ニュースリリース

秋田市と田辺市で電子申告のサービス開始 LGWAN-ASPサービスで初の試み-法人市町村民税、個人住民税(特別徴収)、償却資産などの申告が可能に-

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平成20年1月11日

 株式会社TKC(本社:栃木県宇都宮市鶴田町1758番地/代表取締役:飯塚真玄/資本金:57億円)は、このほど「TKC地方税電子申告受付サービス」を正式提供。1月15日より、同サービスを活用して秋田県秋田市殿と和歌山県田辺市殿において、地方税の電子申告のサービスが開始されます。

 地方税の電子申告は、すでに全国47都道府県と15政令指定都市、神奈川県相模原市においてサービスが実施されていますが、今年1月から新たに秋田市殿と田辺市殿が参画しました。いずれも県内の市町村としては初のサービス実施団体となります。

 また、秋田市殿と田辺市殿は、LGWAN-ASP方式(*)によるシステムを活用して地方税の電子申告のサービスを行う初の団体となります。
(*)これまで地方公共団体が地方税の電子申告のサービスを開始するには、審査システム等を1.単独で構築・運用、2.県域など複数団体が共同で構築・運用(協議会方式)――に限られていたことから多額の費用がかかり、中小規模団体によるサービス実施の障壁となっていました。これを解消するために第3の方式として登場したのが「LGWAN-ASP方式」です。LGWAN-ASP方式は、審査システムを民間企業が構築・運用し、市町村はサービスのみを有料で受ける仕組みのため、ほかの方式に比べて「機器調達や運用にかかるコストが安く、利用料金の負担が安定している」「運用・保守にかかる作業が少ない」「合併等にも柔軟に対応できる」などのメリットがあります。このため、市町村は整備済みのLGWANを有効活用し、低コスト・短期間で電子申告のサービスを開始することが可能で、電子申告普及に向けた有効な手法になると注目されています。
LGWAN:総合行政ネットワーク(Local Government Wide Area Network)の略

 地方税の電子申告のサービスの開始により、秋田市殿と田辺市殿へ申告を行う納税者は、インターネットを介して各種申告や申請・手続きが行えるようになるため、従来のように紙の申告書を市役所へ持参したり、郵送するといった手間から解放されます。
 また、納税者の利便性向上とともに市町村にとっても、これまで申告データの入力にかかっていた手間の省力化など税務行政の効率化につながると期待されています。

 電子申告の対象となるのは、「法人市町村民税」「固定資産税(償却資産)」「個人住民税(給与支払報告書や特別徴収関連手続き)」などです。

 「TKC地方税電子申告受付サービス」は、納税者が電子申告したデータを地方公共団体の基幹システムへシームレスに連携させるシステムです。LGWAN-ASP方式のため、電子申告サービス開始にあたってサーバなど機器調達の必要がなく、運用・保守にかかる労力およびコストの負担を軽減します。
 なお、本システムは、平成19年11月13日、電子申告を支援するシステムとして全国で初めてLGWAN-ASPサービス接続資格審査(アプリケーション及びコンテンツサービス)に合格、登録を完了しました。
*LGWAN-ASP接続資格審査:LGWANを介して地方公共団体へ各種サービスを提供する事業者は、財団法人地方自治情報センター・総合行政ネットワーク全国センターが進めるLGWAN-ASPとしての資格審査を受ける必要があります。その審査内容はサービスの品質に加え、個人情報の保護や法令遵守といった情報セキュリティの確保など多岐にわたります。

 TKCは、納税者から収税者としての市町村まで、電子申告の流れを一気通貫で支援するシステムを開発・提供する唯一のベンダーです。
 現在、会計事務所向け「TKC電子申告システム(e-TAXシリーズ)」のほか、中堅大企業向けには「ASP1000R」を開発・提供しています。さらに、延べ1万5200人/年のサポート体制を整えて、TKCのユーザー(税理士・公認会計士)で組織されるTKC全国会が推進する「国税・地方税の電子申告」の普及促進活動を支援するなど、国が推進する電子化社会推進の一助となるべく取り組んでいます。
 今回、新たに市町村向けシステムの提供を開始したことで、納税者と収税者(市町村)の双方からスムーズな電子申告環境をサポートし、これにより国が推進する地方税の電子申告普及促進の一助となることを期待しています。

 「TKC地方税電子申告受付サービス」は、今後1年間で50団体への販売を目指します。

 税理士・公認会計士で組織されるTKC全国会(会長:税理士 仁木安一/会員数:9500名)は、1月15日より、秋田県秋田市と和歌山県田辺市において、地方税の電子申告のサービスが開始されることを受け、以下の通りコメントを発表しました。

 秋田市と田辺市において、1月15日より地方税の電子申告のサービスが始まりますことを心よりお慶び申し上げます。

 わが国で電子政府・電子自治体の取り組みが本格化したのは、平成13年1月に策定された「e-Japan戦略」に始まります。<5年以内に世界最先端のIT国家を目指す>としたこの戦略において、一つの柱に掲げられたのが「申告の電子化」です。

