注目の判例

民法(財産法)

2021.03.02
受信料請求控訴事件 new
LEX/DB25568718/東京高等裁判所 令和 3年 2月10日 判決 (控訴審)/令和2年(ネ)第1675号
第1審被告会社は、テレビの受信設備のアンテナを第1審原告の放送を受信できないものに変更して、放送受信契約を解約したと主張して、受信料の支払を停止し、解約事由がないと主張する第1審原告が、未払の受信料の支払を求めたところ、原判決は第1審原告の請求を全部認容したため、第1審被告が原判決の全部を不服として控訴した事案において、第1審原告の請求は理由があるから認容すべきであり、これと同旨の原判決は正当であるとして、本件控訴を棄却した事例。
2021.03.02
損害賠償請求控訴事件 new
LEX/DB25571255/大阪高等裁判所 令和 2年12月17日 判決 (控訴審)/令和2年(ネ)第559号
控訴人A1(原告)が、被控訴人医院で、妊娠していた5胎の一部を減胎する手術を受けたが、その後人工妊娠中絶手術を受け、上記胎児らを1児も出産するに至らなかったことにつき、控訴人らが、本件医師が注意義務に反し手術の際に太い穿刺針を使い多数回の穿刺を行い、感染症対策を怠るなどしたことによるものであるなどと主張して、損害賠償を求めたところ、請求が棄却されたため、控訴人らが控訴した事案において、本件医師は、母体に対する侵襲への配慮を欠き、穿刺針の選択に注意を払わず、控訴人A1の腹部を穿刺した点で、母体に対する危険防止のために経験上必要とされる最善の注意を尽くす義務に違反したものとして、本件医師の上記行為は、控訴人A1に対する不法行為を構成し、被控訴人は、控訴人A1に対し、民法715条1項による使用者責任を負うとともに、診療契約上の債務不履行責任を負うとして、原判決を変更し、請求を一部認容した事例。
2021.02.24
損害賠償等請求控訴事件
LEX/DB25568129/名古屋高等裁判所金沢支部 令和 2年12月16日 判決 (控訴審)/令和2年(ネ)第39号
被控訴人法人が運営する病院で医療保護入院中に身体的拘束を受けた亡Dが死亡したことについて、亡Dの相続人である控訴人らが、被控訴人に対し、被控訴人病院に勤務する医師らが、違法に身体的拘束をしたうえ、それによる肺動脈血栓塞栓症の発症を回避するための注意義務に違反した過失により亡Dが死亡したとして、使用者責任に基づき、損害賠償金及びこれに対する遅延損害金の支払を求め、原審が控訴人らの請求を棄却したところ、控訴人らが控訴した事案で、精神科病院の入院患者に対する行動制限にあたっては、精神保健指定医の裁量に委ねられているとしても、身体的拘束は当該患者の生命の保護などに重点を置いたものであるから、この選択にあたっては特に慎重な配慮を要するが、本件担当医師の判断においては早きに失し、精神保健指定医に認められた裁量を逸脱し、違法であるというべきであり、亡Dは、本件身体的拘束により急性肺血栓塞栓症を発症して死亡したものと認められるから、被控訴人は控訴人らに対して使用者責任に基づく損害賠償義務を負うものというべきであるところ、これと異なる原判決は失当であるとして、原判決を変更した事例。
2021.02.09
不当利得返還請求事件
LEX/DB25571257/最高裁判所第三小法廷 令和 3年 1月26日 判決 (上告審)/令和1年(受)第984号
破産者C社(投資に関するシステム開発会社)の破産管財人である上告人が、C社がその発行した社債について社債権者である被上告人に利息制限法1条所定の制限を超えて利息として支払った金額を元本に充当すると過払金が発生しているなどと主張して、被上告人に対し、不当利得返還請求権に基づき、過払金の返還等を求め、原審は、社債には利息制限法1条の規定は適用されないから、本件社債にも同条の規定は適用されないと判断して、上告人の請求を棄却したため、上告人が上告した事案で、社債の発行の目的、募集事項の内容、その決定の経緯等に照らし、当該社債の発行が利息制限法の規制を潜脱することを企図して行われたものと認められるなどの特段の事情がある場合を除き、社債には利息制限法1条の規定は適用されないとし、上告人の請求を棄却すべきものとした原審の判断は、結論において是認することができるとして、本件上告を棄却した事例。
