会計・税務

令和3年度介護報酬改定の内容と経営対応策

小濱介護経営事務所代表 小濱道博 

 令和3年度介護報酬改定の改定率は「+0.7%」となったが、そのうちの「0.05%」は、新型コロナウイルス感染症対策にともなう特例措置に充てられるため、実質的な改定率は「+0.65%」といえます。今号では、介護サービス別の改定内容とその経営対応策等について見ていきます。

1.おさえておきたい令和3年度介護報酬改定の重要ポイント ──

 令和3年度介護報酬改定の5つの論点は、①感染症や災害への対応力強化、②地域包括ケアシステムの推進、③自立支援・重度化防止の推進、④介護人材の確保・介護現場の革新、⑤制度の安定性・持続可能性の確保――です。そして、今改定で全サービスに義務化されたものとして、「感染症対策」「業務継続計画(BCP)」「高齢者虐待対策」の3つがあります。これらは3年間の経過措置が設けられました。加えて、「ハラスメント対策」も義務化となりました。BCPについて厚生労働省は、作成ガイドやビデオを公開して、各地で講習会なども開催します。
 また、「LIFEデータベース」(LIFE)が多くのサービスに関連づけられたことも特徴の1つです。今後は、質の高い介護ケアを提供する施設、事業所が評価されていくことが期待されます。そして、「LIFE」という全国標準のエビデンスが確立することのメリットも大きいといえるでしょう。
 こうした状況のなか、自治体側からは、BCP作成を支援する専門家を求める声も出ています。
 「BCP」も「LIFE」も、取り組み次第で事業者間格差を広げるものと考えます。今後、適切な対応が必要です。

2.LIFEデータベースによる科学的介護の推進 ──

 リハビリテーション・機能訓練、口腔ケア、栄養改善に関連する新設の全加算に、「LIFE」へのデータ提出とそのフィードバックデータの活用が算定要件に組み込まれました。既存の加算についても漏れなく算定区分が設けられました。つまり、「LIFE」への提出・活用が今後の加算算定には必須となってくるということです。これから新設される加算も「LIFE」を活用しないと算定できない可能性もあります。既存の加算も次回改定では算定要件に組み込まれるかもしれません。現に、「ADL維持等加算」などではすでに算定要件となっています。また、医療のDPCデータベースとの連携も行われる予定です。
 「LIFE」というエビデンスが確立することのメリットは大きいです。今までは全国標準のエビデンスがなく、比較対象がなかったために施設、事業所の言い分を受け入れるしかなかったわけですが、「LIFE」が軌道に乗ることで、全国標準の比較対象ができます。それによって介護サービスの評価の標準化が進むことも期待されます。利用者、家族も優良なサービスを提供する施設、事業所を選ぶことができますし、標準レベルに達しないサービスを提供する施設、事業所は淘汰されていくことも考えられます。
 一方、「LIFE」関連の加算単位は決して高いものではありません。多くの場合、「20単位/月」から「40単位/月」程度です。その事務負担や導入コストを考えると収支が合わないでしょう。しかし、以前から指摘されていた手入力の手間は、記録ソフトを導入することでデータ提出に必要なCSVデータとして抽出して提供する仕組みとなりました。あとは、「LIFE」から提供されるフィードバックデータをいかに有効に活用するかが重要な課題となります。
 このフィードバックデータをPDCAのマネジメントサイクルのなかで有効に活用することで、ケアの質が向上し、利用者満足度が向上するのであれば、それは大きな差別化になります。また、利用者満足度が向上することで職員のモチベーションも上がり、職員満足度が向上することで定着率がアップし人材採用も容易になります。
 記録ソフトの導入には、購入費用とともにタブレット購入やWi-Fi環境の整備などの設備投資が必要です。地域医療介護総合確保基金を活用したICTの導入支援制度を活用することで費用負担は軽減できます。

