ユーザー事例

ウエルシアホールディングス株式会社 様

FX5・eCA-DRIVER導入事例

ドラッグストア大手の急成長を支える会計システム

~組織再編・災害・めまぐるしい法令改正を乗り越えて~

全国に約2000店舗を展開するドラッグストアチェーン「ウエルシア薬局」。売上高200億円から40倍以上の急成長を経験した同社が財務会計に利用しているのが、TKCの統合型会計情報システム『FX5』である。経理部員のほぼ全員が〈①「Excel伝票」機能を活用し、仕訳入力業務を省力化〉〈②「マネジメントレポート設計ツール」を活用し、管理資料の作成業務の省力化〉を実現しているという。
ウエルシアホールディングスの佐藤範正・最高財務責任者、ウエルシア薬局・財務経理本部の早瀬友満・本部長、前島美佳・資金管理部長にTKCシステムの魅力を聞いた。

売上高1兆円を目指す企業に成長を遂げる

──ドラッグストア業界の動向について教えてください。

ウエルシアホールディングス株式会社 様

左から早瀬本部長、佐藤副社長、前島部長

佐藤 ドラッグストア業界では、2009年の薬事法改正(現薬基法)等により一般用医薬品の販売競争が激化し、M&A(合併・買収)が積極的に行われています。当社も20年7月末現在で、グループ企業は17社となりドラッグストアを基本として医薬品等の販売を行っています。20年2月期はグループ全体で総店舗数2000店、売上高8600億円を達成しました。3年後の23年に売上高1兆円を目指しています。
 ドラッグストアは、駅や人口が多いエリアを狙う「都市型」、スーパーのような大型店で食料品も扱う「郊外型」、調剤薬局を併設する「専門型」などに店舗スタイルを大別することができます。当グループは、専門型ドラッグストアとして地域社会に貢献する「かかりつけ薬局」となるべく高齢者層を意識したサービスの拡充を図ってきました。
 高齢者の方々のために、薬剤師による日々の健康サポートやすこやかな美しさのためのお手伝い、また管理栄養士による食事相談など多様な支援を展開しています。さらに、利益を追求するだけでなく、利益の一部をCSR(企業の社会的責任)活動を通して社会に還元していく方針を打ち出しています。AED(自動体外式除細動器)の全店導入や特定の病気に対応できる特殊型トイレの設置などを行っており、社会の中で必要とされる存在になっていくための努力を続けています。地域のみなさまに、近くにウエルシアがあってほしいな、といわれるような店舗・企業でありたいと考えています。

──TKCの会計システムを20年近くご利用いただいています。導入のいきさつを教えてください。

佐藤 当社グループの会計システムは『FX5』で統一しています。新たにグループに参加した子会社についても『FX5』に移行してもらっています。勘定科目等のグループ統一管理機能を活用することで、グループ全体の経理業務と管理業務の標準化を実現しました。各社の会計データを同じものさしで、リアルタイムに確認できるので子会社の支援にも役立っています。
 また、連結決算では『FX5』と親和性が高いTKC連結会計システム『eCA-DRIVER』を利用しています。連結決算の元データを『FX5』から『eCA-DRIVER』に一括して連携できるので連結決算業務の効率化につながっています。
 当社は以前、売上高200億円規模でしたが、株式上場やM&Aなどを経て今では40倍以上の企業規模に拡大しました。その間、経理部門の基幹システムとしてTKCシステムを継続して活用してきており、現在の企業規模になっても、問題なく運用できています。優れたシステムだと思いますし、当社の成長に貢献してくれています。

クラウドのメリットが東日本大震災やコロナ禍で生きた

──『FX5』はTKCデータセンターによるクラウド版ですね。

佐藤 ええ。TKCのデータセンターにインターネット経由で接続する、「クラウド型システム」を活用しています。東日本大震災の時も、仕事をする場所を選ばずに利用できたため業務を止めることなく乗り切ることができました。またM&Aによって新たな子会社へシステムを導入する際にも役立っています。地方の子会社に出向いた場合でも、出先から利用できます。運用管理の手間がかからないため、当社のシステム部門に負担をかけることなく運用できています。
 当社では、月間で200万を超える大量の仕訳明細が発生しますし、多い時には、150人以上の担当者がシステムにアクセスすることもありますが、ストレスを感じることなく運用できています。
 現在、新型コロナウイルス対策からリモートワークを推進していますが、クラウド型システムのため業務に支障はありません。また、監査法人も各事務所から会計データを閲覧することができるため、監査業務にも支障は出ていません。

さらなる成長にも活用できるTKCシステム

──グループが成長する上での課題をお聞かせください。

佐藤 当社は、毎年のようにいろいろな会社と統合するため、その時々に求められるレポートが変わってきます。その場合、『FX5』や『eCA-DRIVER』に搭載されている「マネジメントレポート設計ツール」は自分たちで簡単にレポートの設計ができるため重宝しています。一度設計してしまえば、最新データをもとに、経営者が求めるレポートが自動的に出力できます。経理部員は全員この機能を使っています。

