ユーザー事例

株式会社ティエフケー 様(導入システム FX5/eCA-DRIVER/eConsoliTax)

新システム導入で財務情報を一元管理しIFRSに対応した連結経営体制を強化

株式会社ティエフケー

成田、羽田の国際線でトップシェアを誇る機内食大手、ティエフケー(TFK)。1951年創業以来、衛生と安全を旗印に事故ゼロによる信頼感を武器に成長を続けている。そんなTFKが2010年に外資系のSATS社の子会社となり、会計の世界基準を求められるようになった。同社経理部の佐藤弘史執行役員、田島芳明部長、鈴木卓チーフマネージャー、山本雅巳チーフマネージャー、そして税理士法人Taxジャパンの粟飯原一雄所長(TKC全国会会長)と粟飯原靖司主査を交えて話を聞いた。

安全と衛生への気配りで創業以来事故ゼロ

粟飯原一雄 TFKさんは、平成16年度、連結納税制度を採用されると同時に、TKCの連結納税システム『eConsoliTax』を導入され、当事務所が研修やシステム立ち上げなどでご支援させていただきました。それをきっかけにして財務会計システムの『FX4』の導入、さらに25年には『FX5』(統合型会計情報システム)と『eCA-DRIVER』(連結会計システム)のダブル導入と、ほとんどフルラインアップでTKCシステムをご利用いただいてます。われわれもそのすべてに精一杯のご支援をしていますが、サービスパッケージ全体としてご満足いただけているものと考えています。

佐藤弘史執行役員

佐藤弘史執行役員

佐藤 おっしゃる通りです。2010年末に親会社が日本航空から外資系のSATS社に変わるなか、当社においても、IFRSへの対応や連結会計での海外親会社(シンガポール証券取引所上場)への報告書作成などの必要性が出てきました。しかし、エクセルのスプレッドシートのみで対応してきたため、作業に無理が生じ、リスクも出てきた。それを一気に解消するべくTKCさんの統合型会計ソリューションを活用させていただき、正直、非常に助けられています。

──ところで、機内食では国内トップと聞いています。

佐藤 2014年のデータでは、成田、羽田のシェアは32.3%になります。両空港は世界でも例をみない過当競争状態で、当社を含め6社がしのぎを削っています。そんななか、ご支持をいただけているのは、1951年創業以来、安全と衛生への気配りを事業基盤の根幹と位置づけてきたからだと思います。当社には過去、食中毒はもちろん、大幅な遅延なども一切ありません。そこは、当社の誇りとするところです。

粟飯原一雄税理士

粟飯原一雄税理士

粟飯原一雄 実際、TFKさんの食事はおいしいですよね。海外に出かける際、行きと帰りで航空会社が同じでも機内食サプライヤーが違う場合があって、よく比較してみるんです。すると、圧倒的にTFKさんの方がおいしい。

佐藤 ありがとうございます。それと、当社では昨年、「ハラル認証」(イスラム教徒が食せる食材であることを証明する制度)を受け、各航空会社に供給しています。ムスリム人口は膨大ですから、当社の差別化戦略であると同時に、日本の国策としての観光立国への道筋に少しでも貢献したいという思いを持っています。

──事業の多角化にも注力されているとか。

佐藤 LCCの参入を含めて過当競争による利ざやの低下傾向も顕著になってきたので、この市場に100%依存するわけにはいきません。そこで、これまで培ってきた調理ノウハウを生かした別の分野での事業を模索中です。現在、ホテルとレストラン事業が全体の2割を占めるまでになりました。また、トライアル段階ですが、病院の院内食を請け負ったりもしています。当社は自社キッチン工場を持ち、アレルギー対応やキッズミールにもノウハウを持っており、さらに新たな食の分野を模索できると考えています。

株式会社ティエフケー

コストパフォーマンスでTKCソリューションを選択

──親会社が変わった当初は、経理的に大変だったようですね。

田島芳明部長

田島芳明部長

田島 まず、IFRS対応が必要になったこと。さらに、子会社5社はそれぞれ独自に会計作業を行っていて、連結会計は行っていなかった。しかも親会社からはIFRSに対応した連結決算報告を求められるようになりました。当時、グループ各社がばらばらの会計ソフトを使っていたので、各社のTB(残高試算表)をコンバージョンして整理する作業をすべてスプレッドシートで行っていました。本当に綱渡りでしたね。いつミスしてもおかしくない状態でした。

