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令和8年6月、結城信用金庫の本店にて、結城信用金庫の石塚清博理事長とTKC関東信越会茨城支部の増山英和会長をはじめとする役員陣による「トップ対談」が6年半ぶりに実現しました。
人口減少や社会環境の変化が進む中、地域金融機関と会計事務所がどのように連携し、地域企業の成長や経営改善を支えていくべきか。
現場での対話を重視した企業実態の把握や、企業・金融機関・会計事務所の3者による支援のあり方について、熱い議論が交わされました。

1.金融・会計の「前提条件」を揃え、信頼できる財務データを構築する
地域の事業者を支援する上で、金融機関と会計事務所の間で「用語の定義や数値の前提」を正しく揃えることは、円滑な対話の出発点となります。
石塚理事長は、用語の共通理解を深める取り組みの重要性について、次のように語りました。
「企業支援等において、例えば『人件費』という言葉一つを取っても、人によって頭の中に思い浮かべる内容が違います。金融や会計の分野では、用語の定義や前提条件をきちんと整理することが重要と考えます」
(結城信用金庫 理事長・石塚清博氏)
中小企業の会計に関する信頼性の高い基準(中小会計要領)に基づく正確な決算書の作成は、金融機関にとっても企業の実態を適切に把握するための重要な土台となります。
また、会計事務所側でも以下のような取り組みを通じて、経営者の財務管理能力の向上を後押ししています。
- 毎月の現場訪問と適時なモニタリング(月次巡回監査):タイムリーな財務状況の把握
- 自社での業績管理の定着(自計化支援):経営者自身がタイムリーに数字を把握できる体制づくり
- 経営計画の策定支援:自社の数字を理解し、自らの言葉で金融機関へ説明できる経営者の育成
2.定量情報と定性情報のバランス――「距離の近さ」と「現場主義」で変化の兆候を捉える
融資判断や事業性評価においては、決算書の数字(定量情報)だけでなく、経営者の人柄や事業の強み、現場の状況(定性情報)をバランスよく把握することが求められます。
デジタル化やAIの活用が進む時代だからこそ、地域密着の金融機関ならではの強みが発揮されます。
「当庫では企業評価の際は、定量情報と定性情報のバランスが大切だと考えています。決算書の数字はもちろん重要ですが、それだけでは企業の実態は分かりません。AIやITは大切ですが、それだけでは強みにはなりません。当庫の強みは、お客さまとの距離の近さにあります。日常的に接し、ちょっとした変化に気付けること。それが私たちの役割だと考えています」
(結城信用金庫 理事長・石塚清博氏)
これに対し、TKC側の赤岩茂顧問は、データ化が進む現代において「事実と記録の一致」を現場で確認する重要性を指摘しました。
「これからは『事実と記録の照合』の時代だと思っています。クラウド化が進み、帳簿や請求書は事務所でも確認できます。しかし実際に工場へ行くと、新しい設備が入っていることがあります。現地へ行き、現物を見て、人に会う。『現地・現物・現人』は、これからますます重要になると思っています。実際に経営者と会って話を聞き、現場を見ることで初めて理解できることがあります」
(TKC関東信越会茨城支部 顧問・赤岩茂氏)
3.企業・金融機関・会計事務所による「3者での決算報告会」の推進
地域企業の経営改善や持続的成長を後押しするため、具体的な連携施策として「企業・金融機関・会計事務所の3者による決算報告会」の開催が提案されました。
決算報告会では、経営者自身が金融機関の前で自社の決算内容や今後の事業方針を直接説明します。
金融機関からの質問に答えるプロセスを通じて、経営者自身の自社理解が深まり、新たな気付きが得られるという成果が報告されています。
石塚理事長も、この取り組みに対して大きな期待を寄せました。
「企業を見る上で一番大事なのは、やはり経営者の考え方を理解することだと思っています。数字を見ることはもちろん大事ですが、その背景にある思いや考え方まで共有していただけるのは非常に有意義ですね」
(結城信用金庫 理事長・石塚清博氏)
今後、結城信用金庫とTKC関東信越会茨城支部では、以下の3つの施策を軸に連携をさらに進化させていく計画です。
- 各ブロック会(地域ごとの情報交換会)への参加
- 3者(企業・金融機関・会計事務所)による「決算報告会」の推進
- 金融機関職員向けの研修や勉強会の実施
金融機関と会計事務所が相互の強みを活かし、「顔の見える関係」を築くことで、地域企業の課題解決と発展を支える強いネットワークが形成されていきます。







































