2014.11.18
関税法違反被告事件
LEX/DB25446753/最高裁判所第二小法廷 平成26年11月7日 判決 (上告審)/平成25年(あ)第1333号
被告人は、A、B、C、D、E及び氏名不詳者と共謀の上、税関長の許可を受けないで、うなぎの稚魚を中華人民共和国に不正に輸出しようと考え、空港での搭乗手続を行うに当たり、税関長に何ら申告しないまま、税関長の許可を受けないでうなぎの稚魚を輸出しようとした関税法違反事件で、被告人が第一審判決に対し量刑不当を理由に控訴したが、原判決は、「検査済みシールを本件スーツケース6個に貼付するなどした」までの事実をもって、無許可輸出の未遂罪が成立するとはいえず、単に無許可輸出の予備罪にとどまるとして第一審判決を破棄し、罰金50万円に処したため、双方が上告した事案において、関税法111条3項、1項1号の無許可輸出罪の実行の着手があったものと解するのが相当であるとし、無許可輸出の予備罪にとどまるとして第一審判決を破棄した原判決には、法令の解釈適用を誤った違法があるとし、原判決を破棄し、本件控訴を棄却した事例(補足意見あり)。
2014.11.18
住居侵入、逮捕監禁、殺人、現住建造物等放火、有印私文書偽造・同行使、ストーカー行為等の規制等に関する法律違反被告事件
LEX/DB25504859/東京高等裁判所 平成26年10月1日 判決 (控訴審)/平成25年(う)第1381号
住居侵入、逮捕監禁、殺人、現住建造物等放火等被告事件の控訴審について、被告人は、交際相手を連れ戻したいという自己の願望を実現するために、重大な犯行を繰り返すことを厭わなかったばかりか、山形事件が当初失火として処理されたことに着目し、完全犯罪を目論んで東京事件に及んだものであって、この点は、東京事件の犯行の悪質さを増大させており、山形事件における殺人の面についても、高い計画性と強い殺意があったとまでは認められないことを考慮しても、山形事件及び東京事件は、人を殺害するという重大犯罪の中で、犯情の極めて悪い部類に属し、被告人に対し死刑をもって臨むことは誠にやむを得ないとし、控訴を棄却した事例。
2014.11.04
強盗殺人、死体遺棄被告事件(長野県一家3人強盗殺人事件)
LEX/DB25504750/最高裁判所第三小法廷 平成26年9月2日 判決 (上告審)/平成24年(あ)第646号
被告人が、共犯者らと共謀の上、高利貸し業を営む資産家一家を殺害し現金を強取した上、3名の遺体を遺棄したとして、第一審で死刑を言い渡された、強盗殺人、死体遺棄被告事件の上告審において、本件の事情の下では、被告人の刑事責任は極めて重大であるといわざるを得ず、被告人が反省の態度を示し、被告人の両親が遺族に対して慰謝の措置を講じていることなど、被告人のために酌むべき事情を十分に考慮しても、原判決が維持した第1審判決の死刑の科刑は、やむを得ないものであると示し、弁護人等の上告趣意のうち、裁判員の参加する刑事裁判に関する法律による裁判員制度に関する憲法違反及び死刑制度に関する憲法違反の主張をいずれも斥けて、本件上告を棄却した事例。
2014.11.04
強姦致傷、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(昭和37年東京都条例第103号)違反、強姦、強盗強姦、強制わいせつ、強姦未遂、強制わいせつ未遂被告事件
LEX/DB25504747/最高裁判所第一小法廷 平成26年8月21日 決定 (上告審)/平成26年(あ)第453号
被告人に対する強姦致傷、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為の防止に関する条例違反、強姦、強盗強姦、強制わいせつ、強姦未遂、強制わいせつ未遂被告事件の事案の上告審において、強盗強姦罪は、強盗犯人が、強盗の機会に強姦を行うことによって成立する犯罪であり、強盗及び強姦の目的で女子に暴行、脅迫を加えた者は、強盗の実行に着手したことに他ならず、その者が先に女子を強姦し、その後に財物を奪おうとする行為に及んだとしても、強盗強姦罪が成立するとして控訴を棄却した原審の判断を支持し、弁護人の上告趣意は、単なる法令違反、事実誤認、量刑不当の主張であって、刑事訴訟法405条の上告理由に当たらないとして、本件上告を棄却した事例。