2021.02.02
取立債権請求事件
LEX/DB25571252/最高裁判所第三小法廷 令和 3年 1月22日 判決 (上告審)/令和1年(受)第861号
土地の売買契約の代金債権を差し押さえた上告人が、第三債務者である被上告人らに対し、売買代金として各1250万円余り及びこれに対する各訴状送達の日の翌日である平成28年9月29日からの遅延損害金の支払を求める取立訴訟で、被上告人らは、売買契約の売主に対する債務不履行等に基づく損害賠償債権を有するとし、同債権を自働債権とする相殺の抗弁を主張するなどして、上告人の請求を争い、原審は、弁護士報酬について、被上告人らは本件会社に対して債務不履行に基づく損害賠償債権を有すると判断し、上記弁護士報酬の額は972万8600円を下らず、これにその他被上告人らが負担した費用である7727万1400円を加えた額は、本件売買契約の残代金額である8700万円以上であるから、債務不履行に基づく損害賠償債権による相殺により本件売買契約の残代金債権は消滅したとして、上告人の請求を棄却したため、上告人が上告した事案で、本件各事務に係る弁護士報酬972万8600円につき、被上告人らが本件会社に対して債務不履行に基づく損害賠償債権を有するとして同債権による本件売買契約の残代金債権との相殺を認めた原審の前記判断には、明らかな法令の違反があり、原判決を主文第1項のとおり、被上告人らに対してそれぞれ上記の額の2分の1である486万4300円及びこれに対する平成28年9月29日からの遅延損害金の支払を求める限度で認容することに変更し、上告人のその余の請求を棄却した事例。
2021.01.12
発信者情報開示請求控訴事件
LEX/DB25567236/東京高等裁判所 令和 2年11月26日 判決 (控訴審)/令和2年(ネ)第1555号
控訴人が、いずれも氏名不詳者である発信者がした、インターネット上の短文投稿サイトであるツイッターへの本件各投稿によって名誉感情を侵害され、また、同1の固定ツイートを削除しなかったという不作為によってプライバシーを侵害されたので、発信者に対する損害賠償請求権行使のために、本件発信者情報の開示を受ける正当な理由がある旨を主張して、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律4条1項に基づき、経由プロバイダである被控訴人ら各自に対し、それぞれ保有する本件発信者情報の開示を求めたところ、原審が、本件各投稿のいずれについても、社会通念上許される限度を超える侮辱行為であることが明らかとは認められず、また、固定ツイートを削除しなかったという不作為が不法行為責任を構成するものとは認め難いとして、控訴人の請求をいずれも棄却したため、控訴人が控訴した事案で、本件発信者情報2は、侵害情報である本件投稿2との関係で、「当該権利の侵害に係る発信者情報」に当たるものと認められ、また、本件投稿2は、被控訴人N社を経由プロバイダとして発信されたことも推認されるから、被控訴人N社は、同項の「開示関係役務提供者」に当たるものと認められるとして、原判決中被控訴人N社に関する部分を取り消し、被控訴人N社は、控訴人に対し、情報を開示せよと命じた事例。
2020.12.29
貸金返還請求事件
LEX/DB25571198/最高裁判所第三小法廷 令和 2年12月15日 判決 (上告審)/令和2年(受)第887号
亡Aは、平成16年10月17日、長男である被上告人に対し、253万5000円を貸し付け(本件貸付け〔1〕)、Aは、平成17年9月2日、被上告人に対し、400万円を貸し付け(本件貸付け〔2〕)、Aは、平成18年5月27日、被上告人に対し、300万円を貸し付け(本件貸付け〔3〕)、被上告人は、平成20年9月3日、Aに対し、弁済を充当すべき債務を指定することなく、貸金債務の弁済として、78万7029円を支払った(本件弁済)、Aは、平成25年1月4日に死亡し、三女である上告人は、本件各貸付けに係る各債権を全て相続した。