ユーザー事例

株式会社FJネクスト 様

グループ挙げて取り組む“都市住空間への挑戦と創造”

資産運用型分譲マンションのリーディングカンパニーであるFJネクスト。“都市住空間への挑戦と創造”を追求する『ガーラマンションシリーズ』のブランド力は高まるばかりだ。永井敦取締役管理本部長、稲葉進児経理部課長代理、大島健一主任、川辺篤志主任に、会社の現状と連結会計の実務について話を聞いた。

FJネクスト

“分譲仕様”で開発・販売しオーナー・入居者満足を追求

──資産運用型(投資用)分譲マンション業界ではトップクラスだとお聞きしています。

永井取締役管理本部長 2011年の首都圏投資用マンション供給ランキングでは992戸で1位。マンション全体に広げても、なみいる大手のなかで10位にランクインしています。ちなみに、資産運用型マンションは、社会の一線で活躍する首都圏の単身者の生活を支えるインフラとして、また、安定した収益を不動産に求める方への資産運用商品として20年ほど前からニーズが拡大しはじめ、ここのところの単身者世帯の増加もあって社会的役割が一層高まってきています。

──競合も多いなか、なぜトップを維持できているのでしょう。

永井 当社は『ガーラマンションシリーズ』という自社ブランドを展開していますが、よくご評価いただくのが「資産価値が下がりにくい」という特長です。土地開発から建築材料・工法、管理システムなどを含めて、いわゆる“分譲仕様”で開発・販売していますから、購入者(投資家)はもちろん、入居者の方々にも十分に満足いただけていると自負しています。結果として、同シリーズは、たとえばJ-REIT(日本版不動産投資信託)組入住宅全体の稼働率と比較しても、入居率が平均で数ポイント上回っています。入居率が高くなれば、当然、オーナーさんの利回りも増加するので、その分ブランド力が高まっていく。そんな循環を創り出せていることが、当社の最大の強みだと思います。

――入居者向け「ガーラコンシェルジュサービス」とはどのようなものですか。

永井 資産運用型マンションの賃貸・建物管理を行うグループ会社のFJコミュニティが、ソフト面のサービス充実を図るべく実施しているのが「ガーラコンシェルジュサービス」です。入居者のニーズに合った商品・サービスを取り扱っている企業と積極的に提携し、入居者特典を用意するなど、付加価値の向上につとめています。

──昨年度(2012年3月期)はとくに業績が好調でしたね。

永井 はい。震災による需要の落ち込みはありましたが、一方で住宅ローン減税や住宅エコポイントなどの政策効果もあり、首都圏の新規マンション供給戸数が若干回復するなか、『ガーラマンション』を中心に積極的に開発・販売活動を展開したことが実を結びました。主力のワンルームマンションだけでなく、中古マンションの売買やファミリーマンションの開発・販売にも注力し、これも業績の底上げに貢献しました。

──5社の連結対象グループ企業を擁しておられますが、その概要について教えてください。

永井 連結対象は、FJ不動産販売(ファミリーマンション開発・販売)、FJコミュニティ(不動産管理業)、レジテックコーポレーション(建設業)、FJリゾートマネジメント(旅館業)、アライドライフ(金融業)の5社になります。安易な拡大路線をとるのではなく、常に採算性を重視したグループ経営を実践しており、リーマンショック以降、早期に業績を回復できたのも、この姿勢を貫いてきたからこそだと考えています。

自動化・標準化の徹底で連結決算作業がわずか2日に

──グループ経営をさらに強化するツールとして昨秋、TKCの『eCA-DRIVER』を導入されました。きっかけは?

