注目の判例

行政法

2013.11.26
選挙無効請求事件
LEX/DB25446026 / 最高裁判所大法廷 平成25年11月20日 判決 (上告審) / 平成25年(行ツ)第226号
平成24年12月16日施行の衆議院議員総選挙について、岡山県第2区の選挙人である被上告人が、衆議院小選挙区選出議員の選挙の選挙区割りに関する公職選挙法の規定は憲法に違反し無効であるから,これに基づき施行された本件選挙の本件選挙区における選挙も無効であると主張して提起した選挙無効訴訟の上告審で、本件選挙時において、本件区割規定の定める本件選挙区割りは、前回の平成21年選挙時と同様に憲法の投票価値の平等の要求に反する状態にあったものではあるが、憲法上要求される合理的期間内における是正がされなかったとはいえず、本件区割規定が憲法14条1項等の憲法の規定に違反するものということはできないが、投票価値の平等は憲法上の要請であり、1人別枠方式の構造的な問題は最終的に解決されているとはいえず、国会においては、今後も、新区画審設置法3条の趣旨に沿った選挙制度の整備に向けた取組が着実に続けられていく必要があるとした事例。(意見及び反対意見あり)。
2013.11.26
選挙無効請求事件
LEX/DB25446027 / 最高裁判所大法廷 平成25年11月20日 判決 (上告審) / 平成25年(行ツ)第209号等
平成24年12月16日施行の衆議院議員総選挙について、東京都第2区、同第5区、同第6区、同第8区、同第9区及び同第18区並びに神奈川県第15区の選挙人である原審原告らが、衆議院小選挙区選出議員の選挙の選挙区割り及び選挙運動に関する公職選挙法の規定は憲法に違反し無効であるから、これに基づき施行された本件選挙の上記各選挙区における選挙も無効であると主張して提起した選挙無効訴訟の上告審で、本件選挙時において、本件区割規定の定める本件選挙区割りは、前回の平成21年選挙時と同様に憲法の投票価値の平等の要求に反する状態にあったものではあるが、憲法上要求される合理的期間内における是正がされなかったとはいえず、本件区割規定が憲法14条1項等の憲法の規定に違反するものということはできないが、投票価値の平等は憲法上の要請であり、1人別枠方式の構造的な問題は最終的に解決されているとはいえず、国会においては、今後も、新区画審設置法3条の趣旨に沿った選挙制度の整備に向けた取組が着実に続けられていく必要があるとした事例(意見及び反対意見あり)。
2013.11.12
徳島県収用委員会裁決取消請求事件
LEX/DB25445974 / 最高裁判所第二小法廷 平成25年10月25日 判決 (上告審) / 平成24年(行ヒ)第187号
被上告人が実施した里道の拡幅工事に伴い、当該工事により新設された道路に接する土地の所有者である上告人が、当該道路を管理する阿南市による損失の補償について道路法70条4項に基づく土地収用法94条の規定による裁決の申請をしたところ、徳島県収用委員会からその申請を却下する旨の裁決を受けたため、同委員会の所属する被上告人を相手に、裁決手続の違法等を主張して、上記裁決の取消しを求めた事案の上告審において、本件裁決についてその名宛人である上告人が提起した取消訴訟である本件訴えは、本件裁決が土地収用法94条7項又は8項のいずれの規定によるものであるかにかかわらず、適法である(なお、本件裁決は,道路法70条1項所定の要件を満たさない旨の判断に基づいて申請を却下したものであり、同条4項に基づく土地収用法94条7項の規定による裁決であると解される。)が、異なる見解の下に、本件訴えを却下すべきものとした原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、原判決を破棄し、第一審判決を取消し、第一審に差し戻しを命じた事例。
2013.11.12
損害賠償請求事件(集中豪雨罹災損害賠償請求事件(兵庫県佐用町))
LEX/DB25501747 / 神戸地方裁判所姫路支部 平成25年4月24日 判決 (第一審) / 平成22年(ワ)第1042号