粟飯原靖司主査 最初、コンサルに入った際、IFRSのコンバージョンまでエクセルでされていたのを見て驚きました。すごいスキルだなと。正直、何をやっているのか分からない部分もあって、こちらが勉強させられました。でも、すでに限界に近づいていたことは分かりました。メンテナンスも大変ですしね。

──そこでTKCのグループソリューションの採用を決断されたと。

鈴木 選択肢はほかにもあったのですが、『FX4』のメンテナンスの契約期限切れが間近だったこともあり、タイミング的に『FX5』へのバージョンアップと『eCA-DRIVER』の採用をまず考えました。その方が慣れているし、実際コストパフォーマンスも良いと判断しました。

──他社との比較は?

山本雅巳チーフマネージャー

山本雅巳チーフマネージャー

山本 もちろん行いましたが、『FX4』ユーザーだったのでベースの財務会計をしっかりした上で連結会計までの体制がTKCさんの場合シームレスで整えられている。そこが一番の選択要因でしたね。

鈴木 こちらが望む通りの投資額とパフォーマンスのバランスだったということです。たとえば親会社の導入しているシステムは非常に高度なものですが、当社ではそこまでの投資は必要ない。身の丈に合ったシステムとしてTKCさんのものがもっとも優れていたということです。また、税理士法人Taxジャパンの粟飯原靖司さんをはじめ、コンサルタントのみなさんの操作面、制度面の両面での的確なサポートがとてもありがたかったです。

粟飯原靖司 導入当初はデータ分析に苦労しました。『eCA-DRIVER』の運用方法に照らし合わせて丁寧に分析する必要があったので大変は大変でした。

──TKCの連結システム導入で「統合された」という印象でしょうか。

山本 これまでは子会社の異なるTBを変換し、連結する必要があった。しかもすべてスプレッドシート上です。釣り糸がこんがらがって、ミスがでてもどこで不整合が起きているのかがにわかには分からない。ところがいまは、『FX5』と『eCA-DRIVER』によって5社すべてがクラウド上で連結されていて、整然と同じスタイルで串刺し処理ができている。地獄から天国ですよ。

──現場で入力を?

鈴木卓チーフマネージャー

鈴木卓チーフマネージャー

鈴木 手順としては各子会社が日々『FX5』にデータを入力し、当社が『FX5』のデータを『eCA-DRIVER』に取り込み連結。IFRSコンバージョンに仕訳を入れ完成させます。さらにマネジメントレポート設計ツール(MR設計ツール)を利用して、データの検証を行います。そして親会社のERPパッケージソフトにアップロードしてしまうのです。その間わずか1日。水道の蛇口をひねるように簡単にできてしまう(笑)。

──独自の使い方もされているとか。

山本 システムがブラックボックスだと仕訳が連結最終データに正しく反映されているかが不安です。TKCのトータルシステムではIFRSコンバージョンや『FX5』、『eCA-DRIVER』、あるいは連結前の単体のTBなどがMR設計ツールで全部チェックできる。さらに、本来1人でもできる作業を、5人くらいに割り振ることにより、ミスがないかどうかのチェックが正確に行えるようになりました。また、チェック用の仕訳と『eCA-DRIVER』の連結仕訳を作成する人を別にしてダブルチェックも行っています。

粟飯原靖司主査

粟飯原靖司主査

粟飯原靖司 とにかく一度説明したら縦横無尽に使っていただける感じで、すごいの一言です。

鈴木 逆にいえば、余裕があるからダブルチェックができるようになったんです。システムのおかげですね。

──最後に、粟飯原先生から一言。

粟飯原一雄 昨今、税制が大きく変わるなか、連結納税や連結会計も例外ではありません。会計・税務の部分でわれわれのお手伝いできる分野も広がってくるでしょう。TKCシステムのバージョンアップを含め、TFKさんのような優良クライアントの貴重な要望を受けながら、当事務所スタッフもスキルを向上させつつ、サポート体制を充実していきたいですね。

会社概要
名称 株式会社ティエフケー 株式会社ティエフケー
創立 1959年(昭和34年)12月
所在地 成田本社:千葉県成田市成田国際空港内
羽田支店:東京都大田区羽田空港3-2-8
年商 約202億円
URL http://www.tfk.co.jp/

『戦略経営者』2015年4月号より転載

掲載の内容、および当社製品の機能、サービス内容などは、2015年4月現在のものです。
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