ユーザー事例

ヒメジ理化株式会社 様

急成長フェーズでの管理体制整備と
東京プロマーケット(TPM)上場への道のり

― TKCシステムで築いた「上場基準に耐え得る経理基盤」

FAManager/eCA-DRIVER/FX4クラウド導入事例

ヒメジ理化株式会社様

急成長に伴う管理体制の整備とTPM上場を実現したヒメジ理化株式会社。同社は、eCA-DRIVER、FX4クラウド、FAManagerを活用し、会計から固定資産管理、連結決算、開示までをつなぐ経理基盤を構築した。

■会社概要

ヒメジ理化株式会社は、1965年創業・1968年法人化の石英ガラス加工メーカー。創業時は理化学製品の加工からスタートし、その後ランプ用ガラス、バルブ・ヒーターの一貫製造へと領域を広げてきた。1990年頃から半導体製造装置向けの石英ガラス製品事業に進出し、現在は「石英ガラス事業」と「ランプ・ヒーター事業」の2セグメント体制を敷く。
転機は2014年。福島県の同業者から会津工場を譲り受けたことを皮切りに、半導体向け製品製造に大きく舵を切った。2015年には大手半導体製造装置メーカーの純正部品サプライヤーとして認定を取得し、市場が一気に広がった。2016年以降は「キャパシティ拡大」を明確な方針として打ち出し、2017年以降のM&Aや新工場建設を通じて生産能力を大幅に拡大。現在では、石英ガラス製品の一部分野において国内トップクラスの生産キャパシティを有するまでに成長した。今後は北米市場を中心とした海外展開も視野に入れている。

東京プロマーケット(TPM)上場を検討されたきっかけを教えてください。

大槻 2022年10月に当社社長の赤錆が東京プロマーケット(以下、TPM)に関するセミナーへ参加したことがきっかけです。山陰合同銀行様から「御社に合う市場ではないか」と紹介を受けての参加でしたが、内容を聞いた赤錆からすぐに「やろう」と連絡が来たのを今でも覚えています。その後、役員で相談し、本格的な検討を開始しました。当社の場合、資金調達が主目的ではありませんでした。金融機関からの支援は十分に受けられる状況でしたので、むしろ急成長する会社にふさわしい管理体制を構築するための明確な目標が欲しかったのです。
TPMは経営権を維持しながら上場できることに加え、将来的な本則市場へのステップアップも見据えられる点に魅力を感じました。

上場準備を開始する前はどのような課題を抱えていましたか。

専務取締役 管理本部長 大槻真氏

専務取締役 管理本部長
大槻真氏

大槻 2016年以降の急成長により、売上規模は数年で2~3倍に拡大。一方で経理・人事を含む管理部門は5名程度の少数精鋭部隊で、会社の成長スピードに管理部門の体制整備が追いついていない状況でした。
管理体制の整備を進める大義名分として、上場準備プロジェクトは機能したと思います。
上場準備にあたり組織面、法務・労務面、内部統制面など社内管理体制を構築するには、社外のパートナーからの協力体制を得ることが不可欠でした。そのような背景から、山陰合同銀行の常松様にアドバイザーとしてプロジェクトに参画いただきました。
また、中西会計事務所様からはTKCシステムのシステム・コンサルタントとしての支援に加え、上場に向けた会計・税務面についても、サポートしていただきました。

顧問税理士として、当時の経理体制をどう見ていましたか。

中西会計事務所 税理士 坂田和規氏

中西会計事務所
税理士 坂田和規氏

坂田 現場の担当者は非常に優秀で、少ない人数ながらも業務を回されていると感じていました。一方で、Excelを中心とした運用が多く、業務が属人化している面もありました。我々会計事務所の立場からも、業務の流れや根拠資料が見えにくい部分がありましたので、上場準備は属人化を解消し、組織的な管理体制へ移行する良い機会になったと思います。

上場に向けた会計・税務面ではどのような論点がありましたか。

中西会計事務所 中西勝哉氏

中西会計事務所 中西勝哉氏

中西 上場に向けて、金融商品の時価評価や固定資産に関する会計処理など、これまで経験の少なかった論点への対応が必要になりました。ヒメジ理化様でも、福島の工場への投資に伴う補助金関連の圧縮記帳・圧縮積立金など、会計と税務の両面から整理が求められるテーマがありました。また、私が他の上場企業で経験した過年度遡及会計のような特殊な論点についても、必要に応じて知見を提供しました。

上場に向けたTKC連結グループソリューションの活用について教えてください。

連結決算体制を構築するなかで、グループ各社の会計データをどのように収集・管理するか、固定資産情報をどのように連結決算に反映するかといった実務面の整備も課題となった。この課題への対応として、会計、固定資産管理、連結決算をTKC連結グループソリューションでつなぐことで、グループ全体の会計データを同一ルールで管理し、正確かつ継続的に運用できる上場対応基盤を構築した。
この基盤構築を支えたTKC各システム(eCA-DRIVER、FX4クラウド、FAManager)について、導入の背景と効果を伺った。

連結会計システム(eCA-DRIVER)導入背景と効果

Excel依存を回避し、継続可能な連結決算体制へ
経理部部長 中村達也氏

経理部部長 中村達也氏

中村 上場の過程で連結決算体制を初めて構築することになったのですが、初めてのことだったため、当初は連結会計システムを導入すべきか判断がつきませんでした。しかし、グループ会社が増え、上場準備も進むなかで、継続的な運用を見据えるとExcel運用はリスクが高いと判断しました。坂田先生からも「将来を見据えるなら最初からシステム化した方が良い」とのアドバイスをいただき、eCA-DRIVERを導入しました。
月次の連結決算業務をExcelで運用している経験から、年次の連結決算業務をExcelで対応する大変さは容易に想像できます。そういった意味で、システムなしでは到底業務が回らないと実感しています(笑)。