2014.11.04
殺人、死体遺棄、有印私文書偽造、同行使、詐欺被告事件(大分レンタル収納庫遺体放置事件)
LEX/DB25504748/最高裁判所第二小法廷 平成26年8月20日 決定 (上告審)/平成26年(あ)第649号
被告人に対する殺人、死体遺棄、有印私文書偽造、同行使、詐欺被告事件の事案の上告審において、被告人は、詐取した現金を、遺体を隠すなどの証拠隠蔽工作や借金返済のための費用のほか、生活費、遊興費として遣っているのであるから、実の兄である被害者の死亡に乗じて金銭を得た上、犯行の発覚を免れつつ、自己の欲求充足のために行動していたものと認められ、犯行後の行動に真摯な反省、悔悟の念を窺わせるものは乏しいといわざるを得ない等として被告人を懲役19年に処した原々審及びこれを支持して控訴を棄却した原審の判断を維持し、弁護人の上告趣意は、量刑不当の主張であって、刑事訴訟法405条の上告理由に当たらないとして、本件上告を棄却した事例。
2014.10.21
青少年愛護条例(兵庫県昭和38年条例第17号)違反被告事件
LEX/DB25504703/大阪高等裁判所 平成26年8月28日 判決 (控訴審)/平成25年(う)第456号
柔道クラブのコーチをしていた被告人が、柔道の教え子であり、自宅に下宿させていた当時14歳のAに対し、わいせつな行為をしたという兵庫県青少年愛護条例違反被告事件の事案の控訴審において、Aが被告人をコーチとして信頼していることや、ある程度の性的な知識はあるものの、これについての善悪の判断が十分でないことに乗じて犯行に及んでいること、Aが本件被害を認知した後に感じた精神的苦痛は大きく、Aの健全な成長に対する悪影響が懸念されること、Aに対する慰謝の措置が何ら講じられていない上、犯行を否認しており、反省の態度が見られないことに照らすと、被告人の刑責を軽視することはできないとして、原判決を破棄し、被告人を懲役1年に処し、執行猶予3年を言い渡した事例。
2014.10.14
威力業務妨害被告事件(人気漫画家 脅迫事件)
LEX/DB25504697/東京地方裁判所 平成26年8月21日 判決 (第一審)/平成25年(刑わ)第3005号等
被告人が、人気漫画の作者に対し強いねたみの感情を抱き、大学構内に硫化水素を発生させた容器を置いたり、漫画に関連するイベント等の中止等を要求する文書を送付したりするなどの威力を用いて、大学や各イベント等を主催する企業等の業務を妨害するなどした、大規模かつ連続的な威力業務妨害8件の事案において、本件各犯行は、いずれも極めて悪質な態様によるものであって、それにより各被害者らの業務が妨げられた程度は著しく、個別に見ても相当に重大悪質な威力業務妨害事犯であるが、被告人は、そのような犯行を理不尽極まりない動機から多数繰り返し行ったものであるから、本件一連の犯行は、この種事犯として他に類例を見ないほど重大で悪質なものといわざるを得ないのであり、被告人の刑事責任は極めて重いとし、懲役4年6月を言い渡した事例。
2014.10.14
公職選挙法違反被告事件(徳洲会グループを巡る訴訟)
LEX/DB25504696/東京地方裁判所 平成26年8月12日 判決 (第一審)/平成25年(特わ)第1703号等
衆議院議員総選挙に際し、Aの組織的選挙運動管理者である被告人が、Bらと共謀の上、Aに当選を得させる目的をもって、いまだ立候補の届出及び衆議院名簿登載者としての届出前に、Cらに対し、Aへの投票を依頼するなどの選挙運動をすることの報酬として、現金を供与するなどした事案において、Bの地位・存在が圧倒的に強大なものであったことにかんがみれば、Bが明示的に被告人を選挙運動の責任者として指名したことは、被告人の地域主宰者性を認定する最も重要な事実ということができ、被告人は、選挙運動を推進するにつき、中心的存在としてこれを掌握指揮した者であり、選挙運動の地域主宰者であったというべきであるとし、懲役3年、執行猶予5年を言い渡した事例。