図表①

3.業務継続計画(BCP)の作成の義務化 ──

 今改定で義務化されたものに「業務継続計画」(BCP)があります。これは3年間の経過期間が設けられています。「BCP」とは中小企業庁が主導で進めている事業継続計画のことです。地震や台風などの自然災害によって事業活動を行う電力・ガス・水道・インターネット等のインフラ環境や施設設備が損傷することになっても、早期に回復ができるように対策をまとめた計画書やマニュアルを指します。
 厚生労働省からは、すでに基本的なガイドラインやひな型が出されています。「感染症BCP」と「自然災害BCP」に分かれて、施設・通所・訪問ごとに区分されています。その地域特性や事業内容、利用者層、経営理念などが基本となって事業所ごとにつくる必要があります。自然災害直後やコロナ禍で職員が濃厚接触者に認定された場合は、出勤できる職員数は大きく減少します。通常の20~30%程度の出勤率でどのようなサービスや業務を優先するのか。50%になったらどうするか。80%ならどの業務を行うか。このように有事の時に再開する優先業務を決めておくことで、素早く業務を再開することが可能になります。水道の断水や電気のブラックアウト、ガスの停止、道路の破損などの要因によっても優先業務が異なります。これらを職員を交えてじっくりと計画に落とし込む作業が求められます。
 ポイントは、施設や事業所をしっかりとアセスメントして問題点を洗い出し、その改善点を検討した上で計画に落とし込むことです。即ち、「BCP」は検討しながらつくり込むことで作成が容易になります。また、「BCP」は全事業所で取り組むものであり、各部署の職員で検討しながらつくる必要があります。そして、年1回は見直して精度を高めます。
 介護事業における「BCP」は、一般企業の策定プロセスとは異なり、感染症対策や新型コロナ対策など、一般企業にはない要素を多く盛り込む必要があります。介護保険制度や災害時の特例措置などといった、ある程度の知識が必要となります。

図表②

4.介護施設サービスの見直し ──

 介護施設では、「看取り介護加算」および「ターミナルケア加算」に31日以前45日までの算定区分が設けられます。特別養護老人ホームなどでは、他の施設やサービスの併設の場合の職員の兼務を認める人員基準上の緩和措置を拡大します。「栄養マネジメント加算」の廃止と基本報酬への包括化によって、同加算の算定要件である管理栄養士の配置が必要となり、栄養改善計画などで管理されていない場合は基本報酬が減算されます。この措置には、3年間の経過措置が設けられます。今改定では、各サービスにおいて管理栄養士が重要な位置づけとなりました。
 また、介護老人保健施設では、基本報酬の評価指針で、訪問リハビリテーションと、作業療法士(OT)、理学療法士(PT)、言語聴覚士(ST)の3職種の配置にも重点が置かれました。前回、創設された「褥瘡マネジメント加算」「排せつ支援加算」の算定要件が見直され、アウトカム評価の算定区分が設けられています。

5.訪問看護の見直し ──

 訪問看護では、従来、退院日は算定できませんでしたが、主治医が必要と認めた場合は算定が可能となりました。
 また、「看護体制強化加算」では算定要件が緩和されるとともに、看護職員が全体の6割以上配置していることが算定要件に加えられました。これについては2年間の経過措置が設けられています。
 理学療法士(PT)などの訪問看護サービスについては、報酬自体が引き下げられますが、1日に3回以上の提供で報酬が減算されることに留意が必要です。

6.激変した入浴介助加算 ──

 通所リハビリテーション、通所介護で大きく変わったのが「入浴介助加算」です。従来、「入浴介助加算」は利用者に入浴いただくことで算定できる加算で、実施する職員には資格も経験も求められない実施加算でした。ケアプラン上の一般的な目標は「身体を清潔に保つ」です。通所介護でも入浴をすることで自宅での入浴が不要となり、“入浴できること”をセールスポイントとする通所サービスも多くなっています。今改定では従来、算定できなかった“部分浴”も算定の対象となりました。
 そうしたなか、今回の改定審議でこの概念が180度変わりました。すなわち、自宅での入浴が不要となるのではなく、自宅において自分で入浴を続けるためのリハビリテーションの一環として入浴介助を行うという方向です。お世話型の気持ちのよい入浴をしていただくのではなく、利用者が自分でできることはすべて自分でやっていただき、介護職は見守り的援助を行います。個別入浴という考えに発展させて、理学療法士や介護福祉士などが利用者の自宅を訪問して、利用者の自宅での入浴環境を確認して個別入浴計画を策定します。その計画に基づいて個別入浴によるリハビリテーションを実施します。今後は利用者のニーズを把握して、2つの区分を使い分けることが重要です。