稲葉経理部課長代理 おととし、連結会計業務がそれまでの経営企画室から経理部に業務移管されたのが直接のきっかけでした。経営企画室では、エクセルで連結決算業務を処理していたのですが、われわれとしては専用のパッケージソフトに切り替えたいという意向を持っていました。というのも、1人の担当者にノウハウが集中して属人化していた部分があったので、経理部としてはそのデメリットを取り除くために複数名でとりかかりたいと考えたのです。それには、業務の単純化・標準化が必要なので専用ソフトを導入するという選択肢がもっとも手っ取り早い。で、以前からお付き合いのあったTKCさんにお願いしたわけです。

──導入する際にご苦労はありましたか。

稲葉 コンサルタントとして就いていただいた一木伸夫(税理士・公認会計士)先生に、実務ベースでみっちりとご指導いただいたので、すんなりと入れました。

大島主任 一木先生には立ち上げ時に計13回、運用が始まってからも四半期決算ごとにご来社いただいて色々と教わっています。また、経理部でエクセル研修を実施していただき、その時に教わったノウハウもさまざまな報告資料を作成する際に役立っています。

稲葉 やはり、会計の専門家に相談できるというのは安心です。

──導入前と導入後で何が変わりましたか。

稲葉 当社はいわゆる“シェアード”管理を採用していて、グループですべて同じ経理システムを採用し、当経理部に各社担当者を集中して管理しています。なので、レポーティングパッケージで情報を吸い上げる手間はありませんが、以前は各社の財務諸表をスプレッドシートに打ち直す必要がありました。しかし、導入後は、各子会社の財務諸表を『eCA-DRIVER』のデータ連携機能で自動的に取り込めるようになったので、非常に手間が省けています。また、数字の正確性、精度は間違いなく上がりました。たとえば、「未実現利益の消去」や「開始仕訳」など、複雑な計算も難なくやってくれるので助かります。作業の増加に比例してミスも増えるものですが、『eCA-DRIVER』では相対的な作業量が減りましたから、当然ミスも減少します。

川辺主任 それと関連して、整合性のチェック機能も良いですね。従来のスプレッドシートでは計算が合わないと、原因を調べるのに1日がかりということもよくありました。連結キャッシュフローの計算では、どうしてもゼロになるべきところがならなくて、2、3日費やしてしまったことさえあります。ところが、『eCA-DRIVER』では、整合性に誤りがあるものにはエラー表示が出て、しかも、そこから直接修正すべき画面にジャンプできます。とても便利だと思います。

──決算作業のスピードは上がりましたか。

稲葉 はい。これはもう圧倒的に速くなりました。先の第3四半期決算などは、単体の決算を締めてから通常は5日以上かかるところを2日で締めましたからね。

──監査の作業効率アップについてはいかがでしょう。

稲葉 『eCA-DRIVER』では監査法人がログインできるようにして、企業側と同時並行的に監査作業を進められる機能があると聞いています。これができれば、劇的に監査の効率性が上がるでしょう。ぜひ、導入を検討したいですね。

──データをお好みの経営資料にアレンジできる「マネジメントレポート(MR)設計ツール」は活用されていますか。

稲葉 立ち上げ時に、一木先生の指導でスプレッドシートでの計算と『eCA-DRIVER』のデータが合致しているかどうかを確認する目的で使用していました。ただ、大島や川辺もその時の使い勝手のよさから「あった方がいい」という意見のようなので(笑)、今後は経営資料の作成ツールとして導入することを考えています。また、現在は、クライアントサーバ方式での利用ですが、近い将来ASP(クラウド)型に変更するつもりです。利便性の面でもセキュリティーの面でもASPの方が安心ですからね。

──今後は?

稲葉 実は、5年前にも『eCA-DRIVER』を試験運用させていただいたことがあるのですが、当時も今も、TKCのソフトには基本的にバグがないことをシステム担当者が高く評価しています。なので当社のなかでTKCさんの信用力は高く、将来的には個別の会計ソフトについても、『FX5』の導入を検討したいと……。単なる“口約束”ですが(笑)。

会社概要
名称 株式会社FJネクスト
設立 1980年7月
所在地 東京都新宿区西新宿6-5-1
TEL 03-6733-1111
社員数 346名(連結2012年9月時点)
年商 305億円(2012年度連結)
URL http://www.fjnext.com/

『戦略経営者』2013年3月号より転載

掲載の内容、および当社製品の機能、サービス内容などは、2013年3月現在のものです。
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