上告人は、平成30年8月27日、被上告人に対し、本件各貸付けに係る各貸金及びこれに対する遅延損害金の支払を求め、原審は、本件弁済は法定充当(民法489条)により本件貸付け〔1〕に係る債務に充当されたとした上で、上告人の本件貸付け〔2〕及び〔3〕に係る各請求を棄却すべきものとし、上告人の請求を本件貸付け〔1〕に係る残元金174万7971円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度で認容した第1審判決に対する上告人の控訴を棄却したため、上告人が上告した事案において、本件弁済がされた当時、Aと被上告人との間には本件各貸付けに係る各債務が存在し、借主である被上告人は弁済を充当すべき債務を指定することなく本件弁済をしているのであり、本件弁済が本件債務〔2〕及び〔3〕の承認としての効力を有しないと解すべき特段の事情はうかがわれず、本件弁済は、本件債務〔2〕及び〔3〕の承認として消滅時効を中断する効力を有するとして、上告人が本件訴訟を提起した平成30年8月27日の時点では、本件債務〔2〕及び〔3〕の消滅時効はまだ完成していなかったことになり、本件債務〔2〕及び〔3〕の時効消滅を認めた原審の判断には判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があり、原判決を破棄し、上告人の本件貸付け〔2〕及び〔3〕に係る各請求は、本件貸付け〔2〕及び〔3〕に係る各貸金及びこれに対する平成30年9月27日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるとし、上告人のその余の請求を棄却した事例。
2020.12.08
損害賠償等請求控訴事件
LEX/DB25567029/東京高等裁判所 令和 2年 1月30日 判決 (控訴審)/平成30年(ネ)第277号
慢性副鼻腔炎の疑いで診療を受けた大学病院の耳鼻咽喉科で、プロラクチノーマを悪性腫瘍である嗅神経芽細胞腫と誤診され、抗がん剤の副作用及び細菌性髄膜炎による脳の病変を残した患者とその妻が医療過誤に基づく損害賠償請求を求め、同病院の主治医に嗅神経芽細胞腫の疑診例をプロラクチノーマと診断した経験があり、また、誤診し易い両症状の鑑別について多くの報告例があるにも関わらず、患者らの請求を棄却した原判決を維持し、本件控訴を棄却した事例。
2020.11.24
免責条項等使用差止請求控訴、同附帯控訴事件
LEX/DB25566893/東京高等裁判所 令和 2年11月 5日 判決 (控訴審)/令和2年(ネ)第1093号 等
被控訴人(原告)が、控訴人(被告)は消費者との間でモバゲーに関するサービス提供契約を締結するに当たり、消費者契約法8条1項の不当条項を含む消費者契約の申込み又は承諾の意思表示を現に行い、又は行うおそれがあると主張し、消費契約法12条3項に基づいて、控訴人に対し、消費者との間で本件契約を締結するに際し、原判決別紙契約条項目録記載1及び2の契約条項を含む契約の申込み又は承諾の意思表示を行わないよう求めるとともに、控訴人が同意思表示を行うための事務を行わないことを従業員らに指示するよう求め、原審は、〔1〕原判決別紙契約条項目録記載1の契約条項に係る被控訴人の請求を全部認容し、〔2〕同目録記載2の契約条項に係る被控訴人の請求を全部棄却したところ、控訴人は、上記〔1〕を不服として本件控訴をし、被控訴人は、上記〔2〕を不服として本件附帯控訴をした事案で、原判決別紙契約条項目録記載1の契約条項に係る被控訴人の請求は全部理由があり、同目録記載2の契約条項に係る被控訴人の請求は全部理由がないものと判断し、被控訴人の請求を一部認容し、その余をいずれも棄却した原判決は相当であるとして、本件控訴及び本件附帯控訴をいずれも棄却した事例。
2020.11.24
株式取得価格決定に対する抗告事件
LEX/DB25566835/東京高等裁判所 令和 2年10月 6日 決定 (抗告審(即時抗告))/令和2年(ラ)第1388号