7.居宅介護支援の見直し ──

 居宅介護支援では「特定事業所加算」が見直されました。従来の「区分Ⅳ」は単独の加算となり、新たな「区分A」が創設されました。従来の「区分Ⅲ」の算定要件である常勤ケアマネジャー2名体制のうちの1名を非常勤の常勤換算で1名以上の配置を可能とする算定要件となっています。すべての区分に、必要に応じてケアプランに、インフォーマルサービス(保険外サービス)などを位置づけることが加えられています。
 居宅介護支援の逓減制の変更も要注意です。従来は、ケアプラン40件目から基本報酬は「区分Ⅱ」となり、40件以上のケアプランから報酬単位が半減されます。この40件のボーダラインが45件に引き上げられます。ただし、それは一定の要件を満たした場合のみの措置です。一定の要件とは、ICTの活用、事務員などを雇用していることです。ICTの活用とは、Chat機能を備えたアプリを入れたスマホやタブレット等で情報共有をする、AIを活用してケアプランを作成するなどです。
 この他にも、通院している利用者の件でケアマネジャーが病院と相談し、主治医から受けた助言などをケアプランに記録した場合の連携加算の創設、退院後に介護サービスを利用することを前提に担当予定のケアマネジャーが準備を進めていたが、看取りの診断を医師から受けたり、退院することなく死亡した場合などの一定の要件を満たすことで基本報酬を算定できるなどの措置が導入されました。また、地域包括支援センターが予防ケアプランを地域の居宅介護支援に外部委託を進めて連携を取ることを評価する「委託連携加算」などが新設されています。

図表③

8.処遇改善加算等の見直し ──

 「介護職員処遇改善加算」の算定要件のなかの職場環境等要件については、過去に実施したものではなく、当該年度に実施することを求められました。分類項目も6つと拡大し、令和3年は3項目、令和4年以降は6項目の実施が求められます。
 「介護職員等特定処遇改善加算」についても、2分の1ルールを見直し、その他の介護職員に多く配分することが可能となっています。

9.感染症や災害への対応力強化 ──

(1)感染症対策の強化
 感染症の発生およびまん延防止等の取り組みの徹底を求める観点から、施設系サービスについて、現行の委員会の開催、指針の整備、研修の実施等に加えて、訓練(シミュレーション)の実施が義務づけられ、その他のサービスについても、委員会の開催、指針の整備、研修の実施、訓練(シミュレーション)の実施が義務化されています。これには3年の経過措置期間が設けられています。

(2)業務継続の取り組みの強化
 感染症や災害が発生した場合も、必要な介護サービスが継続的に提供できる体制を構築するため、全介護サービス事業者を対象に業務継続の取り組みが義務化されました。これは、業務継続に向けた計画等の策定(BCP)、研修の実施、訓練(シミュレーション)の実施等です。3年の経過措置期間が設けられています。

(3)地域と連携した災害対応
 災害への対応では地域との連携が不可欠であることを踏まえて、非常災害対策(計画策定、関係機関との連携体制の確保、避難訓練の実施等)が求められる事業者(通所系、短期入所系、特定施設系)を対象に、訓練の実施に当たり地域住民の参加が得られるよう連携に努めなければならないとする規程が追加されました。

(4)事業所規模別の報酬等
 通所介護等の報酬では、感染症や災害の影響で利用者数が減少した場合、状況に即した安定的なサービス提供を図るため、現下の利用者数に応じ柔軟に事業所規模別の各区分の報酬単価による算定を可能とするとともに、臨時的な利用者数の減少に対応するための加算を設定しました。

