ユーザー事例

PHCホールディングス株式会社 様

インボイス・マネジャー導入事例

電子証憑を簡単操作で保存
RPAと組み合わせてさらに効率アップ

グローバルヘルスケア企業として事業を展開するPHCホールディングスは、世界125ヵ国以上のお客様に製品・サービスを提供している。そんな同社が新たに導入したのが、TKCのデジタルインボイス対応システム「インボイス・マネジャー」だ。経理部の皆さまに、今回の導入について感想を聞いた。

PHCグループの事業概要を教えてください。

 当グループは、1969年に発足した松下寿電子工業とパナソニックおよび三洋電機のヘルスケア部門、さらにはバイエルAGの糖尿病ケア事業部門を統合したグローバルヘルスケア企業です。診断・ライフサイエンス、医療機器を主とする多様な事業領域において、日本の品質と精緻さをグローバル市場に提供するリーディングカンパニーです。強固な事業基盤の上に独自のビジネスシステムを採用し、継続的改善を通じた高い業務品質と効率性を実現している点に強みがあります。

改正電子帳簿保存法に対応するために、システムの導入を検討されたそうですね。

 税制改正については常にキャッチアップしていますが、特に今回の電子帳簿保存法の改正は業務に大きな影響があるものと認識していました。この法改正には2022年1月から対応する必要がありましたので、2021年の夏頃から運用方法とシステムの導入について検討を始め、導入に要する期間とコストを重視して情報収集を行いました。

 以前から使っていた経費精算システムで対応する案もありましたが、要件定義や本稼働までの期間を考慮して、短期で導入が可能な複数のシステムを検討していきました。その中から最終的に選んだのが、TKCの「インボイス・マネジャー」でした。

短期間でテスト運用を開始できるシンプルなシステム

インボイス・マネジャーを採用した理由を教えていただけますか。

 まず最優先事項である、短期間で環境を構築し、立ち上げができる点を評価しました。導入の打合せは2回のWeb会議で済むと説明を受けて、2022年1月の本稼働に間に合うと判断しました。実際、導入のための環境構築は発注後わずか2、3日で完了し、最初の導入打合せの際にはマスター登録を開始できました。

 また、実務を想定したソフトウエア設計となっており、証憑ファイル(メール添付等の電子取引データ、スキャンした紙の証憑データ)の保存方法がシンプルで操作も軽快であったことや、導入費用、月額費用がリーズナブルであることも評価ポイントでした。TKC会員の税理士先生や導入担当者が、法令に精通していて安心感があったところも良かったですね。

システム選定後に、改正電子帳簿保存法の「宥恕措置」(電子保存の義務化を2年宥恕)に関する発表がありました。導入の延期や中止も検討されたのでしょうか。

 いずれ対応しなければならないことに変わりはなかったので、宥恕措置の終了を待たずに早めに対応することを社内の方針としました。システムの運用が定着するまでには数カ月間は要するため、習熟期間と捉えました。仮に、インボイス・マネジャーを発注する前に宥恕措置の発表があったとしても、その方針に大きな変更はなかったと思います。

わかりやすい操作性とレベルアップ

インボイス・マネジャーを実際に使ってみての印象はいかがですか?

 導入前は短期間で運用を開始できるか、システム理解や操作習得など準備すべきことは何か、など少し不安でしたが、TKCによる導入コンサルティングでマスター登録の説明を受けながら、本番環境を使ってスムーズに登録していくことができました。操作性が良いため、習得するまでにさほど時間はかかりませんでした。

 システムを導入してからもクラウド上で機能改善がなされていくと聞いていましたが、実際に2022年1月のレベルアップで、当社の要望事項の一つだった「取引項目の切出し機能」が搭載されたことは高く評価しています。当社ではRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を使って証憑ファイルを保存しているため、電子取引の登録漏れがないか、検索項目は漏れなく入力されているかを確認するのに当機能を使っています。

RPAと組み合わせてさらに効率アップ

RPAも使用されているとのことですが、どのような運用をしているかお聞かせいただけないでしょうか。

 インボイス・マネジャーへのデータ保存は経理部で実施しています。各部門から業務システム上で支払申請を行い、証憑ファイルを申請書とともに経理部にメールで送付してもらいます。受け取った経理部では対象データが識別できるように、件名とファイル名に「電子」と書かれたメールの添付ファイルを抽出し、ファイル名に管理ナンバーを付けて、所定のフォルダに保存していきます。

 この所定フォルダに保存されたファイルを夜間にバッチ処理にてインボイス・マネジャーにアップロードし、管理番号を付与して保存することをRPAで行っています。検索項目(記録項目)の登録も会計システムから出力したCSVファイルを用いて一括登録しているので、電子帳簿保存法の法的要件を満たした証憑ファイルの保存に効率的に対応できています。

将来はスキャナ保存対応でペーパーレス化も視野に

今後の展望をお聞かせください。

 現在、当グループの複数社でインボイス・マネジャーを利用しています。これをグループ内でさらに広げていく予定です。RPAを使って証憑ファイルの保存を効率化に行っていますが、今後はインボイス・マネジャーのOCR読取り精度が改善されていくと聞いていますので、期待しています。

 また将来のテレワーク推進を見据えて、スキャナ保存にも対応し、ペーパーレス化を実現できるよう継続検討していきたいと考えています。

会社概要
名称 PHCホールディングス株式会社 PHCホールディングス株式会社
所在地 東京都港区西新橋2丁目38番5号
従業員数 約9,800名(グループ全体)※2021年3月時点
売上高 約3,060億円(連結)※2021年3月期
URL https://www.phchd.com/jp
掲載の内容、および当社製品の機能、サービス内容などは、2022年3月現在のものです。
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