注目の判例

行政法

2014.03.18
慰謝料等請求事件
LEX/DB25502941/長野地方裁判所飯田支部 平成26年1月30日 判決 (第一審)/平成24年(ワ)第54号
原告が、別件訴訟において被告であった際に、被告長野地方裁判所の裁判官であった被告Yの法廷における発言を非常に怖く感じ、屈辱や威圧感を受けたと主張して、被告Yに対しては、民法上の不法行為に基づき、被告国及び被告長野地裁については国家賠償法1条1項に基づき、それぞれ損害金の支払を求めた事案において、まず、官署としての被告長野地裁は権利義務の帰属主体となり得る資格を有しないから、民事訴訟において当事者能力を有しないものとし、また、被告Yについては、原告は、別件訴訟の事件担当の裁判官であった被告Yが職務を行うについて違法行為を行ったとして損害賠償を請求するものであるから、職務の執行に当たった公務員である被告Yは、行政機関としての地位においても、個人としても、被害者に対し、その責任を負担するものでなく、被告Yを相手方とする請求は理由がないとして、被告国に対する請求を一部認容した事例。
2014.03.05
裁決等取消請求事件
LEX/DB25502948/横浜地方裁判所 平成26年1月22日 判決 (第一審)/平成25年(行ウ)第30号
原告が、横浜市空き缶等及び吸い殻等の散乱の防止等に関する条例11条の2第1項により指定された喫煙禁止地区内で喫煙をし、同条例11条の3に違反したとして、横浜市長から同条例30条に基づき2000円の過料に処するとの処分を受け、市長に対して異議申立てをしたがこれを棄却する旨の決定を受け、更に神奈川県知事に対して審査請求をしたがこれを棄却する旨の裁決を受けたことから、本件処分において喫煙をしたとされた場所に原告が至るまでに通った道路には本件違反場所が喫煙禁止地区内であることを容易に認識できるような標識等がなかったにもかかわらず本件処分を行ったことは違法であるなどと主張して、被告横浜市に対し本件処分の取消しを求めた事案において、被告横浜市に対する原告の請求は理由があるから認容し、被告神奈川県に対する原告の請求は理由がないとし、請求を棄却した事例。
2014.03.05
 
LEX/DB25502783/最高裁判所第一小法廷 平成26年1月16日 判決 (上告審)/平成23年(受)第1619号
在留資格の期間経過後も日本に滞在していた中国籍の男性(当時39歳)が、栃木県警察官の発砲により死亡したことについて、同発砲が違法であるとして、男性の相続人である被上告人(原告、控訴人)らが、国家賠償法1条1項に基づき、同警察官を任用する上告人(被告、被控訴人。栃木県)に対し、逸失利益及び慰謝料等の支払いを求め、第一審は請求を棄却し、第二審は請求を一部認容したため、被告が上告した事案において、原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があり、原判決中上告人の敗訴部分は破棄を免れないとして、さらに審理を尽くさせるため、上記部分につき本件を原審に差し戻すこととした事例。
2014.03.05
一般乗用旅客自動車運送事業の乗務距離の最高限度を定める公示処分の取消等請求事件件
LEX/DB25502898/福岡地方裁判所 平成26年1月14日 判決 (第一審)/平成22年(行ウ)第12号
福岡交通圏においてタクシー事業を営む原告が、九州運輸局長がした公示が違法であるとして、主位的に、同公示のうち日勤勤務運転者の乗務距離の最高限度を270キロメートルと定めた部分の取消しを、予備的に、同公示の乗務距離の最高限度を超えて運転者を事業用自動車に乗務させることができる地位にあることの確認を求めるとともに、同公示の乗務距離の最高限度を超えたことを理由とする不利益処分の差止めを求めた事案において、本件取消請求に係る訴え及び本件差止め請求に係る訴えは不適法であり、却下を免れないが、本件確認請求に係る訴えは適法であるところ、九州運輸局長の本件公示における本件乗務距離規制は裁量権の範囲を逸脱したもので違法であるとして、原告の本件確認請求を認容し、九州運輸局長がした公示の取消しを求める部分及び輸送施設の使用停止等の処分の差止めを求める部分をいずれも却下した事例。
2014.03.05
損害賠償請求控訴事件