図表④

10.地域包括ケアシステムの推進 ──

(1)認知症対応の向上
 認知症対応力の向上の観点から、訪問系サービスでは「認知症専門ケア加算」が新設されました。また、緊急時の宿泊ニーズに対応するため、多機能系サービスでは「認知症行動・心理症状緊急対応加算」が新たに創設されました。加えて、介護に直接携わる職員が認知症介護基礎研修を受講するための措置が義務づけられ、令和3年3月末時点で配置された職員は3年間の経過措置が設けられました。令和3年4月以降の配置職員は1年以内です。

(2)看取りへの対応の充実
 基本報酬や看取りに係る加算の算定要件について、「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」等の内容に沿った取り組みを行うことが算定要件に加わりました。特別養護老人ホーム、介護老人保健施設や介護付きホーム、認知症グループホームの看取りに係る加算について、現行の死亡日以前45日前からの対応について新たに評価されました。
 介護付きホームについては、看取り期に夜勤または宿直により看護職員を配置している場合に500単位を上乗せする新たな区分が新設されました。看取り期の利用者に訪問介護を提供する場合、2時間ルールを弾力化して、医師が回復の見込みがないと診断した場合には、所要時間を合算せずにそれぞれの所定単位数の算定を可能とされました。

(3)医療と介護の連携の推進
 医師等の居宅療養管理指導では、関連情報をケアマネジャー等に提供するよう努めることとされています。短期療養について基本報酬の評価を見直すとともに、医療ニーズのある利用者の受入促進のため「総合医学管理加算」が新設されました。老健施設の所定疾患施設療養費では検査の実施の明確化や算定日数の延長(連続する7日→10日)、対象疾患の追加(蜂窩織炎)が行われました。「かかりつけ医連携薬剤調整加算」では、かかりつけ医との連携を推進し継続的な薬物治療を提供するための見直しが行われました。
 介護医療院は、長期療養・生活施設の機能の充実の観点から、長期入院患者の受入れ・サービス提供を新たに評価する「長期療養生活移行加算」が新設されました。介護療養型医療施設について、令和5年度末の廃止期限までの円滑な移行に向けて、半年ごとに移行計画の提出が義務化されました。期日までに移行計画の提出がない場合は6か月間の基本報酬が10%減算されます。

(4)在宅の機能と連携の強化
 訪問介護の通院等乗降介助は、居宅が始点または終点となる場合の目的地間の移送についても算定可能とされました。訪問入浴介護は、新規利用者への初回加算が新設されました。清拭・部分浴を実施した場合の減算幅を30%から10%に軽減されました。訪問看護では、主治の医師が必要と認める場合に退院・退所当日の算定を可能とされました。「看護体制強化加算」の要件(特別管理加算の算定割合 30%→20%)や報酬単位も見直され、職員に占める看護職員の割合を60%とする要件が追加されています。認知症GH、短期療養、多機能系サービスでは、緊急時短期利用の受入日数(家族の疾病などの理由で7日→14日)や人数の要件(1事業所1名→1ユニット1名)等を見直されています。個室ユニット型施設の1ユニットの定員を、実態を勘案した職員配置に努めることを求めつつ、「原則として概ね10人以下とし15人を超えないもの」とされました。

(5)ケアマネジメントの質の向上
 「特定事業所加算」では、事業所間連携により体制確保や対応等を行う事業所を新たに評価する「区分A」が新設されました。逓減制においては、ICT活用または事務職員の配置を行っている場合の逓減制の適用を40件以上から45件以上としました。利用者が医療機関で診察を受ける際に同席して、医師等と情報連携を行い、その情報を踏まえてケアマネジメントを行うことを評価する「通院時情報連携加算」を新設しました。介護予防支援では、地域包括支援センターが委託する個々のケアプランについて、居宅介護支援事業者との情報連携等を新たに評価する「委託連携加算」が新設されました。認知症GHについて、ユニット数を弾力化(3以下)、サテライト型事業所が創設されました。