本件集中豪雨によって増水していた本件用水路に避難中に転落して死亡した訴外Cら5名の遺族である原告らが、被告町の町長が、災害対策基本法に基づき策定された本件防災計画が規定する権限を適切に行使せず、適時に適切な内容の避難勧告をしなかったことなどにより、本件罹災の結果を発生させたと主張して、被告に対し、国家賠償法1条1項に基づいて、損害賠償を求めた事案において、被告町長には、本件集中豪雨当時、本件被災者が居住していたa1集落に対する避難勧告に関し、その与えられた裁量権を逸脱する権限不行使又は行使があったということはできないから、本件罹災につき、被告に国家賠償法1条1項所定の損害賠償責任があると認めることはできないなどとして、原告らの請求をいずれも棄却した事例。
2013.11.05
管理許可処分の仮の義務付け申立て事件
LEX/DB25445941 / 大阪地方裁判所 平成25年3月28日 決定 / 平成25年(行ク)第26号
大阪市が管理する都市公園内にある売店兼食堂について、大阪市長から都市公園法5条1項に基づいて期限付き管理許可を繰り返し受けていた申立人が、大阪市長から本件不許可処分を受けたことから、本件不許可処分の取消し及び本件申請に対する許可処分の義務付けを求める本案訴訟を提起するとともに、行政事件訴訟法37条の5第1項に基づき、許可処分の仮の義務付けを求めた事案において、本件不許可処分をしたことについて、事実の基礎を欠いたり、社会通念上著しく妥当性を欠くことが明らかであるなど、大阪市長の有する裁量権の範囲の逸脱ないし濫用が存するものとみえるということはできないなどとして、本件申立てを却下した事例。
2013.10.29
損害賠償(国家賠償)請求事件
LEX/DB25445926 / 横浜地方裁判所小田原支部 平成25年 9月13日 判決 (第一審) / 平成23年(ワ)第955号
 被告市内において農業を営む原告が、原告所有地に井戸を設置した上で農家用住宅を建築しようとしたところ、被告の職員による違憲・違法な対応が原因で住宅の建築が遅れ、かつ、井戸の設置に代わり水道を敷設せざるを得なくなったとして、国家賠償を求めた事案において、原告が個人で井戸を利用しようとしていたことに照らせば、少なくとも取水量を制限すれば井戸の設置が認められる可能性は高かったといえるから、原告から相談を受けた市職員としては、原告に設置予定の井戸の仕様書を提出させるなどした上で環境保全課に持ち帰り、取水量を制限した上で井戸の設置を認めることができないかを具体的に検討する義務があったというべきであり、そうした検討を何ら行わず、原告に対し、井戸設置が許可される可能性は非常に低い旨の誤った説明をしたことは、職務上尽くすべき注意義務に違背しており、国家賠償法上違法であるとして、原告の請求を一部認容した事例。
2013.10.29
生活保護申請却下処分取消等請求事件、損害賠償請求事件(枚方生活保護自動車保有訴訟事件)
LEX/DB25501597 / 大阪地方裁判所 平成25年 4月19日 判決 (第一審) / 平成22年(行ウ)第35号等
 生活保護を廃止する処分を受けた原告が、再度生活保護の申請を行ったところ、本件第二次申請を却下する処分を受けたことから、被告に対し、本件却下処分が違法であるとして、その取消しを求めるとともに、損害賠償を求めた事案において、原告は、本件指示及び本件廃止処分当時、「障害の状況により利用し得る公共交通機関が全くないか又は公共交通機関を利用することが著しく困難であり、自動車による以外に通院等を行うことが極めて困難であることが明らかに認められる」場合に該当していたと認められ、自動車保有要件をいずれも充足していたものであり、原告に対して本件自動車の処分を指示した本件指示は、生活保護法4条1項の解釈適用を誤った違法なものであり、原告が本件指示に従わないことを理由としてされた本件廃止処分も違法であるとし、請求を一部認容した事例。
2013.10.15
損害賠償等を求める請求控訴事件
LEX/DB25501663 / 東京高等裁判所 平成25年 8月29日 判決 (控訴審) / 平成25年(行コ)第189号