LEX/DB25502776/広島高等裁判所 平成25年12月19日 判決 (控訴審)/平成24年(ネ)第579号
東広島市内志和町内地区の谷地において、谷地の上部に搬入、埋め立てられていた土砂が、降雨により崩壊し、土石流となって谷地の下部に流れ出して民家を襲い、住人が死亡し、原告(被控訴人)も負傷する事故が発生したことにより、同住人の相続人でもある原告らが広島県知事及び東広島市長が宅地造成等規制法により搬入、埋め立てを規制すべきであったにもかかわらず、違法にもこれを規制しなかったため、本件事故が発生したとして、広島県及び東広島市を被告(控訴人)として、国家賠償法1条1項に基づき、損害賠償の支払を求めたところ、請求を一部認容したため、被告らが控訴した事案において、原告らの請求を一部認容した原判決は不当であり、原判決中、被告ら敗訴部分を取り消し、原告らの請求をいずれも棄却した事例。
2014.03.05
教科用図書の無償給与を受ける地位確認請求事件
LEX/DB25502755/那覇地方裁判所 平成25年12月10日 判決 (第一審)/平成24年(行ウ)第31号
石垣市立中学に在学する生徒及びその生徒の親権者である原告らが、被告である石垣市に対し、社会科公民の教科用図書として有効に採択されたのは平成25年度のT社が発行する公民の教科用図書であり、同年度のI社が発行する公民の教科用図書が採択されたことは無効であると主張して、T社版の無償給与を受ける法的地位にあること及びI社版の無償給与を受けない法的地位にあることの確認を求めた事案において、I社版の無償給与を受けない法的地位にあることの確認については却下し、その余の請求を棄却した事例。
2014.03.05
障害基礎年金不支給決定処分取消請求事件
LEX/DB25516353/東京地方裁判所 平成25年11月8日 判決 (第一審)/平成23年(行ウ)第365号
原告が、当時の社会保険庁長官に対し、20歳前に初診日のある精神遅滞により、主位的に障害認定日か20歳に達した日のいずれか遅い日において法定の障害等級に該当する程度の障害の状態にあることを理由とする障害認定日による障害基礎年金の支給を求め、予備的に上記の日の後に障害等級に該当する程度の障害の状態に至ったことを理由とする事後重症による障害基礎年金の支給を求める裁定請求をしたところ、社会保険庁長官から、予備的請求である事後重症型障害基礎年金の請求を認め、主位的請求である障害認定日による障害基礎年金の請求を黙示に却下する裁定処分を受けたことから、原告が、却下部分を不服としてその取消しを求めた事案において、本件処分のうち、主位的請求である障害認定日による請求を黙示に却下した処分は違法であるから取り消されるべきであるとして、原告の請求を認容した事例。
2014.02.24
愛知県議会議員政務調査費住民訴訟事件
LEX/DB25502728/名古屋地方裁判所 平成26年1月16日 判決 (第一審)/平成23年(行ウ)第68号
愛知県の住民である原告らが、愛知県議会の会派である被告補助参加人らが同県から交付を受けた政務調査費をそれぞれ使途基準に反して違法に支出したため、愛知県知事である被告は不当利得の返還請求をすべきであるにもかかわらずその返還請求を怠っているとして、被告に対し、地方自治法242条の2第1項4号本文に基づき、各被告補助参加人に対して上記不当利得返還請求を行使してその支払を請求するよう求めた住民訴訟の事案において、本件政務調査費のうち、各議員が平成21年度に支出した事務所賃借料・光熱費及び自動車リース料の各2分の1を超えて充てられた部分については、各補助参加人において不当利得として返還すべき義務を負うものというべきであるとして、請求を一部認容した事例。
2014.02.24
行政処分執行停止決定に対する即時抗告事件
LEX/DB25502709/福岡高等裁判所宮崎支部 平成25年7月18日 決定 (抗告審(即時抗告))/平成25年(行ス)第1号