11.自立支援・重度化防止の推進 ──

(1)リハビリ・機能訓練等の強化
リハビリテーション・機能訓練、口腔、栄養に関する連携・強化が図られました。これに関係する加算等の算定要件である計画作成や会議について、リハ専門職、管理栄養士、歯科衛生士が必要に応じて参加することが明確化されました。
 また、訪問リハ・通所リハの「リハビリテーションマネジメント加算(Ⅰ)」は廃止となり基本報酬の算定要件とされました。週6回(2時間)を限度とする訪問リハでは、退院・退所直後のリハの充実を図るため、退院・退所日から3月以内は週12回(4時間)まで算定可能となります。
 通所介護や特養等が外部のリハ専門職等と連携して算定する「生活機能向上連携加算」では、ICTを活用して外部のリハ専門職等が事業所に来ないで利用者の状態を把握・助言する場合の評価区分が新たに設けられています。
 通所介護の「個別機能訓練加算」は「加算区分1」が廃止され「同Ⅱ」に統合されています。
 通所介護、通リハの「入浴介助加算」では、利用者の自宅での入浴の自立を図るために個別の入浴計画に基づく入浴介助の区分が新たに新設されました。
 施設系サービスでは、「口腔衛生管理体制加算」を廃止して基本サービスとし、口腔衛生の管理体制を整備して、状態に応じた口腔衛生の管理の実施が求められました。3年の経過措置期間があります。また、「栄養マネジメント加算」を廃止し、栄養士に加えて管理栄養士の配置を位置づけ、基本サービスとして状態に応じた栄養管理の計画的な実施が求められ、実施のない場合は減算となります。これも3年の経過措置期間があります。加えて、入所者全員への丁寧な栄養ケアの実施や体制強化等を評価する「栄養マネジメント強化加算」を新設し、「低栄養リスク改善加算」は廃止されました。
 通所系サービス等では「栄養スクリーニング加算」を見直し、介護職員等による口腔スクリーニングの実施を新たに評価する「口腔・栄養スクリーニング加算」としました。管理栄養士と介護職員等の連携による栄養アセスメントの取り組みを評価する「栄養アセスメント加算」が新設されました。「栄養改善加算」では、管理栄養士が必要に応じて利用者の居宅を訪問する取り組みを求めました。認知症GHでは、管理栄養士が介護職員等へ助言・指導を行い栄養改善のための体制づくりを進める「栄養管理体制加算」を新設します。

(2)寝たきり防止等の推進
 全利用者への医学的評価に基づく日々の過ごし方等へのアセスメントの実施、日々の生活全般における計画に基づくケアの実施を新たに評価する「自立支援促進加算」を新設しました。施設系サービスでは、「褥瘡マネジメント加算」「排せつ支援加算」について状態改善等(アウトカム)を新たに評価する区分が新設されています。

12.介護人材の確保・介護現場の革新 ──

(1)介護職員の処遇改善の推進
 「処遇改善加算」「特定処遇改善加算」の職場環境等の要件では、改善項目と実施要件が変わりました。「特定処遇改善加算」の平均の賃金改善額の配分ルールでは、「経験・技能のある介護職員」が「その他の介護職員」の「2倍以上とすること」となっていましたが、「より高くすること」に変更します。
 「サービス提供体制強化加算」では、勤続年数10年以上の介護福祉士の割合が高い事業者等を評価する新たな最上位区分を設けます。
 訪問介護、訪問入浴介護、夜間対応型訪問介護の「特定事業所加算」「サービス提供体制強化加算」では、勤続年数7年以上の職員の割合を要件とする新区分ができました。仕事と育児や介護との両立、職員の離職防止・定着促進を図るために各サービスの人員配置基準や報酬算定において、育児・介護休業取得の際の非常勤職員による代替職員の確保や週30時間勤務等を行う場合も「常勤」として取リ扱うことができます。

