部下の育成のために1on1ミーティングを取り入れようと考えています。1on1ミーティングを効果的に行うポイントを教えてください。(広告業)
1on1ミーティングを効果的に行うと、部下や事業の成長、メンタルヘルス不調の早期発見・予防等につながります。しかし「部下が本音を話してくれない」「自分が話してばかりになる」といった声もよく聞かれます。
効果的な1on1ミーティングを行うためには、押さえておきたい3つのポイントがあります。それぞれみていきましょう。
①安心感をつくる
安心できない相手に本音を話したいと思う人はいないでしょう。
部下に本音で話してもらうには「安心して話せる」「本当のことを話しても自分に危害はない」と感じてもらうことが必要です。
部下との関係に安心感をつくるには、はじめにミーティングの目的や枠組みを説明します。なぜ面談をするのか(背景や動機)、どのようにして行われるのか(全体像)がわかると、相手は安心します。例えば「◯◯さんの仕事が進めやすくなるよう、考えや困っていることを聞いて次のアクションを明確にしたい」「時間は30分で、足りなかったら改めて時間をとります」など、どのような目的や枠組みでミーティングを行うのかを相手に示します。
②話を聞く(傾聴)
ミーティングでの話の聞き方は、相手の話に関心をもって聞く「傾聴」です。ポイントには「遮らず最後まで聞く」こと。相手の話が終わるまで自分の意見をはさんだりせずに聞きます。聞いている間には「うん、うん」「いいですね」などのうなずきやあいづちを入れ、話を聞いていることを伝えます。
また、自分が話すときには「少し低めの声で、ゆっくり喋る」とおだやかな印象を与え、相手も落ち着いてきます。そのほか、相手の考えや感じ方を否定せずに受け入れる「受容」、相手の体験を積極的に認めていく「肯定・承認」の効果は大きいため、活用すると良いでしょう。
③質問する
部下の意見を引き出す際には「どんな答えでも大丈夫」「◯◯さんの意見を聞きたいんだ」と自由に話せる土壌をつくり、部下の話に興味をもって質問していきます。例えば目標設定に関する質問例として「10は目標を達成している状態、0がその反対だとすると今はどのくらい?」「何がクリアできていると10と言えそう?」など簡易的なスケールを用いて具体化していく方法があります。
部下に質問する際は今評価できている点や過去の成功体験を聞くと良いでしょう。「今の状態でもできていることはどんなことだろう?」「前にうまくいったことはある?」など、うまくいっている点を認めると、成長への推進力は上がるものです。
ただし、信頼関係がない中で質問を繰り返すと、詰問されている、突き放されている印象を与えることがあります。同じ「◯◯さんはどう思ったの?」という質問でも、信頼している人では「自分の意見を尊重している」ように聞こえ、そうでない人は「試されている」ように聞こえるでしょう。上手な質問は良好な関係構築の上に成り立つことを留意してください。
これらの方法は一気に取り入れようとするのではなく、まずはミーティング1回につき一つずつ取り入れることをおすすめします。