 千葉県白井市の住民である被控訴人(原告)らが、元同市市長において、その在任中、地方自治法179条1項の要件がないにもかかわらず、違法な専決処分により、北総鉄道に補助金を支出する旨の債務負担行為を行った旨主張して、同市市長である控訴人(被告)に対し、地方自治法242条の2第1項4号に基づき、元市長に対し、不法行為又は債務不履行による損害賠償請求権に基づく金員の支払請求を、また、北総鉄道に対し、不当利得返還請求権に基づく金員の支払請求を行い、原判決が元市長に対する請求を概ね認容した事案において、控訴人の控訴を棄却した事例。
2013.10.15
損害賠償請求事件
LEX/DB25501662 / 大阪地方裁判所 平成25年 7月29日 判決 (第一審) / 平成23年(ワ)第15122号
 原告甲が、大阪府立高校在学中、同高校体育館において男子バレーボール部の部活動終了後、体育館の天井部分に乗ったボールを取るため、体育館に設置されたはしごを使って天井部分に上ったところ、飾り板部分を踏み抜いて体育館2階フロアに転落し、傷害を負い、視力につき後遺障害を負った事故について、原告甲とその両親である原告らが、被告(大阪府)に対し、体育館の設置又は管理に瑕疵があったと主張して、国家賠償法2条1項に基づく損害賠償及び遅延損害金の支払いを求めた事案において、原告らの請求を一部認容、一部棄却した事例。
2013.10.01
損害賠償等請求事件
LEX/DB25501545 / 津地方裁判所 平成25年 7月11日 判決 (第一審) / 平成20年(ワ)第17号の2
 原告が、三重県北牟婁郡紀伊長島町内において産業廃棄物中間処理施設を設置しようとしていたところ、紀伊長島町長から、紀伊長島町水道水源保護条例に基づき、上記施設を含む事業場を同条例2条5号所定の規制対象事業場と認定する処分を受けたため、同条例12条により上記施設を設置することができなくなったが、当該処分を取り消す旨の判決が確定したとして、被告に対し、国家賠償法1条1項に基づき、当該処分の結果被った損害の賠償を求めた事案において、本件処分には取消事由となる瑕疵があるところ、町長が通常尽くすべき職務上の注意義務を尽くしていたとは到底いえず、本件処分を行った町長の行為は国家賠償上も違法であるとして、原告の請求を一部認容、一部棄却した事例。
2013.09.24
退去強制令書発付処分取消等請求控訴事件
LEX/DB25445836 / 名古屋高等裁判所 平成25年 6月27日 判決 (控訴審) / 平成25年(行コ)第19号
 韓国国籍を有する原告(控訴人)が、在留期限を超えて我が国に残留したことから、出入国管理及び難民認定法所定の退去強制事由に該当する等の認定を受けたため、異議の申出をしたが、上記異議の申出には理由がない旨の裁決を受けたことから、その取消しを求めたところ、請求が棄却されたため、控訴した事案において、原告は、生命に関わる胸腺がんの再発と闘病せざるを得ず、症状等の情報が集積され、担当医らとの信頼関係を再度構築する必要のない本件病院にて継続的に治療等を行うことを認めるのが最も適切であり、病院を替わることに伴う重い負担は、不法残留という途を選択した原告の自己責任で対応すべきであるなどと判断するのは相当とは考えられず、本件裁決は、その裁量権行使に当たり、逸脱ないし濫用があるとし、原判決を取り消し、請求を認容した事例。
2013.09.24
損害賠償請求事件
LEX/DB25445837 / 大阪地方裁判所 平成25年 3月21日 判決 (第一審) / 平成22年(ワ)第2795号
 普通地方公共団体である原告が、被告との間で本件工事に係る請負契約を締結したところ、本件工事に係る指名競争入札の際、入札業者が被告を受注予定者とする談合を行い、原告に損害を与えたと主張して、被告に対し、損害賠償を求めた事案において、本件においては、原告に損害が生じたことは認められるものの、損害の性質上その額を立証することが極めて困難であるときに該当するといえるから、民事訴訟法248条を適用して、相当な損害額を認定するのが相当であるところ、想定落札価格に基づく契約金額と本件談合により現実に締結された本件契約の契約金額との差額として原告が被った損害は、本件代金の10パーセント相当額と認定するのが相当であるとし、請求を認容した事例。
2013.09.17
損害賠償請求行為等請求控訴事件
LEX/DB25501528 / 大阪高等裁判所 平成25年 7月18日 判決 (控訴審) / 平成25年(行コ)第42号