第1事件において、本件株主総会に先立ってジャスダックに株式を上場していた利害関係参加人による本件株式の取得に反対する旨を利害関係参加人に対し通知し、かつ、本件株主総会において当該取得に反対した株主であった抗告人aが、会社法172条1項に基づき、本件株式のうち同抗告人の保有していた5万5000株につき取得価格(1株当たり173円,予備的に1株当たり144円)の決定の申立てをし、第2事件において、基準日後に本件株式100株を取得したため、本件総会において議決権を行使することができない株主であった抗告人が、会社法172条1項に基づき、本件株式のうち同抗告人の保有していた上記100株につき取得価格(1株当たり30円)の決定の申立てをしたところ、原審は、本件株式の取得価格を1株当たり25円とする本件鑑定を採用することなく、1株当たり28円と決定したことで、これを不服とする抗告人らが本件抗告をそれぞれした事案で、本件株式の取得価格を1株当たり28円とした原決定は不当であるが、利害関係参加人の抗告、附帯抗告がない本件においては、不利益変更禁止の原則の趣旨に鑑み、原決定を抗告人らに不利益に変更することは相当ではないから、本件抗告をいずれも棄却するにとどめることとした事例。
2020.11.17
発信者情報開示等請求事件
「新・判例解説Watch」財産法分野 令和2年12月中旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25571025/東京地方裁判所 令和 2年 6月26日 判決 (第一審)/平成31年(ワ)第8945号
氏名不詳者が、ツイッター(インターネットを利用してツイートと呼ばれる140字以内のメッセージ等を投稿することができる情報ネットワーク)上で、原告になりすまして、俗悪なユーザー名でアカウントの登録をした上、これを使用して、原告の顔写真を添付して上記アカウント開設に係る投稿をしたことにより、原告の肖像権や名誉感情が侵害されたとして、原告が、上記氏名不詳者(本件発信者)に対する損害賠償請求権の行使のために、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律4条1項にいう開示関係役務提供者に当たる被告に対し、同法同条同項に基づき、本件発信者の氏名、シンプルメールトランスファープロトコルが用いられる通信方式(SMTP方式)による電子メールに係る電子メールアドレス及びショートメッセージサービスが用いられる通信方式(SMS方式)による電子メールに係る電子メールアドレスの開示を求めた事案で、本件投稿による原告の肖像権侵害は、社会生活上受忍の限度を優に超えるものというべきであり、本件投稿は不法行為法上違法となることが明らかであるとし、原告の請求のうち、本件情報を投稿した者(本件発信者)に関するSMS方式による電子メールに係る電子メールアドレスの開示を求める点について一部認容した事例。
2020.11.17
損害賠償請求控訴事件
LEX/DB25566814/東京高等裁判所 令和 1年 9月25日 判決 (控訴審)/令和1年(ネ)第2048号
控訴人(原告)は、被控訴人(被告)らが控訴人の取締役又は監査役を務めていた時期に、控訴人の一人株主からその保有する株式を5250万円で取得し、2650万円で売却したことにつき、被控訴人らがその任務を怠ったとして、被控訴人らに対し、会社法423条1項に基づく損害賠償として、連帯して5250万円の支払等を求め、原審は、控訴人の請求をいずれも棄却したため、控訴人が請求の認容を求めて控訴した事案で、本件株式取得契約及び本件株式売却契約がされた時点において、近い将来に債務超過状態に陥る蓋然性が高かったとはいえないとして、当審における控訴人の主張を採用できないなどとし、控訴人の請求は理由がないから棄却した原判決と同旨であるとして、本件控訴を棄却した事例。
2020.10.06
管理費等反訴請求事件
LEX/DB25571065/最高裁判所第二小法廷 令和 2年 9月18日 判決 (上告審)/平成31年(受)第310号
本件マンションの団地管理組合法人である上告人が、本件マンションの専有部分(本件建物部分)を担保不動産競売によって取得した被上告人に対し、上記競売前に本件建物部分の共有者であった者(本件被承継人)が滞納していた管理費、修繕積立金、専用倉庫維持費等及びこれらに対する遅延損害金の支払義務は建物の区分所有等に関する法律66条で準用される同法8条に基づき被上告人に承継されたとして、上記管理費等及びこれらに対する遅延損害金の支払を求め、原審は、本件配当要求債権は時効消滅したとして、上告人の請求の一部を認容し、その余を棄却すべきものとしたため、上告人が上告した事案において、法定文書により上告人が区分所有法66条で準用される区分所有法7条1項の先取特権を有することが本件強制競売の手続において証明されたか否かの点について審理することなく、本件配当要求債権及びこれらに対する遅延損害金の支払請求に関する部分を棄却すべきものとした原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、原判決中上記部分は破棄し、更に審理を尽くさせるため、上記部分につき本件を原審に差し戻すこととした事例。