未実現損益消去対象の固定資産も多く、固定資産台帳をシステム上で一元管理できる点も助かっています。開示面でも、宝印刷社のWizlabo(※)とシステム連携ができており、業務効率化が図れています。

連結会計システムを導入したことで担当者への引き継ぎも、手順通りに操作すれば対応できるようになりました。分からない点はTKCに確認できるので、サポート面も安心です(笑)。

(※)TPM上場に不可欠な開示資料の「正確性」と「効率性」を確保するため、決算開示システムも導入(宝印刷社:Wizlabo Plus)。eCA-DRIVERとの連携機能や数値リンク機能を活用することで、人的ミスを最小化した開示体制の構築が可能となる。
Wizlabo Plusは宝印刷社が提供する開示書類作成支援システムであり、連結精算表作成後の組替、集計、開示書類への数値リンク機能を有する。

クラウド会計システム(FX4クラウド)導入背景と効果

グループ各社の会計ルールと情報管理を統一

中村 従前はクライアント/サーバー型の会計システムを利用しており、特定端末でしかデータを参照できないことが、管理体制強化のうえで大きなボトルネックとなっていました。FX4クラウドへの切替により、誰もが必要な情報にアクセスできる体制が実現しました。マネジメントレポート設計ツールを活用することで、Excel上で会計期間をまたいだデータ集計や出力が効率化され、金融機関対応や経営分析に必要な資料も迅速に作成できるようになりました。

また、連結決算体制の構築を進めるなかで、グループ各社が同じルールで会計データを管理することの重要性を実感しました。連結決算体制の構築当初は、内部取引や債権債務に関するルールが整備されておらず、残高が一致しないなどの苦労もありましたが、FX4クラウドの管理方法を見直し、マネジメントレポート設計ツールとの連携も含めて運用を整備したことで、連結パッケージの作成が大幅に効率化されました。現在はグループ全社が同一システム・同一ルールで運用されているため、内部取引の確認やデータ収集もスムーズに行えていて、その後の連結決算業務を支える土台になっています。

固定資産管理システム(FAManager)導入背景と効果

固定資産情報を連結決算へ正確・迅速に連携
経理部課長 窪田次輝氏

経理部課長 窪田次輝氏

窪田 既存システムでは、ライセンスの制限により複数拠点での利用に制約があり、参照したい情報を探し出すのに時間がかかるなど操作性の面でも課題がありました。
FAManager導入後は、償却資産申告書の電子申告や会計システムとの仕訳連携により、固定資産管理業務の効率化を実感しています。また、上場準備を進めるなかで、固定資産情報を正確かつタイムリーに把握する重要性が高まりました。連結キャッシュ・フロー計算書の作成においても、従前は仕訳データから固定資産増減明細を収集していましたが、現在はFAManagerの増減明細をeCA-DRIVERへ直接連携できるようになり、連結決算業務の効率化につながっています。

上場準備と連結実務を支えた伴走支援

山陰合同銀行 常松悠氏

山陰合同銀行 常松悠氏

常松 山陰合同銀行からアドバイザーとして常駐し、連結決算業務に携わる中で、連結決算業務、特に連結キャッシュ・フロー計算書の作成は、私にとって初めての経験でした。会計論点自体は理解できていても、それをシステム上でどのように反映し、監査法人との協議につなげていくかという点では、実務上悩む場面が多くありました。
そのような中、TKCの導入支援担当の方には、単なる機能説明にとどまらず、連結会計や連結キャッシュ・フロー計算書の考え方についても丁寧にご支援いただきました。実務に寄り添いながら伴走いただけたことは、業務を進める上で非常に大きな支えとなりました。

坂田 連結決算業務を上場準備段階から伴走できるベンダーは多くありません。大きな上場会社でも社内で2~3人程度が担うような高度な業務領域を、TKCグループでしっかり支えていく体制を整えています。

システム連携イメージ
TKCシステムで築いた「上場基準に耐え得る経理基盤」~システム連携イメージ

TPM上場による成果や今後の展望をお聞かせください。

大槻 上場の目的であったガバナンス強化や管理精度向上については、確実に成果が出ていると感じています。以前と比べると、管理情報の精度や社内統制のレベルは格段に向上しました。
一方で、これですべてが完成したとは考えていません。あくまで第一段階であり、今後さらに改善を積み重ねていく必要があります。TPM上場への取り組みを通じて、社内統制の強化や業務管理の高度化が進みました。その基盤づくりにおいては、TKC連結グループソリューションの活用と中西会計事務所様による継続的な支援が大きな役割を果たしたと感じています。

上場準備の過程で整備したシステム基盤や業務フローは、本則市場へのステップアップを目指す際にも活用できる水準まで整備されています。
次のフェーズへ進む際にゼロから体制を作り直す必要がない状態を構築できたことは、大きな成果ではないでしょうか。

会社概要

ヒメジ理化株式会社

設立年月日
1968年5月
本社所在地
兵庫県姫路市夢前町杉之内17
従業員数
連結865名 ※2025年12月時点
売上高
144億8,690万円(連結) ※2025年12月期
URL
https://www.himejirika.co.jp/
掲載の内容、および当社製品の機能、サービス内容などは、2026年6月現在のものです。
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