旅先での不慮の事故に備え「海外旅行保険」に入っていますが、外国語が得意でないこともありいざというときの利用に不安があります。利用法と保険の適用範囲等についてもお教えください。(飲食業)

 海外で直面する予期せぬトラブルには、病気やケガ(交通事故等)のほか、携行品の盗難や破損、誤って他人にケガをさせたり他人の物を壊してしまったりすることによる損害賠償金の負担、航空機の遅延や航空会社に寄託した手荷物の到着遅れにより生じた費用の負担等が考えられます。
いずれも海外に限ったトラブルではありませんが、トラブルに対処しようにも文化や習慣、言語の異なる海外では国内における常識が通用しないという特有の事情があります。そのため、いくら海外旅行保険を契約して保険の補償を充実させたとしても、トラブルの対処に不安を覚えることは何ら不思議なことではありません。

アシスタンスセンターの利用

 そこで、通常、損害保険会社では海外旅行保険をご契約いただいたお客様を対象とした各種サービスをご用意しています。

 当社においても各種サービスをご用意し、すべてのお客様にアシスタンスセンター(海外でのトラブルにお困りのお客様を24時間365日体制でサポートする日本語対応サポートデスク)のご利用をおすすめしています。お客様からの様々なご相談に専任スタッフが日本語でお応えしますので、現地の言語に不安のある方でも安心してご利用いただけます。

 具体的には、保険の内容や保険金の請求方法に関する各種のご相談、弁護士・通訳のご紹介等のほか、医療面においても、最寄りの医療機関や日本語対応可能な医療機関、キャッシュレス診療可能な医療機関のご案内・予約等を通じてお客様をサポートしています。

 また、重大な病気やケガの場合は、医療機関の手配から、治療に適した地域の医療機関への移送の手配、医師、看護師の派遣、救援者の渡航手続きのサポートに至るまで、緊急医療アシスタンス専門のスタッフが的確に状況を判断し、困難な状況に置かれたお客様を最善の解決方法でサポートしています。なお、保険で補償される治療費や移送費等は、基本的には医療機関等に対し保険会社が直接お支払いしますので、お手持ちの現金に不安がある場合も安心です。

 アシスタンスセンターのご利用は電話で承ります。日本人渡航者の多い地域からは通話料無料の専用回線を設けていますので、海外からでもオペレーターを通すことなく電話がつながります。また、その他地域であってもコレクトコールをご利用いただくことで通話料のご負担は不要となります。

 サービス内容や渡航先での利用方法等は各社異なりますが、通常これらは契約時にお渡しする小冊子に掲載してあるので、渡航前に必ずご確認ください。また渡航中も、トラブルに直面した際すぐにサポートが受けられるよう保険証券とともに小冊子を携行ください。

 なお、クレジットカードに海外旅行保険が付帯されていることがありますが、補償内容やサービス内容はカード会社やカードの種類で異なるので、必ず渡航前にホームページ等でご確認ください。

 最後に、海外におけるトラブルでも、海外旅行保険では補償されないものもあるのでご注意ください。例えば、病気の中では「旅行開始前に発病していた病気」や「虫歯、歯槽膿漏等の歯科疾病」は補償されない代表的な事例です。主なものはパンフレットや重要事項説明書(「契約概要」および「注意喚起情報」)、小冊子等に掲載しておりますので、ご契約時に必ずご確認ください。

掲載:『戦略経営者』2008年3月号