2020.09.23
請負代金請求本訴、建物瑕疵修補等請求反訴事件
LEX/DB25571053/最高裁判所第二小法廷 令和 2年 9月11日 判決 (上告審)/平成30年(受)第2064号
被上告人から建物の増築工事を請け負った上告人が、被上告人に対し、請負代金及びこれに対する遅延損害金の支払等を求めた事案(本件本訴)、被上告人が、上告人に対し、上記建物の増築部分に瑕疵があるなどと主張し、瑕疵修補に代わる損害賠償金及びこれに対する遅延損害金の支払等を求めた事案(本件反訴)で、原審が、同時履行の関係に立つ本訴請求債権と反訴請求債権については遅延損害金が発生しないとして、上告人の本訴請求を一部認容し、被上告人の反訴請求を一部認容したため、上告人が上告した事案で、請負契約に基づく請負代金債権と同契約の目的物の瑕疵修補に代わる損害賠償債権の一方を本訴請求債権とし、他方を反訴請求債権とする本訴及び反訴が係属中に、本訴原告が、反訴において、上記本訴請求債権を自働債権とし、上記反訴請求債権を受働債権とする相殺の抗弁を主張することは許されるとし、本件相殺の抗弁を主張することは許されないとした原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、原判決を変更した事例。
2020.09.23
損害賠償請求控訴事件
LEX/DB25566581/名古屋高等裁判所 令和 2年 7月30日 判決 (控訴審)/令和2年(ネ)第203号
控訴人ら及び原審原告q2が、その所有ないし居住する土地の付近で被控訴人が施工した高速道路建設工事により日照権が侵害されるなどして精神的苦痛を被り、また、所有地の価格が下落したなどと主張して、被控訴人に対し、不法行為に基づく損害賠償金及びこれに対する遅延損害金の支払を求め、原審が控訴人ら及び原審原告q2の請求をいずれも棄却したところ、控訴人らが控訴の範囲を限定して控訴した事案で、原判決中控訴人q3らに関する部分につき、控訴人q3らの請求は、それぞれ55万円及びこれに対する遅延損害金の限度で理由があるとして変更した事例。
2020.09.01
損害賠償請求事件
LEX/DB25565753/宇都宮地方裁判所 令和 2年 4月16日 判決 (第一審)/平成27年(ワ)第651号
被告厚生農業協同組合連合会の開設する被告病院に入院し、腰部脊柱管狭窄症に対する後側固定手術を受けたq4が、その後に死亡したところ、本件患者の相続人である原告らは、本件患者が血栓性疾患又は播種性血管内凝固症候群(DIC)を発症して、これらの症状の悪化により死亡したものであり、被告病院の医師らは、術後管理としてDICの発生防止措置を取る義務等があるところ、それを怠ったものであると主張して、不法行為(民法715条)ないし債務不履行に基づく損害賠償請求として、被告に対し、それぞれ賠償金及びその遅延損害金の支払を求めた事案で、本件患者は、DICを発症したことにより、本件患者の頭蓋内に出血・血栓を生じたことで、脳ヘルニアを生じ、死亡に至ったものと認めることが相当であり、被告において、発症当日、本件検査を行い、DICに対応する治療を行っていれば、本件患者が以降もなお生存していたと認めることができるから、被告には過失があったといえるとして、原告らの請求を認容した事例。
2020.08.25
損害賠償(交通)請求事件
LEX/DB25566391/千葉地方裁判所佐倉支部 令和 2年 6月15日 判決 (第一審)/平成27年(ワ)第407号