相手方が、処分行政庁(宮崎県知事)が相手方に対してした各処分の取消しを求める本案事件を提起した上、上記各処分により生ずる重大な損害を避けるため緊急の必要があると主張して、行政事件訴訟法25条2項本文に基づき、上記各処分について、本案事件の判決確定までの効力の停止を求めた事案の即時抗告審において、信用上の問題が直ちに「重大な損害」に該当しないと解すべき根拠はなく、社会的信用の低下、業務上の信頼関係の毀損等の損害が重大な損害に該当する場合もあるとし、また、水質検査結果の記録の改ざんが公共の福祉に与える影響については、改ざんの内容及び期間、改ざんに至る経緯、組織的背景の有無及び程度、発覚に至る経緯、発覚後の状況(是正措置の有無等)、本件施設から排出される水に実際に有害物質が含まれているか否かその他諸般の事情を具体的に検討する必要があり、そのような検討抜きに公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるか否かを判断することはできないとして、抗告人(宮崎県)の抗告を棄却した事例。
2014.02.24
日本国籍不存在確認請求事件
LEX/DB25446186/大阪地方裁判所 平成25年6月19日 判決 (第一審)/平成24年(行ウ)第195号
日本人の子として出生届が出されて外形的に日本国籍を取得したものの、その後、その日本人の子ではなかった旨の審判が確定した原告が、主位的に、日本国籍を有しないことの確認を、予備的に、日本国籍を有することの確認を、それぞれ求めた事案において、原告の国籍不存在確認の訴えには、確認の利益があるというべきであるとし、原告が日本国籍を有しないことを確認するとした事例。
2014.02.18
一般廃棄物処理業許可取消等,損害賠償請求事件
LEX/DB25446159/最高裁判所第三小法廷 平成26年1月28日 判決 (上告審)/平成23年(行ヒ)第332号
小浜市長から廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づく一般廃棄物収集運搬業の許可及びその更新を受けている上告人が、同市長により同法に基づいて有限会社Bに対する一般廃棄物収集運搬業の許可更新処分並びに被上告補助参加人に対する一般廃棄物収集運搬業及び一般廃棄物処分業の許可更新処分がされたことにつき、被上告人を相手に、上記両名に対する上記各許可更新処分は違法であると主張してそれらの取消しを求めるとともに、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償を求めたところ、原審は、上告人は本件各更新処分の取消しを求める原告適格を有しないとしてこれらの取消請求に係る訴えを却下すべきものとし、国家賠償法に基づく損害賠償請求を棄却すべきものとしたため、本件上告人が上告した事案において、原審の判断のうち、本件更新処分1及び本件更新処分2のうち、一般廃棄物収集運搬業の許可更新処分の取消請求並びに損害賠償請求に係る部分には、法令の解釈適用を誤った違法があるが、上告人は、平成25年5月8日に小浜市長に対して廃棄物処理法7条の2第3項に基づき一般廃棄物収集運搬業を廃業する旨を届け出た上で同年6月に廃業したことが明らかであるから、上告人が上記各処分の取消しを求める法律上の利益は失われたものといわざるを得ないとし、本件更新処分2のうち一般廃棄物処分業の許可更新処分の取消請求に係る訴えは当初から原告適格を欠いていたのであるから、本件各更新処分の取消請求に係る訴えをいずれも却下すべきものとした原審の判断は、結論において是認することができるとし、原判決のうち損害賠償請求に係る以外の部分に係る上告を棄却し、他方、原審の判断のうち損害賠償請求に係る部分に関する部分は破棄し、本件各更新処分の違法性の有無等について更に審理を尽くさせるため、原審に差し戻しを命じた事例。
2014.02.18
損害賠償等請求控訴事件
LEX/DB25502632/東京高等裁判所 平成25年11月27日 判決 (控訴審)/平成25年(ネ)第1268号
警視庁が、國松孝次警察庁長官に対する殺人未遂事件の公訴時効が完成した日、公安部長を説明者として記者会見を行い、事件の犯人をオウム真理教である旨公表し、また、同公表内容を警視庁のホームページ上に30日間にわたり掲示したことについて、被控訴人(原告)が、同公表は被控訴人の社会的評価を低下させた名誉棄損行為であると主張して、控訴人(被告。国)に対し、国家賠償法1条1項、民法723条に基づき、損害賠償金等の支払い、謝罪文の交付及び掲示を求め、原審が一部認容した事案において、控訴人敗訴部分の一部を取り消し、その余の控訴を棄却した事例。