 大津市の住民である被控訴人(一審原告)が、控訴人(一審被告)に対し、学区自治連合会に対する地区環境整備事業としての公金(補助金)の支出の差止めを求めるとともに、大津市長の職にあった者に対し、補助金支出額の損害賠償を請求することを求めた事案の控訴審において、本件補助金交付の目的、趣旨、効用及び経緯、補助の対象となる事業の目的、性質及び状況、当該地方公共団体の財政の規模及び状況、議会の対応等の諸事情を総合すると、本件補助金の支出については、大津市財務会計職員の判断に裁量権の逸脱又は濫用があったとはいえず、公益性(公益上の必要性)を肯定することができ、違法性を認めることはできないとして、原判決中控訴人敗訴部分を取り消し、同部分につき、被控訴人の請求を棄却した事例。
2013.09.10
被爆者健康手帳申請却下処分取消等請求事件
LEX/DB25501517 / 長崎地方裁判所 平成25年 7月 9日 判決 (第一審) / 平成23年(行ウ)第17号
 長崎市に投下された原子爆弾に被爆したと主張する原告が、原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(平成6年法律第117号)に基づき、長崎市長(処分行政庁)に対し、被爆者健康手帳の交付申請をしたところ、処分行政庁が同申請を却下したことにつき、却下処分は違法である旨主張し同処分の取消しを求めるとともに、処分行政庁に対し、原告に対する被爆者健康手帳の交付の義務付けを求め、さらに、違法な却下処分により法律の定める援護を受けることができず精神的苦痛を被ったとして、被告に対し、国家賠償法1条1項に基づき、損害賠償金の支払を求めた事案において、原告は、被爆者援護法1条1号に定める者(原爆が投下された際当時の長崎市の区域内に在った者)に該当するから、原告の本件申請(被爆者健康手帳交付申請)を却下した本件却下処分は、違法であり取り消されるべきであるとし、処分行政庁は、本件申請につき、原告に対し、被爆者健康手帳を交付すべき義務があるとする一方、処分行政庁の担当公務員が、職務上通常尽くすべき注意義務を尽くすことなく漫然と本件却下処分をしたと認めることはできず、本件却下処分をしたことにつき、国家賠償法1条1項にいう違法があったということはできないとして、原告の請求を一部認容、一部棄却した事例。
2013.09.03
定期検査終了証交付差止請求控訴事件
LEX/DB25501463 / 大阪高等裁判所 平成25年 6月28日 判決 (控訴審) / 平成25年(行コ)第21号
 滋賀県、京都府及び大阪府に居住する控訴人(一審原告)ら及び原審相原告9名が、電気事業法54条所定の定期検査を実施していた関西電力大飯意発電所3号機及び4号機につき、電気事業法施行規則93条の3に基づく経済産業大臣から関西電力への定期検査終了証の各交付が行政処分に当たり、違法であると主張して、被控訴人(一審被告。国)に対し、各交付の取消しを求め、原審は、各交付は行政事件訴訟法3条2項にいう処分には当たらないから、訴えは訴訟要件を欠く不適法なものであるとして却下した事案において、控訴を棄却した事例。
2013.08.27
滞納処分取消等請求事件
LEX/DB25501347 / 鳥取地方裁判所 平成25年 3月29日 判決 (第一審) / 平成21年(行ウ)第3号
 原告が、処分行政庁から、原告の個人事業税及び自動車税の未納分を徴収するため、滞納処分として、原告名義の本件預金口座を差し押さえられた上、その配当処分を受けたことにつき、本件差押処分は差押禁止債権を差し押さえたものであるから違法であるなどと主張して、被告に対し、本件差押処分の取消しを求めるなどした事案において、児童手当法15条の趣旨に鑑みれば、処分行政庁が、差押処分に先立って、差押えの対象として予定している預金債権に係る預金口座に、近いうちに児童手当が入金されることを予期した上で、実質的に児童手当を原資として租税を徴収することを意図した場合において、実際の差押処分の時点において、客観的にみても児童手当以外に入金がない状況にあり、処分行政庁がそのことを知り又は知り得べき状態にあったのに、なお差押処分を断行した場合は、当該処分は、裁量逸脱により違法となるなどとして、原告の請求を一部認容した事例。