2014.10.14
重過失致死、狂犬病予防法違反、道路運送車両法違反、自動車損害賠償保障法違反被告事件
(土佐犬が襲撃 散歩中の女性が死亡)
LEX/DB25504650/札幌地方裁判所苫小牧支部 平成26年7月31日 判決 (第一審)
/平成26年(わ)第38号等
被告人が、飼育していた闘犬用大型犬を散歩、運動させるにあたり、重大な過失によりあえてその綱を手放して犬を逸走させ、付近を散歩中であった被害者に犬を噛みつかせて転倒させ溺死させた重過失致死の事案と、所有し飼育していた2頭の犬について市町村長への登録申請もせず狂犬病の予防接種も受けさせなかった狂犬病予防法違反の事案、そして、無車検、無保険の自動車を運行した道路運送車両法違反及び自動車損害賠償保障法違反の事案において、各犯行についての被告人の刑事責任は重く、被告人は厳しい処罰を免れないとして、被告人に対し、懲役2年6月及び罰金20万円を言い渡した事例。
2014.10.07
所得税法違反、消費税法違反、地方税法違反被告事件(フィリピンパブ経営者脱税事件)
LEX/DB25504640/名古屋地方裁判所 平成26年5月8日 判決 (第一審)/平成26年(わ)第319号
いわゆるフィリピンパブ等の店舗を個人で多数経営していた被告人が、11店舗の200名前後の従業員の給与について源泉徴収税の徴収、納付をせず、合計約2億1606万円を脱税し、9店舗について、従業員等の他人名義を用いるなどして経営実態や課税標準等を秘匿した上で、消費税及び地方消費税の申告をせず、合計3040万円を不正な行為によって脱税したという所得税法違反、消費税法違反、地方税法違反被告事件の事案において、被告人の犯行動機は身勝手で酌量の余地がなく、消費税及び地方消費税の脱税については、自己の課税を免れるために従業員らの他人名義を利用するなど、計画的犯行で悪質といえ、被告人の刑事責任は重い等として、被告人を懲役3年及び罰金6000万円に処し、執行猶予5年とした事例。
2014.09.30
詐欺(変更後の訴因 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反)、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反被告事件
LEX/DB25504569/福島地方裁判所 平成26年7月28日 判決 (第一審)/平成25年(わ)第122号等
被告人が、共犯者と共謀の上、Aらに対し、株式上場の予定がなく、株価上昇の見通しのもないのに、これらがあるように装い、その旨信じさせ、B社名義の郵便貯金口座に振込送金させるなどの方法により、株式の売買代金として現金を交付させ、もって団体の活動として、詐欺の罪に当たる行為を実行するための組織により、人を欺いて財物を交付させた事案において、本件は、周到に準備された組織性の高い職業的な犯行であり、その手口も投資家心理を巧みに突いた非常に巧妙で習熟されたものであり、それら一連の犯行による被害は多額に上っており、被害者らの被害感情が厳しいのも当然というべきであり、本件の結果は誠に重大であるとし、懲役10年を言い渡した事例。
2014.09.30
身の代金拐取、拐取者身の代金要求、窃盗、監禁被告事件(田園調布女子中学生身代金誘拐事件)
LEX/DB25504538/東京地方裁判所 平成26年7月17日 判決 (第一審)/平成25年(合わ)第236号等
被告人が、共犯者2名と共謀の上、被害者の安否を憂慮する近親者からその憂慮に乗じて現金を交付させる目的で被害者を略取した上、被告人単独で被害者の母に対し身代金を要求し、前記共犯者2名と共謀のうえ、被害者を不法に監禁したとして起訴された事案において、犯行を詳細に計画し、共犯者2名を手足として用い、自らは車両の運転や身の代金要求を行って犯行を実現している点で、被告人は本件の主謀者的立場にあったと評価でき、その刑事責任は重いとし、被告人に懲役9年を言い渡した事例(裁判員裁判)。
