TKC全国会 中堅・大企業支援研究会(中大研)

掲載日:2019.11.25

さあ始めよう!電子申告 -義務化に備えて-

第6回(最終回) 電子申告の実務-電子署名して送信!業務効率化しよう-

TKC全国会 中堅・大企業支援研究会 連結納税システム普及部会会員 税理士 宮﨑純子

TKC全国会 中堅・大企業支援研究会
連結納税システム普及部会会員
税理士 宮﨑 純子

2020年4月1日以後開始する事業年度から、大法人は法人税・消費税・地方税の電子申告が義務化されます。当コラムでは、電子申告義務化に備えて事前準備から電子申告までの実務を全6回で解説いたします。

※令和元年9月10日現在国税庁・地方税共同機構HPで公表されている情報をもとに記載しています。

 電子申告を行うには、税務申告ソフトなどで申告書を作成し、電子署名を付与して、e-Tax受付システム及びeLTAXポータルセンタに送信します。ここでは、申告書データの作成・送信方法の解説と、TKC法人電子申告システムでの電子申告実践事例についてご紹介します。

1.申告書データの作成・送信

(1) e-Taxソフト・ PCdesk(eLTAX対応ソフト)を使用する場合
① 申告書作成

 市販の税務申告ソフトを使わずに申告書を作成する場合には、国税申告書はe-Taxソフト、地方税申告書はPCdesk(DL版)をダウンロードします。システムの使用方法は、「e-Taxソフト操作マニュアル」及び「PCdesk(DL版)ガイド」をご確認ください。

② 電子署名

 e-Taxソフトで作成した申告書データに、電子署名を行います。電子署名に「商業登記電子証明書」を使用する場合には、電子証明書の選択画面において「他のメディアを利用」を選択します。「参照」ボタンより、任意のフォルダに保存されている電子証明書の「ファイル名」指定し、「パスワード」を入力して電子署名を行います。
 PCdeskで作成した申告書データについても、同様の手順で電子署名を行います。

③ 電子データの送信・確認

 e-Taxソフトでは、電子署名が付与された申告書データが「送信可能一覧」に表示されています。「送信」ボタンをクリックすると、e-Tax受付システムに電子申告されます。電子申告データが正常に受領されたかどうかは、「メッセージボックス」で確認します。電子申告すると「即時通知結果」が表示されますが、これは送信が正しく行われたかどうかを示すものであり、「メッセージボックス」に格納される「メール詳細(受信通知)」が、申告書の「収受印」に該当するものです。
 PCdeskでは、「申告データの送信」ボタンより申告データを選択し、「送信」ボタンをクリックすると、eLTAXポータルセンタに電子申告されます。電子申告データが正常に受領されたかどうかは、「メッセージ照会」で確認します。電子申告すると「送信結果」が表示されますが、これは送信が正しく行われたかどうかを示すものであり、「メッセージ照会」に格納される「申告受付完了通知(受付通知)」が、申告書の「受付印」に該当するものです。

(2) TKC法人電子申告システムを使用する場合

 TKC法人電子申告システムを使用する場合には、e-Taxソフト・PCdeskのダウンロードは不要です。

① 申告書作成

 TKC法人電子申告システムでは、法人税・地方税計算のための申告基礎データを入力し、税額計算及び申告書の作成を行います。また、「計算書類等の作成」の業務プロセスでは、財務諸表や勘定科目内訳明細書のCSV読込を行います。

② 電子署名・電子データの送信・確認

 TKC法人電子申告システムでは、国税申告書と地方税申告書について「電子署名」・「データ送信」・「受信通知(受付通知)の確認」が一つの画面にまとまっていて、大変便利です。また、同画面において「メッセージボックス」も確認できます。

2.TKC法人電子申告システムでの電子申告実践事例

 TKC法人電子申告システムをご利用されている企業様が、電子申告の実践によって業務効率化された事例をご紹介します。

(1) A社グループの事例

 電子申告実践前は、申告書の提出までの作業コストと印刷・郵送コストがかかっていました。また、送付間違いのリスクもありました。自治体の統合や税率変更への対応も必要で、自治体ごとの税率をチェックする手間もかかっていました。
 電子申告実践によるメリットは圧倒的に大きいもので、押印・郵送作業がなくなり、印刷・郵送コストのほか、残業代が大幅に削減できました。自治体の税率変更もシステムが自動で対応するため、税率チェックの手間もなくなりました。また、想定外の効果も生まれました。例えば、グループ各社の申告書提出状況を一括管理できるようになったため、ガバナンス強化につながります。また、申告業務の標準化を実現し、業務の属人化をなくすことで、後任への引継ぎや子会社への指導が容易になりました。複数年度にわたる修正申告も大変楽になりました。
 今後は、2020年の電子申告義務化により、申告書別表だけでなく添付書類についても電子データでの提出が必要となるため、新たな実務対応を検討し、子会社向けの説明会を行う予定です。グループ全体の税務ガバナンスの強化と、効率的な税務業務を実現させるため、電子申告義務化を生産性向上のための良いきっかけととらえ、早期の導入を目指しています。

(2) B社グループの事例

 電子申告実施前は、約70の自治体の申告書を印刷し、押印後に郵送していました。電子申告実践によって、飛躍的に作業効率が良くなりました。各自治体に一括で申告が可能となり、業務負担が大幅に軽減されたため、税務申告に要する業務時間は、申告書作成業務を含め3分の1になりました。電子申告は難しいのではないかという不安がありましたが、実践してみると簡単で便利だと感じました。

 以上、電子申告手続きについて全6回のコラムで解説いたしました。これから電子申告業務に取り組まれるご担当者様に少しでもご参考頂ければ幸いです。

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プロフィール

税理士 宮﨑 純子(みやざき じゅんこ)
TKC全国会 中堅・大企業支援研究会
連結納税システム普及部会会員

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税理士法人土田会計事務所

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