(2)業務効率化の推進等
 「夜勤職員配置加算」について、見守り機器の導入割合が緩和(15%→10%)されます。入所者に見守り機器100%の導入やすべての夜勤職員へのインカム等のICTの使用、安全体制の確保や職員の負担軽減等を要件に基準を緩和(0.9人→0.6人)した新区分を設けました。また、安全体制の確保や職員の負担軽減等を要件として、特養(従来型)の夜間の人員配置基準を緩和します。職員体制等を要件とする加算(「日常生活継続支援加算」「サービス提供体制強化加算」等)でも、テクノロジー活用を考慮した要件が導入されました。運営基準や加算の要件等における各種会議等の実施についてテレビ電話等を活用しての実施を認めています。
 薬剤師の居宅療養管理指導についても、情報通信機器を用いた服薬指導を新たに評価する区分を新設しました。
 夜間対応型訪問介護では、オペレーターの併設施設の職員や随時訪問の訪問介護員等との兼務、複数の事業所間での通報の受付の集約化、他の訪問介護事業所等への一部業務委託を可能としました。
 認知症GHの夜勤職員体制では、人材の有効活用を図るため、3ユニットの場合に一定の要件で例外的に夜勤2人以上の配置を選択することを可能とし、この場合は基本報酬から50単位減額します。
 特養等の人員配置基準では、入所者の処遇や職員の負担に配慮しながら、従来型とユニット型併設の場合の介護・看護職員の兼務、小多機と併設する場合の管理者・介護職員の兼務等の見直しが行われました。

13.制度の安定性・持続可能性の確保 ──

 通所系、多機能系サービスの同一建物減算適用時等の区分支給限度基準額の計算では、減算適用前の報酬単位で行うことになります。
 通所系では、大規模型報酬を算定する場合、区分支給限度基準額の計算は通常規模の報酬に置き換えて計算することとなります。
 訪問看護・介護予防訪問看護では、PT・OT・STによるサービス提供に係る報酬を4単位減額し、1日3回以上の提供場合に50%減額などの見直しがなされました。
 介護予防サービス(予防訪問看護、予防訪問リハ、予防通所リハ)のリハビリについて、1年超の長期利用の場合の減算を行います。居宅療養管理指導について、サービス提供の状況や移動・滞在時間等の効率性を勘案して、単一建物居住者の人数に応じた評価の見直しを行います。
 介護療養型医療施設では、令和5年度末の廃止期限までに介護医療院への移行等を進める観点から基本報酬が減額されています。「介護職員処遇改善加算(IV)(V)」は、1年の経過措置期間を設け廃止します。
 生活援助の訪問回数が多い利用者のケアプランについて、事務負担にも配慮して検証の仕方や届出頻度を提出の1年後とする見直しを行います。区分支給限度基準額の利用割合が高く訪問介護が大部分を占める等のケアプランを作成する居宅介護支援事業者を対象とした点検・検証の仕組みを10月から導入します。
 サービス付き高齢者向け住宅等における適正なサービス提供を確保する観点から、事業所指定の際の条件付け(利用者の一定割合以上を併設集合住宅以外の利用者とする等)や家賃・ケアプランの確認などを通じて、自治体によるさらなる指導の徹底を図ります。

14.その他の事項 ──

 施設系サービスには、安全対策担当者を定めることを義務づけ、事故発生の防止等のための措置が講じられていない場合に6月の経過措置期間を設けた上で基本報酬を減算します。同時に、安全対策体制の整備を新たに評価する「安全対策体制加算」を新設します。全事業者を対象に、利用者の人権の擁護、虐待の防止等の観点から、虐待の発生・再発を防止するための委員会の開催、指針の整備、研修の実施、担当者を定めることを義務づけます。これには3年の経過措置期間があります。介護老人保健施設における食費の基準費用額について、令和2年度介護事業経営実態調査結果から算出した額との差の状況を踏まえ、利用者負担への影響も勘案し8月より「1,445円(+53円)」となります。

(「TKC医業経営情報」2021年5月号より)

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