2014.02.10
生活保護変更決定取消請求控訴事件
LEX/DB25502656/東京高等裁判所 平成25年12月16日 判決 (差戻控訴審)/平成24年(行コ)第16号
北九州市内に居住して生活保護法に基づく生活扶助の支給を受けていた控訴人(原告)らが、同法の委任に基づいて厚生労働大臣が定めた保護基準の数次の改定により、原則として70歳以上の者を対象とする生活扶助の加算(老齢加算)が段階的に減額、廃止されたことに伴い、控訴人らの住所地を所管する各福祉事務所長からそれぞれ生活扶助の支給額を減額する旨の保護変更決定を受けたため、保護基準の改定は憲法25条1項、生活保護法56条等に反する違憲、違法なものであるから、各決定も違法であるとして、その取消しを求めところ、原審が請求を棄却したため、控訴人が控訴した事案において、控訴人らの控訴は理由がないとし、控訴をいずれも棄却した事例。
2014.02.10
損害賠償請求事件
LEX/DB25502654/前橋地方裁判所 平成25年12月13日 判決 (第一審)/平成22年(ワ)第694号
原告が刑務作業として、空きコンテナを7段に積んで運搬する際、階段を踏み外して踏ん張ったため左大腿骨頚部を骨折し、その治療のために左人工骨頭置換術を実施したが、左股関節の可動域が制限された上、上記置換術や左大腿骨頚部骨折をかばって刑務作業を続けた結果、右大腿骨頚部も骨折したことにより、右足よりも左足が1.75センチメートル長くなる後遺障害が生じたところ、これは、松山刑務所や大阪医療刑務所の職員等の過失によるものであると主張し、被告(国)に対し、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償を求めた事案において、松山刑務所職員や医師の過失と原告の左足についての可動域制限や足長差との間には相当因果関係があると認めることができるとして、原告の請求を一部認容した事例。
2014.02.10
損害賠償請求事件
LEX/DB25502670/佐賀地方裁判所 平成25年12月13日 判決 (第一審)/平成22年(ワ)第425号
中学校において、女子生徒の上靴がカッターで底の一部を切り取られる事件が発生したことを受けて、教諭らの事情聴取を受けた原告(当時14歳の女子生徒)が、本件事情聴取は原告が犯人であると決めつけて執拗に脅迫的な言動を用いるなどしながら長時間かけて行われたものであり、これによって原告は解離性障害等に罹患したなどと主張して、被告(唐津市)に対し、国家賠償法1条1項に基づき、損害賠償を求めた事案において、原告に本件事情聴取の直後から急性ストレス障害の症状が出現したこと、本件事情聴取は心身がいまだ十分に発達していない中学3年生の女子にとって極めてストレスの強い出来事に当たるといえること等に照らすと、本件事情聴取と原告が解離性障害等に罹患したこととの間には相当因果関係があると認めるのが相当であるとし、請求を一部認容した事例。
2014.02.10
国家賠償請求事件
LEX/DB25502650/福岡地方裁判所小倉支部 平成25年12月10日 判決 (第一審)/平成24年(ワ)第400号
県立高校のサッカー部の練習中に、同じグラウンドで練習中の野球部員が打った打球が原告の側頭部を直撃して傷害を負ったが、当該事故は被告(福岡県)の公務員である校長らの過失により生じたものであるとして、原告が被告に対し、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償金の支払いを求めた事案において、被告職員らの指導に過失があったことを認め、原告の請求を一部認容、一部棄却した事例。
2014.02.10
損害賠償請求控訴事件
LEX/DB25502647/福岡高等裁判所 平成25年12月 5日 判決 (控訴審)/平成25年(ネ)第527号