2014.09.22
住居侵入、殺人、銃砲刀剣類所持等取締法違反被告事件(ストーカー殺人事件)
LEX/DB25504614/東京地方裁判所立川支部 平成26年8月 1日 判決 (第一審)/平成25年(わ)第1196号
被告人は、元交際相手である被害者(当時18歳)を殺害する目的で、平成25年10月8日午前8時55分頃から同日午前10時40分頃までの間に、東京都三鷹市の被害者の父方に無施錠の2階南東側掃き出し窓から侵入し、同日午後4時54分頃、ブロック塀等で囲繞された同人方敷地内及び同人方前路上において、被害者に対し、殺意をもって、その右頸部及び腹部等を持っていたペティナイフ(刃体の長さ約12.7センチメートル)で多数回突き刺すなどし、よって、同人を右側頸部刺突に基づく右総頸動脈損傷による失血により死亡させ、また、業務その他正当な理由による場合でないのに、同日午後4時54分頃、前記被害者の父方敷地内及び同人方前路上において、前記ペティナイフ1丁を携帯したものであるとして、被告人を懲役22年に処した事例(裁判員裁判)。
2014.09.22
覚せい剤取締法違反被告事件
LEX/DB25504573/福岡地方裁判所小倉支部 平成26年7月18日 判決 (第一審)/平成25年(わ)第838号
被告人が、法定の除外事由がないのに、覚せい剤であるフェニルメチルアミノプロパン又はその塩類若干量を自己の身体に摂取し、覚せい剤を使用した事案において、被告人はその意思に基づかずに覚せい剤を注射されたのではないかと具体的にうかがわせる事情があることなどから、被告人が自らの意思に基づき覚せい剤を使用したという点に合理的疑いが残るというべきであるとして、無罪を言い渡した事例。
2014.09.16
オウム真理教 教団元幹部裁判
LEX/DB25504571/東京地方裁判所 平成26年6月30日 判決 (第一審)/平成24年(合わ)第163号
オウム真理教による平成7年の東京都庁郵便物爆発事件に関与したとして、教団元幹部の被告人が、殺人未遂と爆発物取締罰則違反の幇助罪に問われた事案において、遅くとも3回目の薬品の運搬をした平成7年4月23日以降、被告人が、(1)BらがAの逮捕を阻止し、教団を守るため、運搬に係る薬品を用いて何らかの化合物を合成し、(2)それを用いて事件を起こすものであり、(3)その際には人の殺傷を伴うことがあり得ることをいずれも認識したと認めることができるが、被告人が、Bらが運搬に係る薬品を用いて爆発物を製造し、事件を起こす際にこれを使用する意図であることを認識したと認めるには疑いが残るとし、被告人については、爆発物製造及び爆発物使用の罪については幇助の意思が認められないから、その幇助罪は成立せず、殺人未遂罪については、幇助の意思が認められ、同罪の幇助罪が成立するとして、被告人を懲役5年に処した事例。
2014.09.16
公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反被告事件(三鷹市路線バス痴漢冤罪事件)
LEX/DB25504420/東京高等裁判所 平成26年7月15日 判決 (第一審)/平成25年(う)第1069号
被告人が、バス内において、当時17歳のAに対して痴漢行為に及んだという公訴事実につき、原判決が被告人を有罪としたことから、車載カメラの映像からすれば、両手が塞がっている被告人がAの供述するような痴漢行為に及ぶことは物理的に不可能であり、原判決の認定判断は論理則及び経験則に違反しているとして、控訴した事案において、被害者とされるAの供述の信用性を全面的に肯定して被告人を有罪とした原判決の認定判断は、論理則、経験則等に照らして不合理であって、是認できないとして、原判決を破棄し、被告人を無罪とした事例。
2014.09.16
強盗殺人、銃砲刀剣類所持等取締法違反、窃盗未遂被告事件(吉祥寺通り魔控訴事件)
LEX/DB25504424/東京高等裁判所 平成26年7月10日 判決 (控訴審)/平成26年(う)第543号