 平成16年2月、名古屋国税局管内からスタートした国税の電子申告が着実に普及する一方で、地方税の電子申告はサービス開始から3年たっても未だ実施団体が一部に限られています。これは非常に残念なことです。
 地方税においては、今年から給与支払報告書の電子申告や電子納税など納税者にとって、より一層便利なサービスが開始されます。秋田市と田辺市に続き、ぜひ多くの市町村において一日も早く地方税の電子申告のサービスを実施していただくことを期待します。

 TKC全国会会員は、税務の専門家として電子申告・納税を積極的に推進し、今後も中小企業および地域社会の健全な成長発展へ貢献してまいります。

TKC全国会 電子申告推進プロジェクト
リーダー  税理士 飯島將史

地方税の電子申告の動向

 地方税の電子申告は、社団法人地方税電子化協議会が開発・運営する「エルタックス」を介して提供されているものです。

 現在、電子申告が可能な税目は、法人都道府県民税、法人事業税、法人市町村民税、固定資産税(償却資産)、個人都道府県民税・市区町村民税(給与支払報告書や特別徴収関連手続)、事業所税です。また、3月24日からは、電子納税と申請・届出が追加されます。
 地方税の電子申告・納税は、法人や個人事業主にとってIT社会の便利さを最も実感できるサービスのひとつで、全国の地方公共団体での早期実現が期待されています。
 特に、償却資産や給与支払報告書などは件数が多く、ほとんどの企業や会計事務所がコンピュータで処理していることから、申告書等の電子データをオンライン送信できれば非常に便利になります。市町村にとっても、電子データで受け取ることで改めてシステムへ手入力するといった手間が省け、入力ミスなどを防ぐことができます。
 こうした納税者のニーズの高まりを背景に、国も地方税の電子申告を「電子自治体オンライン利用促進指針」の21対象手続の筆頭に掲げ、重点的に利用促進を図っています。
 平成18年度の電子申告の利用状況は、国税が126万8406件に対して地方税は4万6859件となっています。また、19年度については11月末現在で、国税が120万3271件、地方税が25万9996件となっています。

 現在、電子申告のサービスの実施団体が一部に限られていることから、地方税の電子申告は国税に比べて遙かに少ない利用件数にとどまっています。しかし、ここにきて具体的な検討を開始する市町村が全国規模で拡がり、社団法人地方税電子化協議会のオブザーバー会員は180団体(平成19年12月10日現在)となりました。
 さらに、社団法人地方税電子化協議会では今後、京都府、岩手県を重点地域として府県単位で電子申告推進を図る計画としています。

秋田市、田辺市の電子申告のサービスの概要

  1. サービス開始日
    電子申告 平成20年1月15日/8:30よりサービス開始
    電子申請・届出 平成20年3月24日
  2. 対象業務
    法人市町村民税、固定資産税(償却資産)、個人住民税(給与支払報告書や特別徴収関連手続き)、事業所税(*秋田市のみ)電子申請・届出

TKC地方税電子申告受付サービス」の特長

  1. 「審査システム」をASPサービスで提供することにより、審査サーバ等の新たな設備投資が不要です。
  2. 納税者が電子申告したデータを、地方公共団体の税務情報システム等の基幹システムへシームレスに連携させることができます。
  3. ASPサービスのため、システムの構築・運用・保守作業等にかかる労力や費用負担を軽減します。
  4. 市町村とTKCインターネット・サービスセンター(TISC)との間はLGWAN回線で接続され、また通信データは完全に暗号化されているため、高度なセキュリティ環境下で24時間365日の“ノンストップ・サービス”を実現できます。
  5. 申告データは、TISCに長期間(10年間)保管します。

TKCおよびTKC全国会の電子申告推進の取り組み

 TKCは創業(昭和41年)以来、会計事務所およびその関与先企業、地方公共団体へ専門特化した情報処理サービスを展開してきました。
 TKCは、平成16年2月、名古屋国税局管内で国税の電子申告が開始されて以来、会計事務所が最も快適な環境で電子申告が行える「TKC電子申告システム(e-TAX1000)」を開発・提供し、TKC全国会が推進する「国税・地方税の電子申告」の普及促進活動を支援してきました。
 また、中堅・大企業向けには「法人電子申告システム(ASP1000R)」を開発・提供し、発売開始から1年で100社以上から採用されています。

 TKC全国会会員は、平成18年度において、e-TAX1000を活用して78万件を超える電子申告を実践し、今年度は120万件超の目標達成を目指して推進活動を展開しています。
 また、平成19年度におけるTKC全国会会員の電子申告実践率(11月末現在)を見ると、国税の電子申告は50万4406件(前年同期比572.0%)、地方税の電子申告は19万1142件となっています。
 また、TKC全国会会員が納税者の代理者として実施した法人決算申告全体に占める電子申告の割合(*)は60%超(12月末現在)となっています。
(*)「TKC法人決算申告システム(TPS1000)」の処理社数に占める「TKC電子申告システム(e-TAX1000)」による電子申告処理社数

当リリースに関するお問い合わせ先
株式会社TKC 東京本社 経営管理本部 広報部
TEL:03-3266-9200 FAX:03-3266-9161
Eメール:pr@tkc.co.jp

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