──制度改正や組織再編への対応はいかがでしょうか。

佐藤 この20年で、会計基準は国際会計基準(IFRS)の影響を受けるなど、めまぐるしく改正されました。税法も消費税率の変更や軽減税率の導入などで複雑になりました。TKCシステムは初期投資をすれば、以降は保守契約の範囲で、システムのレベルアップや制度改正等にきちんと対応してくれるため、更新費用や改修費用を考えることなく利用できます。常に、最新の制度に対応したシステムになっているので安心です。
 さらに当社の場合は、M&Aを積極的に行っているため会計処理が複雑になりますが、TKCの場合システムに精通した会計の専門家がサポートしてくれるので、組織再編による複雑な処理にも問題なく対応ができています。
 また、M&Aの際には、相手会社のシステム移行や過去データの移行の問題が出てきますが、『FX5』では他のシステムからデータを移管して過去のデータも見られるようになるため助かっています。

──TKCシステムは貴社にとってどんな存在でしょうか。

佐藤 当社は成長スピードが速いので、経営管理として方向性を間違えないようにしなければなりません。それには、財務経理部門が、正確なデータをいち早く提供することが重要になります。今では、「マネジメントレポート設計ツール」を中心に、「TKCシステムなしでは報告書は作れない」というくらいに活用しています。
 企業規模が大きくなるとERP(統合基幹業務システム)などを検討する企業も多いかと思いますが、当社ではコンポーネント型のシステム(単体で完結しているシステム)の活用を重視しています。急成長している企業は決まった形に当てはめすぎると、かえって機動力が無くなる危険性があるためです。例えば会計システムには会計システムの専門性があるため、必要に応じて設定や運用方法を見直していく方が、企業の成長を支援してくれると考えています。システム間のデータ連携もあまり詳細なことを気にしすぎず、後から連携を実現する方法で、十分に対応できる部分が多く、問題なく運用できています。
 TKCの会計システムは、当社のような売上高1兆円を間近に控えた企業でも存分に活用できるシステムです。TKCの企業の生い立ちが中小企業向けであるため、そのようなイメージがあるかと思いますが、大企業でも問題なく活用できるシステムです。当社は今後も継続して利用する予定です。
 これまでTKCシステムも当社の成長に合わせてレベルアップをしてくれました。これからもTKCシステムと共に成長していくことができればうれしいです。

財務経理部門における主たる機能の活用

早瀬 当社独自の財務情報に関する報告書は、主に「マネジメントレポート設計ツール」を活用して作成しています。また、仕訳明細まで確認したい管理職には、業績管理画面を共有してリアルタイムで詳細情報が把握できるようにしています。
 M&Aの際に、各社が使っている会計システムを『FX5』に移行するときは不安を抱く人もいますが、いざ使い始めると文句をいう人はいません。システム画面が直感的にわかる構成になっており、財務・経理部員のやりたいことがそのまま機能の名称になっているので抵抗なく運用できているのだと思います。一度、教育・研修すれば運用することができる担当者がほとんどです。

固定資産管理システム『FAManager』も活用

早瀬 また、固定資産管理システムもTKCの『FAManager』を積極的に活用しています。特に、新しく子会社となった企業は、『FX5』に移行するととともに、『FAManager』の活用を進めています。以前は、他社システムを使っていましたが、3年前に『FAManager』が提供されてからは、コストパフォーマンスがよいため、固定資産の管理に悩む子会社や、固定資産数が多い子会社に導入を推進しています。おかげで固定資産管理業務がだいぶ効率化されたと思います。

子会社のサポートにも適したシステム

前島 以前からTKCの会計システムを利用してきましたが、『FX5』はM&Aの際に、他社会計システムからのデータ移行がスムーズだという印象があります。移行にあたっては過去の仕訳明細などを取り込むのですが、『FX5』には仕訳明細を柔軟に読込できる機能が搭載されていますので、どの会計システムでも問題なくデータ移行ができています。M&Aによってデータ移行を多く経験してきたことから、ノウハウも蓄積されてきて、今ではどのようなシステムでもスムーズな移行ができています。
 私は主に支払いを含む資金管理を担当していますが、子会社では『FX5』を導入することで支払い業務が便利になっていると思います。例えば、今までの支払い処理では、インターネットバンキングにログインして、振込データを手入力していましたが、『FX5』ではインターネットバンキング用の振込データが作成され、そのまま読込ことができるため、支払いに係る処理が効率化されています。最初は不安に思う人もいますが、やってみれば今までよりも便利になり、入力を間違えるリスクも軽減されています。
 また、子会社の支援も行っていますが特別な支援がなくても、一度設定し、操作方法などを説明すればうまくいくことが多いです。仮に疑問点があっても、クラウドによる運用環境なので、リアルタイムにデータを共有でき、支援もしやすいと感じています。

会社概要
名称 ウエルシアホールディングス株式会社 ウエルシアホールディングス株式会社
設立 2008年9月1日
所在地 東京都千代田区外神田2-2-15
従業員規模 10,795名(2020年7月9日現在)
URL http://www.welcia.co.jp/ja/index.html/
掲載の内容、および当社製品の機能、サービス内容などは、2020年8月現在のものです。
※掲載企業様への直接のお問い合わせはご遠慮くださいますようお願いいたします。