注目の判例

労働法

2013.11.05
地位確認等請求事件
LEX/DB25501769 / 東京地方裁判所 平成25年9月12日 判決 (第一審) / 平成23年(ワ)第12298号
被告(財団法人日本相撲協会)との間で力士所属契約を締結した被告所属の力士である原告が、被告がした懲戒処分としての解雇が無効であると主張して、被告に対し、主位的請求として、原告の番付階級が大関であることの確認並びに未払賃金、旅費及び日当、交通費の支払い等を求め、予備的請求1として、被告の寄附行為36条に定める力士として権利を有することの確認を求め、予備的請求2として、同所属契約が終了したことを前提とする力士養老金及び勤続加算金、預かり懸賞金の支払い等を求めた事案において、解雇は相当であるとして、原告の請求をいずれも棄却した事例。
2013.10.29
地位確認等請求事件
LEX/DB25501644 / 札幌地方裁判所 平成25年 7月30日 判決 (第一審) / 平成23年(ワ)第3390号
 被告(郵便事業株式会社を承継した会社)に期間雇用社員として雇用され、雇用期間を概ね6か月として契約更新を繰り返してきた原告が、同社の経営改善の必要上、人件費削減のために、雇用期間満了をもって雇止めとされたことは許されないとして、被告に対し、雇用契約上の権利を有する地位の確認並びに雇止め後から判決確定日までの月額賃金、賞与の支払い及び遅延損害金の支払いを求めた事案において、原告の雇止めは、雇止め回避のための努力を十分に尽くさなかったものであり、客観的に合理的理由を欠き、社会通念上相当であるとは認められないから、許されないとして、原告の請求を全部認容した事例。
2013.10.29
損害賠償請求控訴事件
LEX/DB25501642 / 広島高等裁判所 平成25年 7月18日 判決 (控訴審) / 平成23年(ネ)第251号
 事務系の女性従業員として被控訴人(一審被告、電力会社)に雇用され、営業所に勤務している控訴人(一審原告)が、職能等級の昇格、職位の昇進において、女性であることを理由に不当な差別的取扱いを受けて、本来あるべきものより低い職能等級及び職位にされているなどとして、被控訴人に対し、不法行為に基づく損害賠償等の支払い、過去の一定の時期から現在まで一定の職能等級にあること及び主任の職位にあることの確認を求め、原審は、確認を求める訴えは不適法であるとして却下し、その余の請求を棄却したとの事案において、原判決を変更し、確認を求める訴えについて期間を特定した上で却下し、その余の請求を棄却した事例。
2013.10.22
公務外認定取消請求事件
LEX/DB25501699 / 神戸地方裁判所 平成25年 6月25日 判決 (第一審) / 平成22年(行ウ)第71号
 原告が、豊岡市職員であった亡夫の自殺は、公務に伴う心理的負荷によって罹患したうつ病の自殺念慮の発作から引き起こされたものであるとして、地方公務員災害補償法に基づく公務上災害認定請求をしたところ、処分行政庁は、同人の自殺を公務外の災害と認定する処分をしたため、被告(地方公務員災害補償基金)に対して同処分の取消しを求めた事案において、同人は、うつ病によって正常の認識、行為選択能力が著しく阻害され、又は自殺行為を思いとどまる精神的な抑制力が著しく阻害されている状態で自殺が行われたものと推定され、公務起因性を認めることができるとして、原告の請求を全部認容した事例。
2013.09.10
地位確認等請求事件(アシスト事件)
LEX/DB25500473 / 東京地方裁判所 平成25年 3月29日 判決 (第一審) / 平成23年(ワ)第39263号
 原告が、被告(梱包及び解梱請負事業、労働者派遣事業などを行う会社)に対し、雇用契約及び労働基準法に基づき、(1)地位確認、(2)未払賃金並びに(3)割増賃金及び(4)これに伴う付加金の各支払を求めた事案において、本件明示の退職合意、同黙示の退職合意及び権利濫用の抗弁はいずれも理由がないとして、本件雇用契約は、なお消滅することなく存続しているところ、被告は、本件明示の退職合意等を主張して、原告が労働契約上の権利を有する地位にあることを争ったが、原告には地位確認の利益が認められ、一部認容された事例。
2013.09.03
懲戒処分無効確認等請求事件
LEX/DB25501535 / 横浜地方裁判所 平成25年 7月11日 判決 (第一審) / 平成23年(ワ)第5331号
 被告は、大学を運営する公立大学法人であり、原告は、同大学医学研究科に教授として勤務していたが、被告が原告に対して行った停職4か月の懲戒処分が無効であり、原告は同処分によって精神的苦痛を受け名誉を毀損されたとして、同処分が無効であることの確認を求めるとともに、被告に対し、慰謝料の支払い及び謝罪広告等の掲載を求めた事案において、原告に対する同処分が、他の教員に対する処分と比較しても著しく不合理とまではいえず、同処分を行うに当たり、被告に裁量権の逸脱濫用があったということはできず、不法行為も成立しないとして、確認請求を却下し、その余の請求を棄却した事例。
2013.08.06
公務外認定処分取消請求控訴事件
LEX/DB25445725 / 名古屋高等裁判所 平成25年 5月15日 判決 (控訴審) / 平成23年(行コ)第5号
 控訴人が、その夫であり、教育委員会事務局教育課の教育課長であった亡Aが、勤務中に心室細動により死亡したことについて、亡Aの死亡がその公務に起因するものであるとして、公務災害認定請求をしたところ、公務外の災害と認定する旨の処分を受け、これに対する審査請求及び再審査請求を棄却するとの各裁決がされたため、公務外認定処分の取消しを求めた事案において、公務による過大な負荷が亡Aの基礎疾患である拡張型心筋症をその自然的経過を超えて増悪させ、亡Aを死亡させたものと認められるから、公務と亡Aの死亡との間には相当因果関係があるとして、原判決を取り消し、控訴人の請求を認容した事例。
2013.08.06
損害賠償請求事件
LEX/DB25501359 / 神戸地方裁判所 平成25年 6月12日 判決 (第一審) / 平成23年(ワ)第1062号
 被告(非破壊検査を主たる事業とする会社)の従業員であった亡夫が、被告における過重な労働によりうつ病を発症し、自殺に至ったとして、同人の妻である原告が、被告に対し、債務不履行ないし不法行為に基づき、損害賠償等を求めた事案において、同人の被告における労働がうつ病罹患の原因であり、うつ病が重症化し、自殺に至ったと認めた上、被告には労務管理上の安全配慮義務違反があったとして、原告の請求を一部認容、一部棄却した事例。
2013.08.06
損害賠償請求事件
LEX/DB25501362 / 仙台地方裁判所 平成25年 6月25日 判決 (第一審) / 平成22年(ワ)第1836号
 被告会社に勤務していた原告らの長男が、連日の長時間労働のほか、被告上司からの暴行や執拗な叱責、暴言などのいわゆるパワーハラスメントにより精神障害を発症し、自殺するに至ったと主張して、遺族である原告らが、被告会社に対しては安全配慮義務違反の債務不履行又は不法行為による損害賠償請求権に基づき、被告上司に対しては不法行為による損害賠償請求権に基づき、損害賠償を請求した事案において、被告会社については安全配慮義務違反の不法行為の成立を認め、他方で、被告上司については不法行為法上の責任を負うものとは認められないとして、被告会社に対する請求についてのみ一部認容した事例。