原告が、被告に対し、被告運転の自家用普通乗用自動車(被告運転車両)と、原告運転の原動機付自転車(原告運転車両)とが衝突した交通事故により、原告は傷害を負い、自動車損害賠償保障法施行令別表第2の後遺障害等級併合7級の後遺障害が遺ったと主張して、自賠法3条及び不法行為に基づき、損害賠償金及び確定遅延損害金合計7163万1887円の支払及びうち5559万7133円に対する平成30年6月26日から支払済みまでの間の民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案において、本件事故については、原告、被告共に過失があり、原告と被告の過失割合は、原告30-被告70としたうえで、原告の請求は、3593万3567円に平成30年6月25日までの確定遅延損害金919万2912円を加算した4512万6479円及びうち3593万3567円に対する平成30年6月26日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の請求を認める限度で、請求を一部認容した事例。
2020.08.04
損害賠償請求事件
LEX/DB25566236/高知地方裁判所 令和 2年 6月30日 判決 (第一審)/平成28年(ワ)第135号
被告が運営する被告病院の集中治療室(ICU)において、ベッドから転落して頭蓋骨骨折等の傷害を負い、脳死とされる状態となり、そのまま意識を回復することなく約3か月半後に死亡した患者(当時26歳・男性)の両親である原告らが、被告に対し、患者がベッドから転落し、脳死とされる状態という重篤な傷害を負った事故が発生したのは、被告病院が患者の転落を防止し、又は、転落により重篤な傷害が発生することを防止するための措置を講ずべき義務を懈怠した過失があったためであり、さらに、患者が死亡したのは、本件事故に加え、その後の不適切な輸液投与を行った過失があったためであるとして、主位的に患者が死亡したことによる損害につき、予備的に患者が脳死とされる状態となったことによる損害(金額は死亡の場合と同額)について、原告ら固有の慰謝料と併せて、債務不履行又は不法行為に基づき、それぞれ損害金の支払等を求めた事案で、被告に本件事故の予見可能性が認められず、また、2月の輸液投与についても、被告に過失があったとは認められないとして、原告らの請求を棄却した事例。
2020.07.21
損害賠償請求事件
LEX/DB25570946/最高裁判所第一小法廷 令和 2年 7月 9日 判決 (上告審)/平成30年(受)第1856号
交通事故によって傷害を受け、その後に後遺障害が残った被上告人が、加害車両の運転者である上告人Y1に対しては民法709条に基づき、加害車両の保有者である上告人N社に対しては自動車損害賠償保障法3条に基づき、損害賠償を求めるとともに、加害車両につき上告人N社との間で対人賠償責任保険契約を締結していた保険会社である上告人S保険会社に対しては同保険契約に基づき、上告人Y1又は上告人N社と被上告人との間の判決の確定を条件に、上記損害賠償の額と同額の支払を求めた事案の上告審において、被上告人は本件後遺障害による逸失利益について定期金による賠償を求めているところ、被上告人は、本件事故当時4歳の幼児で、高次脳機能障害という本件後遺障害のため労働能力を全部喪失したというのであり、同逸失利益は将来の長期間にわたり逐次現実化するものであり、これらの事情等を総合考慮すると、本件後遺障害による逸失利益を定期金による賠償の対象とすることは、損害賠償制度の目的及び理念に照らして相当と認められ、また、本件後遺障害による逸失利益につき定期金による賠償を命ずるに当たり、被上告人について、上記特段の事情はうかがわれないとし、原審の判断は是認することができるとして、本件上告を棄却した事例(補足意見がある)。
2020.07.14
自治会入会等請求事件
LEX/DB25565999/奈良地方裁判所 令和 2年 5月28日 判決 (第一審)/平成30年(ワ)第500号
奈良県天理市内の自治会に居住する原告が、被告が正当な理由なく平成4年から現在に至るまで原告の被告の会員たる地位を認めないことにより、様々な不利益を受け、精神的苦痛を被ったなどと主張して、被告に対し、原告が被告の会員たる地位を有することの確認を求めるとともに、不法行為に基づく損害賠償請求として、慰謝料100万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求めた事案において、原告が被告の会員たる地位を有するものと認めることはできず、被告による不法行為を構成するとは認められないとして、請求を棄却した事例。