当時18歳6か月であった被告人が、Aと共謀の上、強盗殺人に及んだという公訴事実につき、原判決が被告人を無期懲役に処したため、被告人が控訴した事案において、被告人とAとの一連の言動とそれを踏まえた刺突行為の態様に照らせば、少なくとも、Aが「俺が先に刺すからお前も刺せよ」と言って被害者に近づいていった時点には、被告人とAとの間において、ペティナイフで被害者の身体を刺突することによって被害者に致命傷を与える可能性があることを認識するとともに、そうなってもかまわないという意思を共有して、その旨の共謀が成立したと認められ、他方、本件について、少年院送致などの保護処分を選択することは考え難く、無期懲役刑を減じて有期懲役刑を科するのが相当といえるほどの事情もないとして、控訴を棄却した事例。
2014.09.16
業務上横領、有印私文書偽造、同行使被告事件
LEX/DB25504425/名古屋高等裁判所 平成26年7月23日 判決 (控訴審)/平成26年(う)第50号
A社の参与として、同社の預金の管理及び小切手の振出等の業務を統括していた被告人が、原審分離前の相被告人B(A社の常務取締役)と共謀の上、A社の当座預金を業務上預かり保管中、A社においてC社に対する金融支援を行わない旨の方針が確認され、重要な財産の処分に当たる場合には取締役会の決議を経る必要があったにもかかわらず、C社に対する従前の不正な手形保証の事実を隠蔽するために、上記方針に反し、かつ、重要な財産処分に当たる融資に関する正規の手順、方式を履践しないまま、被告人において、A社の取締役社長名義で振り出した手形を銀行に呈示し、その額面金額をC社の口座に入金させて融資したほか、かかる不正融資を隠蔽するため、有印私文書を偽造し、これを行使したという公訴事実につき、原判決が被告人を有罪としたことから、控訴した事案において、原判決の認定については、上記融資が権限なくされたと認めた点を含め、論理則、経験則等に照らして不合理で、是認し難い誤りがあるとは認められないとして、控訴を棄却した事例。
2014.09.16
強盗致傷被告事件
LEX/DB25504428/津地方裁判所 平成26年7月18日 判決 (第一審)/平成26年(わ)第26号
さい銭箱から現金を盗もうとした原告が、見回り中の被害者α(当時66歳)から声をかけられて逃走する際、逮捕を免れるため、αに暴行を加えて全治約3か月間を要する傷害を負わせた事案において、金品窃取に至らずに逮捕を免れるために傷害を負わせた事案全体の中で悪質な部類に属するとし、被害者の処罰感情が激しいのも当然であるなどとして、被告人を懲役5年の実刑に処した事例(裁判員裁判)。
2014.09.09
傷害被告事件
LEX/DB25504506/大津地方裁判所 平成26年7月24日 判決 (第一審)/平成25年(わ)第449号
英会話学校講師の被告人が、英会話学校内及び同校西側路上において、被害者(当時52歳)に対し、その頭部、顔面、頚部等を所携のカッターナイフ(刃体の長さ約2センチメートル)で多数回切り付ける暴行を加えて、被害者に20日間を要する後頭部、顔面、頚部等多発切創の傷害を負わせた事案において、被告人の行為は、被害者が教室に入っていきなり被告人の顔面を多数回殴り始めた点や、授業中に被害者の侵害を待ち受けていたわけではなかったこと、それ以前に、被害者からの攻撃がある可能性について警察に助けを何度も求めていたことを照らせば、護身用も兼ねてカッターナイフをポケット内に入れていたということを考慮しても、被害者を校内でカッターを切りつけた際には、被害者による急迫不正の侵害があったと認めることができ、被告人の被害者に対する反撃行為については正当防衛が成立し、また、校外に逃げた違法行為をした被害者を、被告人が現行犯人として逮捕して警察に引き渡そうとしたためと評価することができ、正当行為として違法性が阻却されるとし、被告人は傷害罪(ないし暴行罪)の責任を負わないとするのが相当であるとして、無罪を言い渡した事例。