条1項等に違反し無効であるとして、本件各選挙区における選挙の無効を求めた事案において、本件選挙当時の最大較差(1対4.77)が示す選挙区間における投票価値の不均衡は、投票価値の平等の重要性に照らしてももはや看過し得ない程度に達しており、違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態に至ったというべきであるが、本件選挙までに憲法上要求される較差是正のための合理的期間が経過したものとは認められないとして、原告の請求を棄却した事例。