高い精度と速報性を持つ中小企業の経営成績を提供

TKC経営指標(BAST)は、 中小企業25万社超の決算書(貸借対照表・損益計算書)を基礎データに集計された世界に類例のない経営指標です。

信頼性の高い決算書を基礎データに

 「TKC経営指標(BAST)」は、「財務三表システム」「建設業会計システム」「農業会計システム」「FX4クラウド」を2年以上利用している中小・中堅企業(年商100億円以下)の経営成績と財政状態を分析したものです。

 TKC会計人が毎月継続して実施した巡回監査と月次決算により作成された会計帳簿を基礎とし、そこから誘導された決算書(貸借対照表および損益計算書)を基礎データとしています。

 これらの決算書は、すべてそのまま法人税の申告時に利用されたものです。2023年版の収録企業数は、確定決算期が2022年1月期から12月期までのもので、25万3,648社(全国の法人の約9%)、1175業種に及んでいます。その黒字決算割合は53.5%(2022年版では53.7%)となっています。これだけの精度と速報性を持つ中小企業の経営指標は、世界にも類例がなく、税務当局や金融機関等から高く評価されています。また、当指標はデータベース化され、月次決算において同業者比較を行うほか、中期経営計画を策定する際にはベンチマーキングの指標として活用されています。

 なお、当指標では、個別企業の決算書は開示しておらず、同業種同規模の3社以上の決算書を合算し、その平均値を優良企業、黒字企業、欠損企業、黒字企業中位グループ、全企業の5つに分類して表示しています。このうちの「黒字企業」の定義は、①期末純資産および②税引き前当期損益がいずれもプラスの企業です。そして「優良企業」の定義は、次の6項目です。

TKC経営指標(BAST)の「優良企業」の定義

  • 自計化システム利用による月次決算の実施
  • 書面添付の実践
  • 中小会計要領への準拠
  • 限界利益額の2期連続増加
  • 自己資本比率が30%以上
  • 税引き前当期純利益がプラス
TKC経営指標(BAST)ラインナップの詳細は、こちらをご参照ください

「月次」の経営指標も提供

 TKC全国会では、2021年4月より、「TKC月次指標」(月次BAST)の提供を開始しました。これは、TKC会員が関与する中小企業25万社超の最新の「月次決算データ」を基にした今までにない統計資料で、地域経済の動向や変化をタイムリーに把握することができます。

 主な特長は、TKCシステムで会計処理および税務申告を行っている法人のうち、 約25万社の月次決算データをもとに作成している点にあります。全国の法人数は約280万社といわれていることから、月次BASTは「日本経済の10分の1モデル」と見なすことができます。

 そしてもう一つの特長が、日本標準産業分類が定める99業種(中分類)について、「売上規模」「都道府県」「業種」「業歴」ごとに確認できる点です。

 なお、指定した都道府県や業種等での集計対象企業が3社に満たない場合は集計結果を表示していません。これは、特定の企業による影響を薄め、地域経済の実態を表す統計資料とするためです。

TKC月次指標(月次BAST)の詳細は、こちらをご参照ください

(『TKC全国会のすべて 2023年9月版』より転載)