2013.08.27
損害賠償請求事件
LEX/DB25501404 / 津地方裁判所四日市支部 平成25年 3月29日 判決 (第一審) / 平成23年(ワ)第584号
 原動機付自転車に乗っていた原告が、道路下に埋設している本件暗渠に亀裂等が生じ、本件暗渠の水が地中に流れ出したことによって陥没した本件道路に転落した事故により負傷したとして、本件暗渠の管理者である被告土地改良区に対し、本件暗渠の適切な点検等を怠ったとして民法709条に基づき、本件道路の管理者である被告町に対し、道路として通常有すべき安全性を欠いていたとして国家賠償法2条1項に基づき、それぞれ損害賠償を求めた事案において、被告町においては、本件道路に陥没が生じた後、それが被告町に通報された時刻である午前6時45分までは、本件道路の陥没への予見可能性はなく、また、上記時刻が、被告町の職員の登庁時刻ではなかったことからすれば、通報後直ちに本件事故現場へ赴くことができなかったとしても、やむを得ないなどとして、結果回避義務違反を否定するなどして、原告の請求をいずれも棄却した事例。
2013.08.27
事業計画変更認可申請却下処分取消等請求事件
LEX/DB25501395 / 東京地方裁判所 平成25年 6月27日 判決 (第一審) / 平成24年(行ウ)第327号
 タクシー事業を営む原告が、特定地域に指定されている区域を営業区域として、営業所ごとに配置する事業用自動車を増車するため、処分行政庁に対し、道路運送法15条1項に基づき、事業計画変更認可申請をしたところ、処分行政庁から、申請を却下する旨の処分を受けたため、被告(国)に対し、処分の取消し及び認可処分をすることの義務付け等を求めた事案において、処分は、事実に対する評価が明らかに合理性を欠くこと、又は、判断過程において考慮すべき事情を考慮しないことにより、社会通念に照らし著しく妥当性を欠くものであるから、処分行政庁が有する裁量権の範囲の逸脱又は濫用をしたものであり違法であるとして、却下処分の取消請求を認容し、その余の請求を棄却した事例。
2013.08.20
一般乗用旅客自動車運送事業の乗務距離の最高限度を定める公示処分の取消等請求事件(甲事件)、事業用自動車の使用停止処分差止等請求事件(乙事件)
LEX/DB25445756 / 大阪地方裁判所 平成25年 7月 4日 判決 (第一審) / 平成22年(行ウ)第58号
 タクシー事業を営む原告らが、乗務距離の最高限度を定める旅客自動車運送事業運輸規則22条は違憲ないし違法であり、同条に基づき近畿運輸局長が定めた本件公示も違法であるなどとして、各原告の日勤勤務運転者について1乗務当たり250kmを超えて乗務させることのできる地位にあることの確認を求め、さらに、道路運送法40条に基づく不利益処分の差止めを求めた事案において、差止請求に係る訴えを不適法却下した上で、近畿運輸局長が本件公示を定めたことは、日勤勤務運転者につき乗務距離の最高限度を1乗務当たり250kmと定めた点においても、高速自動車国道等の乗務距離につきその運行速度が高速度になることを看過した点においても、その裁量権の範囲を逸脱してされたものとして違法であるとして、確認請求を認容した事例。
2013.08.20
帰化日本人投票制限国家賠償請求控訴事件
LEX/DB25501407 / 東京高等裁判所 平成25年 2月19日 判決 (控訴審) / 平成24年(ネ)第1030号
 本件総選挙において、帰化により日本国籍を取得したものの、公職選挙法21条1項の3か月記録要件を満たさないとして選挙人名簿へ登録がされず、選挙権を行使できなかった原告(控訴人)が、同項は、憲法前文等に違反し、原告の選挙権を不当に制約・剥奪するものであり、国会による同条の立法行為及び選挙直前3か月以内に帰化した者が選挙権を行使できるような立法措置を怠った不作為により精神的損害を被ったとして、損害賠償を求めたところ、請求が棄却されたため、控訴した事案において、3か月という期間は決して短期のものとはいえないが、実行性のある不正投票防止を実現するために要する期間として上記期間を設定したことが、国会に委ねられた裁量を逸脱した合理性を欠く許容しがたいものと断ずることはできないとし、控訴を棄却した事例。