市立中学校の2年生であり、同中学校の校舎内の廊下で転倒して傷害を負う事故に遭った一審原告が、当該事故は、同級生であった一審被告甲に手を引っ張られて転倒したために発生し、また、同中学校の廊下が結露等により滑りやすく、その状態のまま放置され、教職員が生徒に対して適切な指示監督等をしなかったために発生したと主張して、一審被告甲に対しては不法行為に基づき、甲の親権者後見人である一審被告乙に対しては不法行為又は監督者責任に基づき、一審被告丙(佐伯市)に対しては国家賠償法2条1項又は国家賠償1条1項に基づき、損害賠償金の支払いを求め、原審が、一審被告甲に対する請求を一部認容し、双方が控訴をした事案において、一審原告の控訴に基づき、原判決を変更し、一審被告甲と一審被告丙に対する請求を一部認容した事例。
2014.02.10
 
LEX/DB25502565/最高裁判所第一小法廷 平成25年11月28日 決定 (上告審)/平成24年(オ)第168号等
養護学校の教員及び生徒の保護者である原告ら(上告人ら)が、〔1〕被告(議会議員・被上告人)らが、議会の一般質問において養護学校の性教育の内容が学習指導要領に違反して不適切であると指摘し、養護学校に赴いて、教材や性教育の内容に関して保健室にいた教員らを批判するなどしたこと、〔2〕被告(教育委員会・被上告人)が、養護学校の教員である原告らに対して不適切な性教育をしたとの理由で厳重注意をし、配置換えをするなどしたこと、〔3〕被告(新聞社・被上告人)の記者が、その発行する新聞に養護学校の性教育を「過激な性教育」と評する記事を掲載して原告らの名誉を毀損するなどしたことを理由に損害賠償請求の支払及び謝罪広告の掲載を求めたところ、一審判決では原告らの請求を一部認容したが、当事者双方が控訴し、控訴審では一審判決の判断は相当であるとして本件各控訴を棄却したため、原告らが上告した事案において、本件上告を棄却し、上告を受理しなかった事例。
2014.02.04
原爆症認定申請却下処分取消請求事件
LEX/DB25502494/長崎地方裁判所 平成25年11月26日 判決 (第一審)/平成22年(行ウ)第3号
原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律1条1号に該当するとして被爆者健康手帳の交付を受けた原告が、胃がん及び胃切除後障害(ダンピング症候群、鉄欠乏性貧血、逆流性食道炎、腸閉塞及び骨粗鬆症)を発症したとして、処分行政庁(厚生労働大臣)に対し、被爆者援護法11条1項に基づく認定の申請をしたところ、同処分行政庁がこれを却下する処分をしたため、当該処分の取消しを求めた事案において、本件申請にかかる申請疾病のうち、胃切除後障害(早期ダンピング症候群、鉄欠乏性貧血)については、本件処分時において、放射線起因性及び要医療性の要件をいずれも満たすものであったから、本件申請を却下した本件処分は違法というべきであるとして、原告の請求を認容した事例。
2014.02.04
損害賠償並びに給付金受給資格確認請求事件
LEX/DB25502496/大分地方裁判所 平成25年11月21日 判決 (第一審)/平成22年(行ウ)第3号
亡Aの相続人である原告らが、亡Aが手術を受ける際にガンマーグロブリン製剤及び血漿分画製剤「プラスマネート・カッター」の投与を受けたことによってC型肝炎ウイルスに感染し、C型肝炎に罹患したなどと主張して、被告(国)に対し、救済法(特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第IX因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法)の趣旨等に照らせば、亡A及び原告らは救済法2条3項及び3条が直接適用又は類推適用されることにより同法の対象となるとして、救済法に基づく亡Aの給付金の支給を請求できる法的地位を有することの確認を求めるとともに、厚生労働大臣が、救済法2条3項の「特定C型肝炎ウイルス感染者」の意義について誤った解釈ないし運用を行ったことに違法があり、これにより亡Aが精神的苦痛を被ったため、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求権が発生し、これを原告らが相続により承継したとして、損害賠償の支払を求めた事案において、亡A及び原告らについて、救済法が直接適用又は類推適用される余地はなく、亡Aは、救済法2条3項の特定C型肝炎ウイルス感染者には該当せず、原告らは救済法上の給付金の受給要件を充足しないとして、原告らの請求をいずれも棄却した事例。