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情報誌 「新風」(かぜ)

2025年10月号Vol.140

【TKC サポートインフォメーション2】新商品検討プロジェクト福祉相談支援の最適化へ、生成AI活用を研究中

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 福祉の相談支援業務は人と向き合うことが本質であり、デジタル化の恩恵を受けにくい分野です。しかし、生成AIと関連技術の登場で、その状況も大きく変わろうとしています。
 AIの活用シーンはさまざまですが、TKCでは現在、新商品検討プロジェクトにおいて、①相談支援記録の作成、②地域課題の発見(データ分析)──の二つのテーマで新サービス・システムの研究を進めています。

 「相談支援記録の作成」は、今後の支援内容の検討や関係者への情報共有、そして文字通り〝記録〟として非常に重要なものです。しかし、これまでの技術では〈文章を作成する行為〉の効率化が難しく、記録者・閲覧者の双方に大きな負担となっていました。
 この点、生成AIは文章の取り扱いを得意としています。音声入力や文章作成、伝わりやすい表現への修正などをAIに任せることで、業務負担を軽減できます。加えて、記載漏れのチェック・提案などにより、記録内容の質向上も期待できます。
 もう一つが「地域課題の発見」です。いま自治体には地域課題を明らかにするとともに、解決に必要な施策・体制を計画的に整備することが求められています。
 相談支援記録は、その課題発見の重要な資産ですが、情報量が膨大で人手による分析には限界があります。そこで、生成AIを活用して相談支援記録から住民の困りごとを自動的に抽出し、その結果を集計・分析することで地域課題の発見に役立つと期待されます。
 さらに、「どの地域で、どのような課題を抱えている住民が多いのかを知りたい」といった会話形式でAIに作業を指示できるようになれば、データ定義など特別な知識がなくても誰でも相談支援記録の分析が可能となります。
 当社では、お客さまの業務効率化と住民サービスの向上を支援するため、今後もAIの利活用について研究を進め、その成果を随時ご紹介する計画です。ぜひご注目ください。

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