2015年1月号Vol.97

【連載】どうするマイナンバー 事務の見直し

株式会社TKC 行政システム研究センター 番号制度対応推進室長 松下邦彦

 自治体ではいま、特定個人情報保護評価、条例の改正・制定、住民への広報、制度導入後の事務の見直しといった番号制度を導入するための準備作業が進んでいる。そこでポイントとなるのが事務の見直しだ。番号制度が導入された後に事務がどのように変わるかを把握し、それを事務分掌や事務手順書に反映する。これによって、番号制度が自治体の事務として運用されることになる。

 事務の見直しにあたっては、まず番号法に規定された義務事項を反映する。

 番号法が自治体に求める義務は、個人番号の付番、個人番号カードの交付、そして他の機関への情報提供だ。付番とカードの交付は住民記録担当部署だけに関わる事務である。それに対し、情報提供については番号を利用する税と社会保障の関連部署のすべてで以下に取り組む必要がある。

1.番号の真正性確認

 税や社会保障の事務において、住民から申請書を受け付ける際には記載された個人番号が正しいことを確認する。

 個人番号カードは、本人確認と番号確認の両方に使用する。運転免許証等で本人を確認した場合は、通知カード、住民票、税の納付書、源泉徴収票など個人番号が記載された公的な書面によって番号を確認する。こうした書面がない場合はシステムで確認を行う。現在の住民や事務の対象となっている住登外者は、統合宛名システムで確認できる。なお、これで確認できない未登録の住登外者については住基ネット端末で確認する。そのため住登外者からの申請が多い部署では、住基ネット端末の設置を検討する必要がある。

2.住登外者登録手順の統一

 また、住登外者の登録手順の統一も必要だ。

 情報照会を受けた人の情報を確実に提供するには、業務システム全体ですべての人と宛名番号を1対1に対応させなければならない。ところが、一般に住登外者は業務システムごとに登録されており、複数の人に同一の宛名番号が付与されていたり、同一人に複数の宛名番号が付与されているケースがある。

 これを解消するには、統合宛名システムを整備し、データクレンジングを実施して宛名情報の重複を整理する。

 さらに、番号制度導入後も整理された状態を維持する必要がある。そのため、住登外者の申請を受け付ける際は、過去に居住した転出者や他の事務で登録されている住登外者であるかどうかをまず確認し、未登録の場合のみ新規登録する。すべての部門で、こうした登録手順を統一する。

◇   ◇   ◇

 番号制度導入に向けた事務の見直しでは、まず番号法が求める義務事項の実現を図る必要がある。その上でさらに事務作業を減らし、住民サービスを向上するなど、番号制度を活用して業務改善を図ることが重要だ。

 番号制度の活用は義務ではなく、自治体、およびシステム提供事業者の創意工夫に任されている。

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